僕はびわ湖のカイツブリ

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“男のためのガーデニング”改め

菩提寺山(甲西富士・龍王山)~辰年の最後は龍王山~

2024-12-31 14:31:12 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 今年も数だけはそこそこ山に登ったなぁ~。と年の瀬に2024年登った山を思い出してみますが、低い山ばかりなんですよね。
当方が山登りに行くのは3月から6月頃の春のシーズンと、9月から12月前半までの秋のシーズンで積雪のない時期(山)だけになります。

雪山大好き!と雪山シーズンを楽しみにしておられる方も居られますが、スキルも雪山登山の装備もない当方には雪山はちょっと無理怖いですね。
そもそもが、スノーシューやチェーンスパイク・アイゼンや、グローブ、アイウエア・ピッケルとか必要な道具を所持していないのです。
まぁ登ってみたら数cm雪があったくらいなら有り得る話ですが、ラッセルとかして登ることはないので装備は取り合えずは必要はなさそうです。



この日は午後に用事があり、午前中に下山したかったのでサクッと登って下りれる菩提寺山(甲西富士・龍王山)に登ってみました。
菩提寺山は以前にも登ったことがある山で、何ヶ所か景観の良い展望台があり、353mほどの低山ながら岩場も多い楽しい山行です。
林道を歩き始めると途中に手作り感が満載の水場があり、飲めそうな感じはしないものの、鍋が掛けられていて足場も組まれています。



林道の終点からは登山道になり、岩を削って階段状になっている登山口にはロープが下げられています。
山中で出会った人の話だと、この山は何人かの人が手入れをされているとのことで、山頂までに何本ものロープ場が整備されています。



しばらく進んだ場所には石垣があり、上には何層も石垣が見える。
石垣を見ていると後から登ってきた方が地元の方らしく、詳しい話を聞くことが出来ました。

元々この山には山名にもなっている「小菩提寺」はかつて良弁が開基した寺院があり、金勝寺の大菩提寺に対して小菩提寺と呼ばれていたという。
この石垣のある場所には小菩提寺の宿坊が並んでいたとされますが、織田信長と佐々木六角の戦いによって焼かれて廃寺になったとのことでした。



道は段々と急登や岩場が増えてきて楽しみが増してきます。
菩提寺山は何時間もかけて登る山ではありませんので、多少は急登部があっても疲れる山ではないのが何よりです。



岩が縦に並んだように見える大岩があり、この巨石群は「重ね岩」と呼ぶとのことです。
ここで先述の方が追い付いてこられて“今歩いている場所も土の下は大きな岩で、ここは巨大な一枚岩の上にいるんだ。”と教えてもらう。
山の中にいた間中、何度も追いついたり追い越されたりで、その都度山の説明をして頂いたので、ガイドツアー付き山登りのような感じでありがたかった。



最初に展望が開けた場所からは「十二坊」が望めます。
思えば、まだ登ったことのない山は多いとはいえ、滋賀の低山はいろいろ登ったなぁと山から見える過去に登った山を見て記憶が蘇ることも多い。



菩提寺山の見所の一つに、せり出した岩場へ渡る手作りの橋でしょうか。
渡っても大丈夫かと最初は不安を感じますが、きっちりメンテされているので安定した橋です。



橋に使われている木はまだ新し感がありますし、岩の上には予備の木も準備されています。
こういう手作りのアドベンチャー感ってワクワクしますし、メンテされている方々には感謝の橋です。



橋を渡った先には東展望所という幾つもの巨石が重なるような小さなスペースがあります。
見えているのは菩提寺の町並みや十二坊でしょうか。
それぞれの岩の形の面白さもあって絶景が望める場所です。



ここからしばらくは巨石の間を抜けたり迂回したりと金勝山のような雰囲気があります。
急登や岩場には必ずロープが張られて整備されていますので、岩場の急坂でも難なく登ることが出来ます。



湖東の山を登ると必ず目にすることが出来るのが三上山で、この角度からだと逆お椀型の三上山と女山がよく見えます。
三上山は別称「近江富士」、菩提寺山は別称「甲西富士」と呼ばれ、見る位置によって菩提寺山は富士のような逆お椀型に見えるようです。
また甲西の由来となっている地名は、甲西町が甲賀市の西側に位置することから甲西の地名が付いたのだといいます。



三上山の周辺にはこの菩提寺山の他にも妙光寺山や東光寺日陽山・東光寺不動山や天山などがあり、三上山の見え方がかなり違います。
一時期、三上山が近くに望める山登りをしていた時がありましたが、個人的には菩提寺山や天山もいいけど東光寺日陽山から見る三上山が好きかな。



西に目をやれば、守山の平野の向こうに琵琶湖が見え、その向こうには比叡山。
直下に流れる野洲川は、琵琶湖への流入河川では最長であり、「近江太郎」の通称があるという。



岩場を越えて山頂を目指しますが、岩場は途中でなくなり、木々の間から明るい光が見えてきてゴールが近いことが分かる。
あっという間の山登りとはいえ、岩場や東西の展望台など見所の多い山です。



そして山頂です。
山頂表示が幾つもあり、「菩提寺山(甲西富士)」と書かれているものがあれば、「菩提寺山 別名 竜王山」と書かれているものもある。
何が正しいか不明なものの、一般的には「菩提寺山」が正式で別名が「龍王山」。
「甲西富士」は、「三上山」を「近江富士」と呼ぶのと同じようなもののように思います。



菩提寺山には北峰と南峰の2つのピークがあり、山頂とされて三角点があるのは北峰になります。
知らないと北峰の山頂で折り返してしまいそうですが、龍王の名と深いつながりがあるのは南峰のようです。



南峰には「龍王社」という祠があり、雨乞いの竜神を祀っています。
野洲川は農耕する人からは水をもたらし、時に渇水で水争いが起こったり、洪水や氾濫してきたと考えられます。
「龍神社」は、流域の人々は川を竜に例え、水の恵みを与え、氾濫を抑える龍神として祀り続けてきた祈りの場であったのでしょう。



眼下に流れる野洲川は、御在所岳を源流とし鈴鹿スカイラインと並行しながら甲賀市・湖南市に至り、栗東・守山・草津の平野部を通って琵琶湖に流れ込みます。
野洲川下流では弥生時代中期からの遺跡が見られるという長く人と関わってきた川ですが、水争いや水害がなくなったのはダムや放水路が完成した1980年代頃だといいます。



2024年は辰年で「龍」の年で、来年は巳年で「蛇」の年。
“来年の事を言えば鬼が笑う”という諺はありますが、もう2025年の干支の話をしてもいいでしょう。
ホント、あっという間に年を取ってしまいますね。



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