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「楽しい生活」は、程遠い‐エンゲル係数の高水準‐

2025-02-07 19:46:26 | アラカルト

朝日新聞のWeb版を見ていたら、ますます庶民の財布の紐は固くなるのかな?という記事があった。
会員向け有料記事なので、同様の記事が共同通信社のサイトにあった。
共同通信:エンゲル係数、40年ぶり高水準 27%、値上げが家計を圧迫 

エンゲル係数とは、家計の中で食費の割合を示す数字だ。
エンゲル係数が高い=家計の中で食費の割合が高い、ということになる。
食費の割合が高い=家計に余裕がない、ともいえる。

記事中には「物価高」という指摘をされているが、「物価高」の中でもエンゲル係数が高水準ということは、衣料品等の購入を控え、食費に回している、と考えられる。
レジャー等に使われるお金は、生活に必要なお金ではないので、物価上昇には大きく関わってはこない。
ということは「物価高で、レジャーに充てるお金がない」のではなく、「生活者は、食品の高騰で経済的余裕がなくなっている」ということになる。
上述したように、レジャーに使えるお金など(=可処分所得)が、少なくなってきている、ということでもある。

今回発表されたデータは、2人以上の世帯となっていることを考えると、単身者世帯が加わると、もっとエンゲル係数が上がる可能性もあるのでは?という気がしている。
というのも単身者世帯の内、経済的に豊かな人(=可処分所得が多いと考えられる人)よりも、そうではない人達の方が多いのでは?という気がしているからだ。
家族の形態も様々になってきていることを考えると、2人以上の世帯と言ってもシングルマザーの世帯は、元々経済的基盤が弱い為エンゲル係数は上がってしまう。

もう一つは、昨年のベースアップ程度では、可処分所得と言われる「世帯で自由に使えるお金」とはならない、ということだ。
今年の施政方針演説だったか?石破首相は「楽しい日本」という、キャッチフレーズを打ち出したようだが、生活者が「楽しい生活」とは程遠い生活をしているのだから「楽しい日本」等到底無理なのでは?
石破首相が言われた「楽しい日本」ということは、インバウンド向けとも受け止められそうだが、生活者一人ひとりが「日々の暮らしが楽しい」と感じられなければ「楽しい日本」に結びつかないだろう。

違う言い方をするなら、生活者がエンゲル係数に振り回されない程度の生活基盤があり、日々の暮らしを楽しむ余裕がある社会、ということを目指そうとしているのであれば、その為には何が必要なのだろう?
個人的には、エンゲル係数に含まれているはずの消費税分を減らす為に、消費税そのものを見直す、ということだ。
多少の物価高であっても、もれなく支払わなくてはならない消費税分が、減る(または無くなる)ことで、家計におけるエンゲル係数は下がるからだ。
その分、自由に使えるお金が生まれれば、「楽しい生活」に近づくのではないだろうか?




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