連日ニュースで報道されている、小林製薬が発売している「紅麹入りサプリ」の健康被害の問題。
このサプリを飲用したことで亡くなられた方が、いらっしゃるということで、「健康被害」を訴える人が今後も増えていきそうだ。
時事通信:株主総会で社長が謝罪 紅麹健康被害、4人死亡でー小林製薬
そして今回初めて、この「紅麹」を様々な食品会社が提供を受けていた、ということも驚きだったのではないだろうか?
ネット通販で「紅麹」を販売しているショップサイトを見ると紅麹の健康効果だけではなく、食紅のような使い方もされてきたようだ。
この「紅麹」の使い方が、サプリメントと食品添加物としての2つの使い方があったために、今回の問題が食品会社にも大きく影響したことが分かる。
食品添加物として使われるの出れば、その量は微量なはずだが、サプリメントとして使われるのであれば、濃縮したような状態で「紅麹」を飲むことになる。
過度に濃縮されたために、健康被害を起こさせたとも考えられるのでは、ないだろうか?
いくら体に良いと言われるモノでも、一時的に高濃度になったモノを摂取すれば、体にかかる負担は大きくなるだろうし、その為の副反応が出てもおかしくはない。
そう考えると、「紅麹」だけではなく、「サプリメント」そのものの付き合い方も考える必要があるのでは?という、気がしてくる。
「サプリメント大国」と言われる、米国ではどのようになっているのかは分からないが、ドラッグストアーの「サプリメントコーナー」に行くと、数多くの商品が並んでいる。
ビタミン剤等はおなじみだが、馴染みのない名前のサプリメントも数多くある。
その為、メーカー側は効能がわかりやすいようなネーミングをつけ、販売をしている。
今回の小林製薬の「紅麹」も「(悪玉)コレステロールを下げる」という効果を謳っていたのは、効能をわかりやすく伝える為だったのだろう。
マーケティング担当者であれば、よく知っていると思うのだが、小林製薬の商品のネーミングは他社製品に比べ「効果がわかりやすい・生活者に伝わりやすい」ようなネーミングがされていた。
だからこそ、手に取りやすいという特徴があったのだ。
ドラッグストアに並ぶ、数々のサプリメントを見ながら「健康の為」という思いで、様々なサプリメントを生活者が購入する理由を考えてみた。
そこにあるのは「健康診断の数値」が、関係しているのではないだろうか?
特に今回問題になっている「紅麹サプリ」は、上述した通り「コレステロール値」に関係してくるモノだっが。
「コレステロール値」や「腹部周り・血圧」等は、健康診断で指摘されやすい項目でもある。
基準値を外れると、即不健康のようにとらえられ、健康指導がされる場合もあるはずだ。
この「健康診断」で、重要視されるからこそ、何とか数値をコントロールしたい、という思いでサプリメントを利用する人がいても、おかしくはないだろう。
先ごろ、この「健康診断」における「メタボ数値」が一部変更された。
それが「腹囲」だ。
朝日新聞:「女性の腹囲90センチ→77センチ」メタボ基準を新たに提案
この記事を読んだ時「中年女性の半数はメタボなの?」と思ってしまった。
記事をよく読んでみると、対象年齢は17歳から始まる「全年代」を対象にしている。
この「全年代」というのが、問題なのだ。
ワコールが女性の体形変化を示している図がある。
この図の示す通り、10代の体形はお腹も出ておらず、スッキリとしている。
それが年齢を経るごとに、お腹が出てくるのだ。
これは、男性についても同じだろう。
血圧等についても、同じだ(先日、健康診断で血圧が高いと指摘された時、その血圧基準を保健婦さんに確認したところ「全年代」と確認をしている)。
骨格そのものも一人ひとり違う。
それを、一括りで数値化することに、どれだけの意味があるのだろう?
コロナ感染の時にも感じたことなのだが、人の健康にかかわるデータであれば、きちんとした統計学を基にすべきなのだ。
このような、数値に振り回され、サプリメントで健康被害を受ける、そのようなこと自体、問題のような気がするのだ。