2ヶ月ほど前のプレオープンのときからときどき行くカフェレストランが近所にある。
先日2時過ぎ、買物帰りに寄った。奥さんは、何とか言うハーブティーを、私はブレンド・コーヒーを注文。
10人も入らないような小さな店だが、お客は我々のほかに一人だけ。いつも何かと明るく声をかけてくる店員さんが、オーナーの妹さんだそうだが、注文を取りに来て、私に、「ブラックでした?」と聞いた。
一瞬迷ったが、思わずかっこつけて、「ええ」と答えてしまった。
本当は、いつも最初少しだけブラックでコーヒーを味わい、あとの大半は砂糖とミルクを入れて飲む。店員さんが、いかにもなじみの客のように、「ブラックでした?」と聞いてきたので、うれしくなって、「ええ」と答えてしまったのだ。
おなじみの落ち着ける店があるのは心地よいものだが、まだこの店はなじみの店とは言えないようだ。
出てきたコーヒーは、砂糖も、ミルクもなし。

過度の装飾、色使いがなく、すっきりした無印良品のようなデザインの店だが、カップも白一色でシンプルだ。取っ手も持ちやすいし、カップも皿にすっぽり納まる。なにより、カップの下部も細くなっていないので、コーヒーがたっぷり入っているのがうれしい。
それにしても、こんなやりとりがあった後では、いつもコーヒーはブラックで出てくるだろうし、砂糖とミルクお願いしますとは言いにくくなってしまった。
ブラック・コーヒーを飲み干す間に、奥さん注文の、砂糖がたっぷり入ったハーブティーをおねだりして、苦くなった口を休めた。

だれもいない店内を見るともなしに眺め、窓の外を通り過ぎる人々を目で追う。まったりした昼下がり。