寒い。
今朝は-10℃くらいまで冷え込んだ。
北海道とはいえ道南の当地では、これはもうかなり寒い部類になる。
このくらい寒いと、凍結した路面がだんだん滑らなくなってくる。
氷の上で滑るのは、物体と氷の間で、圧力や摩擦により瞬間的に氷の表面が融けて水膜が出来るからだ。スケートやスキーが滑るのも同様だ。カーリングで氷を掃くのも、水膜を作ってストーンのスピードや方向をコントロールするためだ。
これが寒すぎると、圧力や摩擦でも表面が融けず、したがって水膜もできなくなるので、滑らなくなってしまうのだ。
細かい数値は興味のある各位調べていただければと思うが、だいたい-20℃くらいでスキーも砂の上のように滑りにくくなり、‐50℃ではスケートさえも滑らないという。
スタッドレスタイヤなら、経験的には-10℃くらいで、凍結路面でもブレーキが「効いてる」と明らかに思えるほどの滑りにくさになる。
ということなので、ほっといても水膜ができる気温0℃前後くらいのときがいちばん滑るのだ。
スタッドレスタイヤは、この水膜をいかに排除するか、が、性能のひとつのキモになっているのだ。如何にごついトレッドパターンでも、夏タイヤにはこの能力はほぼ皆無なので、仮になんとか走れたとしても、特に摩擦力の要求される発進時やブレーキング時には、あえなく滑って制御不能になってしまうのだ。
さて、気温がこのくらい下がると、雪を踏んだときに、グギュッというようなやや甲高い音がする。雪が数ミリと薄くても、だ。
気温が高いと、この音はしない。
音が出る原理は鳴き砂と同じで、雪の粒同士の摩擦による。気温が低くないと、雪が水分を含んで濡れているので、踏んでも締まるだけで音はしない。寒くて雪がさらさらに乾いてないと聞けない音なのだ。
今日は足の下でギュウギュウ鳴ってたな。こういう雪の上では、タイヤは滑りにくくなる。
もっと寒くなると、いろいろ予想もしなかった現象が出てくる。
経験では、-30℃近くなると、深呼吸したらむせてしまう。肺の表面が凍るらしい。タバコも吸えたもんじゃなくなる。デジカメやケータイの電池はあっという間に空になる。温度が低すぎて、発電に必要な化学反応が維持できないのだ。同様に、クルマのバッテリーもすぐ上がる。だから電気自動車は、寒冷地では実用に無理があるだろう。デジカメやケータイは、内ポケットなど、体表に近いところに入れておいて、使用は極力短時間にするなどの注意が必要だ。
カメラのメカニカルシャッターは凍結してしまう。敬愛する大藪春彦師によれば、銃の引き金も凍るので、事前に分解して、内部の潤滑油を全て拭っておかなければならないという。
温暖化も困るだろうが、寒冷化はもっと困る。「ちょうどいい」って範囲は、ごく狭いんだな。
さて、もっと寒くなると、声も凍る。春が近くなるとそこらじゅうで冬に凍って落ちた声が融けて、誰もいないのにペチャクチャペチャクチャ。トイレにはトンカチが必需品になる。オシッコも出る端から凍るから、用を足したらトンカチで叩き折らなきゃなんないのだ。
・・・北海道出身だというと、ほぼ必ず「寒いんでしょ?」と訊かれるので、こう答えていた。目を丸くして感心してくれたありがたいヒトもいたのだ。いやホントに。
北海道とはいえ道南の当地では、これはもうかなり寒い部類になる。
このくらい寒いと、凍結した路面がだんだん滑らなくなってくる。
氷の上で滑るのは、物体と氷の間で、圧力や摩擦により瞬間的に氷の表面が融けて水膜が出来るからだ。スケートやスキーが滑るのも同様だ。カーリングで氷を掃くのも、水膜を作ってストーンのスピードや方向をコントロールするためだ。
これが寒すぎると、圧力や摩擦でも表面が融けず、したがって水膜もできなくなるので、滑らなくなってしまうのだ。
細かい数値は興味のある各位調べていただければと思うが、だいたい-20℃くらいでスキーも砂の上のように滑りにくくなり、‐50℃ではスケートさえも滑らないという。
スタッドレスタイヤなら、経験的には-10℃くらいで、凍結路面でもブレーキが「効いてる」と明らかに思えるほどの滑りにくさになる。
ということなので、ほっといても水膜ができる気温0℃前後くらいのときがいちばん滑るのだ。
スタッドレスタイヤは、この水膜をいかに排除するか、が、性能のひとつのキモになっているのだ。如何にごついトレッドパターンでも、夏タイヤにはこの能力はほぼ皆無なので、仮になんとか走れたとしても、特に摩擦力の要求される発進時やブレーキング時には、あえなく滑って制御不能になってしまうのだ。
さて、気温がこのくらい下がると、雪を踏んだときに、グギュッというようなやや甲高い音がする。雪が数ミリと薄くても、だ。
気温が高いと、この音はしない。
音が出る原理は鳴き砂と同じで、雪の粒同士の摩擦による。気温が低くないと、雪が水分を含んで濡れているので、踏んでも締まるだけで音はしない。寒くて雪がさらさらに乾いてないと聞けない音なのだ。
今日は足の下でギュウギュウ鳴ってたな。こういう雪の上では、タイヤは滑りにくくなる。
もっと寒くなると、いろいろ予想もしなかった現象が出てくる。
経験では、-30℃近くなると、深呼吸したらむせてしまう。肺の表面が凍るらしい。タバコも吸えたもんじゃなくなる。デジカメやケータイの電池はあっという間に空になる。温度が低すぎて、発電に必要な化学反応が維持できないのだ。同様に、クルマのバッテリーもすぐ上がる。だから電気自動車は、寒冷地では実用に無理があるだろう。デジカメやケータイは、内ポケットなど、体表に近いところに入れておいて、使用は極力短時間にするなどの注意が必要だ。
カメラのメカニカルシャッターは凍結してしまう。敬愛する大藪春彦師によれば、銃の引き金も凍るので、事前に分解して、内部の潤滑油を全て拭っておかなければならないという。
温暖化も困るだろうが、寒冷化はもっと困る。「ちょうどいい」って範囲は、ごく狭いんだな。
さて、もっと寒くなると、声も凍る。春が近くなるとそこらじゅうで冬に凍って落ちた声が融けて、誰もいないのにペチャクチャペチャクチャ。トイレにはトンカチが必需品になる。オシッコも出る端から凍るから、用を足したらトンカチで叩き折らなきゃなんないのだ。
・・・北海道出身だというと、ほぼ必ず「寒いんでしょ?」と訊かれるので、こう答えていた。目を丸くして感心してくれたありがたいヒトもいたのだ。いやホントに。