昨日より寒い。

今日は風もあって、耳が千切れそうな寒さだった。
最高気温が-7℃くらい。凍って困るものは外に出さずに、冷蔵庫に入れなきゃなんない。冗談でなく。

困るといえば、ディーゼル燃料の軽油は、寒いと凍る。白っぽくなったハチミツみたいに凍ってしまうので流れにくくなるし、そうなるとフィルターを通れないので、エンジンがかからなくなる。
軽油は、季節と地域によって、凍りにくさの違うグレードが売られている。だから、あまり乗らないクルマで夏に入れた軽油とか、あったかい地方で入れた軽油で冬の北海道なんかに来ると、一晩置いたらエンジンがかからなくなってしまったりするのだ。
一晩置いたら、というのは、ディーゼルエンジンは、ポンプから吐出された高圧の燃料のうち、実際に噴射されて燃やした余りの燃料を再びタンクに戻しており、その燃料は温度が上がっているので、エンジンが回っている限りはタンクの燃料温度もある程度高くなっており、凍結しにくいためだ。
冬の本道でなくても、スキー場とか山とか、極端に寒くなるとこで長時間の駐車をするときは要注意なのだ。

20年位前、当時関東の平地に住んでいて、3月初めに日光の裏男体に、ジープでキャンプに行ったことがある。
俺のジープはディーゼルだ。
平地は春を迎えつつある時期で、暖かかった。平地で燃料を満たし、雪の林道をゲタ山で踏みしめて奥へ入った。
奥日光は、まだ真冬だった。
その日は、雪上にクルマの通った形跡のない、林道の枝道の路上に、テントを張った。
夜はダウンを着込んでシュラフに入ったが、スリーシーズン用では寒くて寝れなかった。懐中電灯をつけると、テントの内側に呼気が霜になって、きらきら光っていた。0℃やそこらじゃ、こうはならない。
翌朝、夜明けと共に、ジープのフードの上でコーヒーを入れてから、片づけを済ませて、エンジンをかけた。
なかなかかからなかった。燃料が凍ってしまっていたのだ。
燃料フィルターやポンプに湯をかけたり、悪戦苦闘の末、バッテリー上がりの恐怖が頭をよぎる頃、やっとエンジンがかかった。泣きそうだった。
やっとかかったエンジンも、アクセルベタ踏みで白煙噴きながらやっとアイドリングする状態で、足を緩めるとたちまちエンストした。
それでもエンジンが温まってくると安定し、無事脱出することができたのだ。
冬山は一人で行くもんじゃない。
朝の戦場ヶ原は、樹氷が朝日に輝いていた。路面はツルツルに凍っていたが、他車もないので、ゲタ山のままゆっくり走った。
若気の至りの失敗談ではあるが、ケータイなどない時代、雪の山奥でエンジンがかからず、バッテリーが弱っていく、あの絶望的な恐怖は忘れられない。
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