瀬尾まいこ著『傑作はまだ』(2019年3月8日ソニー・ミュージックエンタテインメント発行)を読んだ。
表紙裏にはこうある。
元通りになるものなど一つもない。
しかしそれは決して不幸なことではない。
宣伝文句は以下。
「実の父親に言うのはおかしいけど、やっぱりはじめましてで、いいんだよね?」
そこそこ売れている引きこもりの作家・加賀野の元へ、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子・智が突然訪ねてきた。月十万円の養育費を振込むと、息子の写真が一枚届く。それが唯一の関わりだった二人。真意を測りかね戸惑う加賀野だが、「しばらく住ませて」と言う智に押し切られ、初対面の息子と同居生活を送ることに――。孤独に慣れ切った世間知らずな父と、近所付き合いも完璧にこなす健やかすぎる息子、血のつながりしかない二人は家族になれるのか? その「答え」を知るとき、温かく優しい涙が溢れ出す。笑って泣ける父と子の再生の物語。
加賀野正吉(まさきち):引きこもりぎみのコミュニケーションに難のある中堅作家。暗い小説が多い。
永原智(とも):血だけがつながった息子。
永原美月:智の母親。26年前飲み会で出会う。美人だが空っぽの21歳。
初出:WEBメディア「エンタメステーション」2018年12月2日~2019年1月31日まで連載
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
いつもにも増して、気楽に、簡単に読める。
気楽でさわやか、愛想のよい息子・智と、人付き合いが苦手でオドオドの父・加賀野の掛け合いを楽しんでいるうちに、最終段の感動の場面(??)へ。
WEB向けに気楽に楽しんで書いた作品のためなのか? これはこれでいいんじゃない。