hiyamizu's blog

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キャスリーン・ケント『ダラスの赤い髪』を読む

2020年01月12日 | 読書2

 

キャスリーン・ケント著、府川由美恵訳『ダラスの赤い髪』(ハヤカワ・ミステリ文庫HMケ-8-1、2019年7月10日早川書房発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

テキサス州ダラス市警麻薬捜査課のタフな赤毛の刑事ベティ。彼女が追うメキシコ系麻薬カルテルの重要参考人が殺された。口封じなのか、カルテル同士の抗争なのか。捜査線上に浮かぶのは、元警察官のゴロツキやアジア系ギャング。さらには南軍に心酔する武装集団まで現れた。増える犠牲者、混乱する捜査…やがて彼女が直面する国境地帯の犯罪の真相とは?過去と現在の傷を乗り越えてゆくベティの闘いを描いた犯罪小説。

 

本作品は、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞にノミネートされ、《ニューヨーク・タイムズ》による「優れた新刊 犯罪小説部門(2017年3月)」の1冊に選出された。

原題は"The Dime"

 

 

主人公の女性刑事ベティ・りジックは、ブルックリン生れ、ポーランド系警官一家に育ち、警察学校を抜群の成績で卒業した。身長は180㎝、タフ、赤髪、頑固で口が悪い。保守的なテキサスへ異動し、ダラス市警察麻薬捜査課の刑事となった彼女は、レスビアンで、女性医師ジャッキーというパートナーがいて、署内でもマッチョな同僚刑事たちからの厳しいからかいにさらされる。しかし、彼女は正面から受け止め、反撃し、やがて‥‥。

ブルックリンで刑事部長を務めた叔父のベニーに心の中でアドバイスを聞く。

 

当初、メキシコの麻薬密売組織カルテルのアテキサス側実力者ルイスを追っていたが、より残忍な別組織の影が見えてくる。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

オモロイことはオモロイし、人物配置や舞台設定も良いのだが、話の流れにキレがない。年寄の私にとっては少々長すぎるのかも。

 

レスビアンの巨漢刑事がテキサスのマッチョな男性刑事達にからかわれ、やりかえす様が面白い。何度も危機に直面し、なんとか逃れいるベティのタフさには読んでいても疲れる。ベティが拷問を受けるシーンが長すぎる。

逆に、ジャッキーとのイチャイチャシーンは流れを止めていただけない。

 

 

キャスリーン・ケント Kathleen Kent
テキサス州ダラス在住の作家。これまでにThe Heretic's Daughterなど三作の長篇小説を発表し、優れた歴史小説に与えられる文学賞を受賞。

 

府川由美恵(ふかわ・ゆみえ)
明星大学通信教育部卒、英米文学翻訳家。
訳書『タンジェリン』マンガン、『サンクトペテルブルクから来た指揮者』グレーべ&エングストレーム、『黙示』ロッツ他多数。

 

 

メモ

 

エレベーターで会った見知らぬ年配夫婦の夫が言った。(273頁)

「長いあいだいい関係を続けるコツを知ってるかね?」

私は首を振り、お説教が始まるのかと身がまえたが、彼はただジャッキーを指さして、私にこう言った。「つねに彼女が正しいと認めることさ」

 

レストランの注文カウンターの上にあった看板(277頁)

“人生は短い………デザートにしよう”

「デザートは別腹」より良いかも。

 

 

コメント
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