一昨日、シリアのアサド大統領がロシアに亡命、というニュースがあった。
このニュースを聞いた時、中東そのものが(政治的に)大きく揺れているのか?という印象を持った。
実際、イラン・イラク・パレスチナの関係は、とても難しいモノがあり解決の道すら見えていない、という感じだ。
その一方で、シリアの情報そのものは、日本では乏しいモノだったような気がする。
その為、「反政府勢力がアサド大統領を亡命するまでに追いやった」というニュースを見た時、シリアもまた大混乱に陥るのでは?という、懸念を持ったのだ。
しかし、日本の大手メディア以外からの情報から読み解くと、実は長い間シリアの人たちはアサド一家の独裁政治によって、相当抑圧された生活を強いられていた、ということもわかってきた。
BBC News:【解説】アサド政権崩壊、シリアと周辺のパワーバランスはどうなるのか
このBBC Newsによると、さっそくイスラエルがシリアに攻撃を仕掛けているようだ。
BBC News:イスラエルがシリア各地で空爆との現地報道 化学兵器の研究施設も対象か
地図を見るとわかるのだが、先日まで秋篠宮ご夫妻が訪問していたトルコは、シリアの隣国という位置にある。
その為、トルコにはシリア難民が数多くいるはずだ。
シリアという国から逃げ出した人達の多くは、アサド大統領時代の抑圧から逃れてきた人たちも既に数多くいるのでは?と、想像するとトルコ政府としては、日本の皇族を快く迎えれられる状況ではなかったような気がする。
終始、かたい表情をされていたエルドラン大統領の心情は、心穏やかではなかったのでは?
もちろん、シリアと接する国の中でヨルダンのように、政治的に安定している国にとっても、今回のシリアでの出来事は大きな影響を与えることになるだろう。
そしてアサド大統領をロシアが受け入れたことで、ロシアの威信に打撃となっているのでは?という、指摘もされている。
BBC News:【解説】シリア・アサド政権の崩壊、ロシアの威信へ打撃
ロシアがアサド政権をバックアップする代わりに、シリア国内にロシア軍が駐留していたということを初めて知った。
おそらくロシアにとって、シリアにロシア軍を駐留させることで、イラン・イラク・イスラエルといった国々へ何等かの影響を与えることができるということよりもNATOをはじめとする西側諸国に対する牽制という目論みもあったのではないだろうか?
日本では、ウクライナvsロシア、あるいはイスラエルvsパレスチナということばかりに目が行っていたが、世界情勢はそれほど簡単なものではなかった、ということを改めて知った気がする。
そしてそのような「大国のバックアップを受けながら、紛争が続いている地域」が世界には数多くある、ということだろう。
このアサド政権崩壊の前には、韓国では大統領が「戒厳令」を出し、わずか数時間後に解除される、ということが起きている。
このことで尹大統領は、韓国内での政治的力を失いつつある。
来年、米国ではトランプ氏が大統領に復活する。
「国際政治が大きく揺れ動く年」が、まさに始まろうとしているのではないか?
その中で、日本はどのような舵取りをしなくてはならないのか?
与えられた課題は、とても難しく世界を見据えられる多眼的思考が求められそうだ。
最新の画像[もっと見る]