川上弘美著「東京日記2 ほかに踊りを知らない。」2007年11月、平凡社発行を読んだ。
「東京人」(都市出版)2004年5月から2007年4月に掲載されたもので、「東京日記 卵一個ぶんのお祝い。」につづく第二弾。
ほんとうで、ちょっとウソの日常をたんたんと語る。シュールだが、飄々として、どこかほのぼのとした可笑しさがある川上さんらしい見方、表現がある。門馬則雄さんの童話風の挿絵がとぼけた味を出している。
amazon.co.jp より
七月某日 雨
ひさしぶりに、俳句をつくってみる。
破調の句である。
「ごきぶり憎し 噴きつけても 噴きつけても」
三月某日 晴
電車に乗る。隣に座っている人が、熱心にメールを打っている。つい、のぞきこむ。「愛されることへの覚悟が、私にはないのかもしれません」という文章だった。びっくりして、思わずじっとその人の横顔を見る。不思議そうに見返される。そんなにびっくりすることも、ないのかな。思い悩む。やっぱりびっくりしたほうがいいんじゃないのかな。思いなおす。
(本文より)
ひさしぶりに、俳句をつくってみる。
破調の句である。
「ごきぶり憎し 噴きつけても 噴きつけても」
三月某日 晴
電車に乗る。隣に座っている人が、熱心にメールを打っている。つい、のぞきこむ。「愛されることへの覚悟が、私にはないのかもしれません」という文章だった。びっくりして、思わずじっとその人の横顔を見る。不思議そうに見返される。そんなにびっくりすることも、ないのかな。思い悩む。やっぱりびっくりしたほうがいいんじゃないのかな。思いなおす。
(本文より)
川上弘美の略歴と既読本リスト
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)
著者はあとがきに、「中の五分の四くらいは、うそみたいですがほんとうのことです。」と書いている。ちなみに、このあとがきの最後には、「2007年晩秋 武蔵野にて」とある。
武蔵野市の図書館で借りた本には、川上とある印鑑が押してあった。川上さんの寄贈本かも。ただし、川上さんは引っ越し魔で、3年もの間、引越さなかったとあるので、今はもうどこかに?
以下、蛇足で、 「『英語 ジョークの教科書』を読む」 のつづきのジョークを一つ。
丸山孝男「英語 ジョークの教科書」2002年3月、大修館書店発行より。
It’s not true that most bachelors are lonesome. They spend a lot of time listening to the troubles of their married friends.
多くの独身者が孤独というのは本当ではない。彼らはほとんどの時間を結婚している友人たちのグチを聞いて過ごすからだ。