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もちろん子供達の目当ては寺で営まれる法要ではなく、商店街に並ぶ縁日の露天です。
当方も子供の頃には「りんご飴」や「かき氷」に「たこ焼き」などの食べ物や、「ボールすくい」や「射的」「スマートボール」などのゲームに心躍らせた記憶がありますし、「見世物小屋」なんてのも昔はあって、そのおどろおどろしい見世物をおっかなびっくり見るのも楽しみの一つでした。「見世物小屋」では人間ポンプという見世物芸の他にも「亀男」「蛸女」なんていう子供心にも胡散臭いものもあったと思います。
今では考えられないけど、ペンキを塗ったカラーヒヨコなんてのも売られていましたね。
この『夏中さん』は縁日として親しまれていますが、実際は「長浜御坊大通寺」の夏中法要にちなんだもので、9日間勤められる法要の後半の金土日に露天が並び、この3日間が一般的には『夏中さん』として親しまれています。
慣れ親しんだ寺院ではありますが、なかなかゆっくり訪れることのない大通寺ですので、この機会に参拝をしてきました。
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大通寺は浄土真宗大谷派の寺院で、京都の東本願寺を本山とする寺院となります。
浄土真宗は親鸞が開祖とする宗派で、その中にいくつかの宗派はあるようですが、有名なのは京都・東本願寺の大谷派と京都・西本願寺の本願寺派となるのではないでしょうか。
滋賀県北部では浄土真宗信仰が根強いといわれており、行く先々で真宗○○派と書かれた寺院が多く見受けられます。
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大通寺の始りは一説によると、織田信長と対抗した本願寺の門徒(一向宗)が集まる場所だったとされ、1602年には長浜城内(当時の城主は山内一豊)に長浜御坊として創建されたといいます。
1649年には彦根藩井伊家より現在の境内を寄付を受けて、長浜城内にあった「長浜御坊」を町衆や湖北地方の門徒などの尽力によって現在地に移されたとされます。
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大門は1808年に着工され、33年の歳月を費やして1841年に完成したとされている見上げるような大建築物です。
この山門は京都東本願寺の山門を模して造られたとされていますが、東本願寺の山門が焼失した際の再建には、この山門が参考にされたと伝わります。
夏中法要の期間は大門の上部の2階を拝観することができますので、さっそく拝観することにし、急な階段を登って2階へとたどり着きました。
須弥壇には「釈迦如来坐像」「弥勒菩薩立像」「阿難尊者立像」の三尊像が安置されています。
江戸時代の作かと思われますが、像高はそれぞれ釈迦如来(67cm)・弥勒菩薩(96.6cm)・阿難尊者(80.5cm)と見応えのある三尊像でした。
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須弥壇のある部屋の天井には大塚(山縣)岐鳳という方の「天女奏楽図」が描かれており、彩色鮮やかな天女の美しい姿がありました。
保存状態が良いのか、修理をされているのかは知りませんが、見事な天女の絵が残されておりました。
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せっかく大門の上に登ったので、歩いてきた参道を撮ってみることにします。
石畳が切れる辺りで曲がると露天が軒を連ねているのですが、ここから眺める町並みは門前町らしい落ち着いた景観です。
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本堂は重要文化財に指定されている正面約28m×側面約25mの巨大な建築物で、こちらも大門の上から見た姿です。
この本堂は、“伏見城の遺構が移築された”という話と“初代住職により新築された”...など諸説あるようですが、大門と同様に圧倒されるような大建築物といえそうです。
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境内には重要文化財指定されている大広間、庫裡・客殿・新御座・鐘楼などの建築物が立ち並びますが、面白いのは夏中さんにやって来て、境内で鳩に餌をやって遊んでいる子供達の姿でしょうか。
以前は遊具なども設置されていて近所の子供達の遊び場になっていたと思いますが、日常の境内はどうなっているのでしょう。もう今の子供達は普段そんな遊びはしないのかもしれませんね。
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本堂の内部は広い外陣と内陣に分かれており、内陣の中央に御本尊の「阿弥陀如来立像」が祀られています。
浄土真宗の本堂ですから阿弥陀如来だけが祀られた“他力”の信仰の寺院になるようです。当然ながら御朱印はありません。
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ところで、大通寺にはもう一つ台所門(薬医門)という門があり、この門は元々は長浜城の大手門(城門)だったとされています。
大通寺が現在の地に移設された時にはこの門も一緒に移設され、今の大門がある位置に御坊の門として建てられていたそうです。
しかし、1808年に現在の大門が建てられるにあたって現在の場所へ移されてかつての長浜城の城門の遺構として残されています。
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最後に夜の大門の様子です。
露天が並ぶ黒壁ストリートは土曜の夜とあって大盛況ですが、寺院まで来るとさすがに人はまばらになりますね。
さぁ夏中さんを迎えて、いよいよ夏の季節が始まりますよ!
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