hiyamizu's blog

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アレックス・マイクリーディーズ『サイコセラピスト』を読む

2020年01月20日 | 読書2

 

アレックス・マイクリーディーズ著、坂本あおい訳『サイコセラピスト』(HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No.1947、2019年9月10日早川書房発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

抑圧的な父親のもとで育ち、苦しんだセオ。自分と似た境遇の人々を救いたいと願う彼は、心理療法士になった。順調にキャリアを重ねるうち、彼はずっと気になっていた六年前の殺人事件の犯人――夫を射殺した画家――を収容する施設の求人広告を目にする。事件以降ずっと沈黙している彼女の口を開かせることができるのは、僕しかいない。そう思ったセオは、彼女の担当に志願するが……。《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラー・リストに連続23週ランクイン。巧みなプロットと戦慄のラストに圧倒される傑作ミステリ

 

『サイコセラピスト』(The Silent Patient, 2019)はイギリスの作家、アレックス・マイクリーディーズのデビュー作。2019年2月に発表されるや、同月のうちにニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー・リストのトップとなり、その後半年間リストに居座りつづけた。

  

画家のアリシア・ベレンソンは、ファッション写真家の夫・ゲイブリエルの顔面に5発の銃弾を打ち込み、それ以降一言も言葉を発せず、〈アルケスティス〉という自画像だけを残して、精神科施設<ザ・グローヴ>に収容された。

心理療法士、セオ・フェイバーは、沈黙の患者アリシアに自分なら心を開かせられると、<ザ・グローヴ>に就職する。
 何故アリシアは夫を銃殺したのか、その後何故「沈黙の患者」となっているのか? セオは粘り強くアリシアの心を開こうとし、さらにアリシアの「過去」の関係者を訪ね歩く。心理療法士としても行動を逸脱し、まるで私立探偵のように。

 

 

アレックス・マイクリーディーズ Alex Michaelides
1977年キプロス生まれの作家・脚本家。ケンブリッジ大学卒業後、アメリカン・フィルム・インスティテュートで脚本を学ぶ。本書主人公のセオ同様、セラピーを受け大いに助けられ、その後、サイコセラピストになる勉強をし、精神科施設でも働いていた。その後は映画脚本家としてハリウッド映画に携わるものの、行き詰まり、小説を書き始める。

初の小説である本書『サイコセラピスト』が世界的ベストセラーとなる。


坂本あおい
青山学院大学文学部卒、英米文学翻訳家。

訳書に、サイモン・ベケット『出口のない農場』、フレドリック・バックマン『幸せなひとりぼっち』等多数。

  

私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

 

セオは心理療法士のくせに、アリシアに異様にこだわり、自身も精神不安定で変なヤツと思っていたが、彼も彼女も子供の頃に父親からひどい仕打ちを受けて同じ様な心の傷に未だ悩んでいると分かって、納得した。

しかし、終結部の展開は意外や意外。

アリシアの沈黙の秘密を引っ張りすぎとも思うが、話のつくりは見事、よくできている。

 

コメント
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