日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

CMは時代を映す?

2004-11-18 12:01:05 | CMウォッチ
最近、気になるCMがある。
ある消臭剤のCMなのだが、内容はそれほど驚くようなものではない。
そのCMの内容は、前日の夕飯に魚を焼いた(どうも「秋刀魚の塩焼き」ようだ)、その臭いが、部屋のカーテンやソファー、カーペットに染み付いているので、消臭剤で消しましょう。という何の変哲も無いCM。
気になるのは、そのCMでの子供とお母さんのやり取りの言葉である。
子:「なんか、お魚臭い」
母:「昨日、夜ご飯の後に『商品名』をしなかったから、お魚の臭いが染み付いちゃったの」
以下省略。
何か気づきませんか?
気になると言うのは、お母さんの「夜ご飯」という言葉なのです。
一体いつから、「夕飯」もしくは「晩ご飯」のことを「夜ご飯」というようになったのか?
確かに、現在の夕飯時間は夜の8時頃なのかも知れない。
もっと遅い場合もあるだろう。
とすれば、時間的感覚からすれば「夕飯」ではなく「夜ご飯」ということになるのかも知れない。
日本人の夜型行動の一般化と読取ることも出来る。
些細なことかも知れないが、マーケティングと言う視点から見ると「生活者の時間的感覚の言葉使いの変化」とも捉えることが出来る。

このように、CMでこれまでとは違う使われ方をして一般化した言葉に「全然」がある。
10年余り前、某自動車メーカーのCMで「全然イイね」と使われた時は、とても抵抗感があった。
それまでは「全然+否定表現」が普通だったように思うのだが、このCMをきっかけとして「全然+肯定表現」が普通になった。このCMから10年経たないうちに「否定的表現:ヤバイ」が「肯定的表現」へと変化し、今日日の若者は当たり前のように使っている。

テレビCMを真剣に見てみると、時代を映しているということが分かる。
トイレタイムだと思わず、少し腰を据えてみると面白い発見をすることがある。

しかし・・・やっぱり「夜ご飯」ではなく「夕飯」のほうが、昭和30年代半ば生まれにはフィットする。
それに、どうしてCMでは「晩ご飯」という言葉を使わなかったのだろう?


初めまして

2004-11-17 11:44:34 | Weblog
初めまして。
マーケティングプランナーの伊藤と申します。
現在、フリーランスで仕事をしています。
簡単なプロフィールを掲載していますが、マーケティングと言う仕事に携わって20年近くになります。
メーカー販社での商品企画を担当し、退社後も公共事業のパブリシティーに(一瞬)関わったり、保険会社でマーケティングの「いろはを教える」ということもしました。
昨年は、結婚情報会社で会員向会報誌の編集や広告を担当させて頂きました。
(このときのお話は、いずれしたいと考えています)
様々な業種を経験させて頂くことで、改めて「マーケティング」の楽しさや難しさ、重要性を教えて頂きました。
ところで、「マーケティング」ってどんなものだと思いますか?

「マーケティング」って何?
このような仕事をしていると、初対面の方から「マーケティングの仕事をしているなら、『儲けの法則』を教えてください」と言われることがあります。
でも、残念なことにマーケティングは「儲けのKnow How」を教えたりすることではないのです。
むしろ、マーケティングと言う実学を体系づけたP.コトラーが言うように「企業に携わる総ての人が、マーケティングに対して責任を持たなくてはいけない」というほど、企業の根幹に関わる「企業と社会と生活者との関係を考え、実行に移すための地図を描くこと」がマーケティングなのです。

でも、このブログではそんな難しいことではなく、ひとりのマーケターが毎日の生活の中で感じたことを気軽に綴っていきたいと思っています。
その中から、みなさまのマーケティング・アイが刺激を受けてくだされば嬉しく思います。