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自民党に対する潮目が変わった?‐東京オリンピック汚職事件‐

2024-03-04 20:04:18 | アラカルト

FM番組を聴いていたら、「自民党に対する潮目が変わってきた?」と感じるニュースがあった。
毎日新聞:元組織委理事の高橋被告、森元首相に証言要請、東京五輪汚職事件 

東京オリンピックに関する汚職事件そのものは、ニュースで大きく報じられることは無くなった。
それは、汚職事件として関係者が逮捕・起訴された状況だからだ。
社会の関心も、今は自民党の「裏金問題」や「大阪万博」等に移りつつある。
勿論、年明けすぐに発生した「能登半島地震」等への関心も、まだまだ高い状況にある。
逆に言えば、すっかり東京オリンピックの汚職事件は、記憶の彼方へ行ってしまっていた事件、と言っても過言ではないかもしれない。

そのような状況で、汚職事件の中心人物ともいえる元組織委理事の被告の証言要請は、改めて様々なことを思い起させる切っ掛けとなるのでは?という、気がしている。
何より、これまでと大きく違うのは、被告が「森元首相の証言要請」をしている、という点だ。

森元首相と言えば、国際的スポーツイベントには、必ずと言っても良いほど要職に就いてきた自民党の中でも重鎮議員だ。
今は政治家としての活動はしていないようだが(少なくとも表舞台には出てきていない印象がある)、自民党の会合等では車いすで出席する姿も、メディアでとらえられていることを考えると、未だに自民党内での影響力は少なからず残っている、と考えてもよいだろう。

そして森元首相は、解散をした安倍派の元となった「清和会」に属している。
表には出ていないが、今回の「裏金問題」についても、何等かの関わりを持っていると考えるのは、当然のコトではないだろうか?
その森元首相に対して、「自分だけに責任を負わせ、素知らぬ顔をしている」ということに納得がいかなかったのか?証言を要請するということそのものが、異例なことのように感じる。

というのもこのような事件が起きた場合、薄々「裏で政治家が何かをやっていただろう」と、想像することはあっても、政治家が表舞台に引きずり出される、ということが無かったからだ。
表舞台に出なかったのは、やはり「国際イベントで甘い汁を吸わせてくれた恩義」のようなモノがあり、それを裏切るような行為は次にある(であろう)同様のイベントで声をかけてもらえなくなる、という利害があったからだろう。

それが、「裁判での証言要請をする」ということになれば、「自民党に遠慮する必要はない」と、考えたからなのでは?という、印象を持ったのだ。
確かに、今の自民党を取り巻く社会的イメージは、どん底と言ってもよいかもしれない。
内閣支持率の低下だけではなく、他の政党よりも高いとはいえ政党支持率も低下し続けている。
支持率低下を岸田首相一人に押し付けるには、無理があるという状況になっているのが、現在の自民党なのだ。

今回の「裏金問題」について、当事者は「秘書や会計責任者が、勝手にやったこと」で逃げているが、多くの国民はそのようなセリフを信用していない。
そのような社会的雰囲気だからこそ、東京オリンピック汚職事件での森元首相の証言要請になったのだろう。
上述したように「自民党に遠慮する必要はない=自民党に対する社会的潮目が変わってきた」ということになるのでは?と、感じている。