hiyamizu's blog

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志水辰夫『背いて故郷』を読む

2020年01月06日 | 読書2

 

志水辰夫著『日本推理作家協会賞受賞作全集51 背いて故郷』(双葉文庫し20-01、2000年11月15日双葉社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

スパイ船の仕事に耐えられなくなり、商船学校の仲間だった成瀬に船長を譲って日本を離れる柏木。だが、その成瀬が何者かに殺される。真相を追い求め、あらゆる感傷を捨て去って男は闘う。港に、そして雪の荒野に次つぎと訪れる死。みんなわたしのせいなのだ―。傑作冒険小説。

 

この作品は、第39回日本推理作家協会賞長編賞を受賞し、直木賞候補ともなった。講談社文庫、新潮社文庫でも出版されている。

 

柏木斉(ひとし):ソ連沖での日本漁船の指導・監視業務の第六協栄丸の船長だったが親友の成瀬に譲り、インドネシアで働く。34歳。当時の部下は、牛島政市、勝又富雄、西元昇、菅谷巧の4人。

塩津義勝:協会職員として指導し、第六協栄丸に乗込む。40代後半。

吉岡誠二:塩津の上司にあたる警察官僚。

 

成瀬圭二:当直中、フィルム現像していて第六協栄丸の船内で殺された。柏木と商船学校以来の親友。実家は鶴岡。父は宗継、母は寿美子

成瀬早紀子:柏木を慕う。圭二の妹。大学卒業後、地元の経済連に就職したばかり。

諏訪優子:柏木が思いを寄せていたが、成瀬圭二と暮らすようになる。吉祥寺・近鉄裏のフランス料理店で働く。

 

 

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

相変わらず風景描写がすばらしい。東北、北海道、北の大地の光景描写を読んでいるだけで寒々としてくる。身近な人を次々となくしていく柏木の心の虚しさがいやます。

寒々として光景の中での冒険、謎解き、悲恋が絡み合う。

 

最後の雪の荒野での死闘は、頑張りすぎだがリアル。

 

志水辰夫の略歴と既読本リスト

 

コメント
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