僕はびわ湖のカイツブリ

滋賀県の風景・野鳥・蝶・花などの自然をメインに何でもありです。
“男のためのガーデニング”改め

『ブレードランナー2049』で電気羊の夢を見る!

2017-11-02 22:15:15 | アート・ライブ・読書
 映画館で映画を観るなんて、一体いつ以来になるでしょうか?
自分でも劇場で見た最後の映画が何だったの記憶がないのですが、『ブレードランナー』の舞台となる酸性雨が振り続けるロサンゼルスを思わせる降り続く雨の中、久しぶりの映画館へと足を運びました。

見た映画は前日公開が始まったばかりの『ブレードランナー2049』。前作よりのファンの当方からすれば“電気羊の夢を見る”ことが出来る夢のような時間です。
昨今の映画館には人が入っていないとは聞いておりましたが、やはり席はガラガラ。同世代か少し上の世代が多いのは1982年の公開後にやってきたブレードランナー・ブームでファンになった世代が35年の時を経て齢を重ねながらも、もう一度あの感動を!いうことなのでしょう。



SF小説は、楽観的な科学の進化(タイムマシンや宇宙旅行)によって可能となった冒険譚に始り、科学的な知識を折り込んで、よりリアルな内容(「2001年宇宙の旅」など)へと変遷していきました。
ブレードランナーの原作(原案)となったフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が含まれる「ニュ-・ウェイブSF」の時代には“インナー・SF”という内宇宙(精神の内部の世界)に目を向けた作品が多くなり、その後サイバ-・パンク小説へとつながっていったと思います。

映画「ブレードランナー」では2019年環境破壊により退廃したロスを舞台に、奴隷作業をさせられていたレプリカントに人間的な感情が芽生え始め、人間に抵抗をし始める。
そんなレプリカントを解任(死亡)させる任務を負うのがハリソン・フォード演じるデッカードで、それがブレードランナーと呼ばれる職業です。

映画中でデッカ-ドがつぶやきます。“彼(死んだレプリカント)は自分のことを知りたがった。どこから来て、どこへ行くのか、何年生きるのか、人間も同じなのだ。”と。
「ブレードランナー2049」では30年後のデッカードと、前作に秘められていた謎に至るまで解きほぐされていき、あるいはさらに謎が深まります。


パンフレット

映画は3時間近い大作で展開がゆっくりしているにも関わらず、退屈することはありませんでした。
続編であることを意識した部分も多く、映像は素晴らしく退廃的で美しい。日本語の看板などは前作よりも多く背景に映りこんでいたようにも思います。
一部分かりづらいところがありましたが、オフィシャルサイトで『2022:ブラックアウト』『2036:ネクサス・ドーン』『2048:ノーウェア・トゥ・ラン』の3編の短編が見られるため、30年間の出来事が年次ごとに理解出来るように作られています。

本編も再度見直せば、全く違う印象になるかもしれない作りの映画になっていて、ファンの間で今後も語られることが多くなる映画だったのではないでしょうか。
30年以上の時を経て製作された作品にも関わらず、ブレードランナーのオールドファンの期待を裏切らない、いい映画だったと思いますね。



映画が始まる前に食べたランチ

余談ですが、映画館の売店で「キャラメル&プレッツェルポップコーン」が美味しそうでしたので買って入場したところ、プレッツェルは食べるとボリボリと音を立ててしまいます。
周囲の人の迷惑になったら困るなぁ~と心配したけど、映画が始まったら大音響でかき消されてしまいましたよ。


コメント
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