僕はびわ湖のカイツブリ

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“男のためのガーデニング”改め

御朱印蒐集~福井県小浜市 本浄山 羽賀寺~

2017-11-24 20:10:10 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 羽賀寺は“鳳凰が飛来し羽毛を残した”という吉祥に喜んだ元正天皇が行基に命じて建立させた寺院だと伝わります。
元正天皇は第44代天皇で女帝で、先代天皇で母である元明天皇も女帝であったことから歴代天皇の中で唯一母から娘への譲位だったとされます。

羽賀寺は1450年以降は高野山真言宗の寺院となっていますが、寺院の方のお話では“高野山よりも99年早く開基した寺院です。”ということでした。
小浜の寺院では開基が行基という寺院が多いのですが、これは「お水送り・お水取り」に代表される小浜と奈良のつながりの深さということになるのでしょうか。



最盛期には18坊を有したとされる羽賀寺でしたが、中世に何度か焼失し、唯一現存する本堂は1447年に再興された建築物だとされます。
真言宗に改宗するまでは天台宗の寺院だったとされますので、奈良仏教から平安時代の天台宗・真言宗と変遷していった寺院ということになるようです。



寺院の山門は再建されていませんが、かつて山門があったのではと思われる場所がありました。
ただしこれは後から山門替わりに作られたものかもしれません。



参道に入ると、その先の石段の上に本堂が見えてきます。
いつもの事ですが、石段の上に楼門や御堂が見えてくる時はワクワクするように気分が高揚してしまいます。





まず鐘楼を撞かしてもらってから本堂に向かいましたが、小浜の寺院はどこも人が少なく古刹感が楽しめますね。



本堂は室町時代の1447年の再建で、重要文化財の指定を受けています。
軒が反り上がった様式になっているのは室町時代の建築物の特徴の一つなのかもしれません。





本堂では内陣まで入って仏像を目の当たりに観ることが出来ますが、御本尊の「十一面観音立像」の何と美しいことか!
厨子に納められた十一面観音は女性的な印象の強い仏像で、色彩が綺麗に残っていてスラリと長い手と柔和な顔に心が惹きつけられます。


観光HPより

須弥壇には御本尊の左右に「千手観音立像(藤原期・像高135cm・重文)」と「毘沙門天立像(藤原期・159cm・重文)」が並び、後方には不動明王像が祀られています。
須弥壇の左には「延命地蔵菩薩坐像(鎌倉期)」、右には「子安地蔵菩薩坐像(藤原期)」が祀られてありました。

更に後陣には金色の残った「薬師如来坐像(藤原期)」が厨子の裏側に祀られ、薬師の眷属の二十八部衆が周囲を固め、平安時代に実在した三重塔の扉の一部も残されていました。
お寺の方の話によると、廃仏毀釈の影響などもあって御本尊以外の仏像は元々は他の寺院で祀られていたものということで、小浜には廃寺になった寺院も多いようです。



若狭小浜は「みほとけの里」と呼ばれますが、どの寺院を訪れても素晴らしい仏像に出会うことが出来ます。
特にここ羽賀寺の「十一面観音像」の美しさには圧倒されてしまいました。強さであるとか神々しさとは違う女性的で柔らげな表情の仏像といっていいのでしょう。


コメント
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