きのうの当ブログのアクセスは、1656UU、3660PVだった。内容は大したことないのにこれだけアクセスが増えたのは、「日本将棋連盟100年」が各サイトでにぎわっていたからだろう。
期待して当ブログを読んだ方には、申し訳なかった。
◇
いまさらだが、第36回将棋ペンクラブ大賞をお知らせする。
【観戦記部門】
・大賞
若島正 第71期王座戦第3局 ▲藤井聡太七冠VS△永瀬拓矢九段(日本経済新聞)
・優秀賞
後藤元気 第81期名人戦第1局 ▲渡辺明名人VS△藤井聡太竜王(朝日新聞)
【文芸部門】
・大賞
弦巻勝 『将棋カメラマン:大山康晴から藤井聡太まで「名棋士の素顔」』(小学館)
・優秀賞
松本博文 『棋承転結 24の物語 棋士たちのいま』(朝日新聞出版)
【技術部門】
・大賞
藤井猛 『藤井猛全局集 竜王三連覇とA級の激闘』(マイナビ出版)
・優秀賞
金子タカシ 『ロジカルな必死200』(浅川書房)
【特別賞】
熊澤良尊 『駒と歩む』(名駒大鑑刊行会)
半世紀に渡る駒作りと駒の研究、『駒と歩む』の出版等に対して
観戦記部門の大賞は若島正氏。若島氏は詰将棋の大家だが、観戦記者としてもむかしから良作を発表している。
大賞局は、永瀬王座の研究量の深さ、藤井七冠の終盤力の凄さがよく表現されていた。
なお若島氏は、本戦トーナメントの▲村田顕弘六段VS△藤井七冠戦でも観戦記を担当していたが、藤井七冠渾身の勝負手「△6四銀」の「感激度合い」がちょっと薄かった。やはり、大賞局のほうが勝る。
優秀賞は後藤元気氏。後藤氏は古今東西の観戦記に精通しており、「将棋観戦記コレクション」の著書もある。
本局は、開幕局にふさわしい書き出し。歴代の名棋士も多数登場し、筆者の知識の深さを思わせる。ただそれゆえ、対局者の存在感がほんのわずか薄くなったのが残念だった。
また、序盤をじっくり描いた分、中盤が駆け足になったのが惜しまれた。
今回も入賞は2本ともタイトル戦になったが、予選の将棋でもキラリと光る観戦記もあるはずだ。選考委員は、フラットな視線で選考を進めてもらいたい。
文芸部門の大賞は弦巻勝氏。将棋カメラマン50年の弦巻氏が、50年分のエピソードを1冊にまとめている。これが面白くないわけがない。
優秀賞は松本博文氏。松本氏はLPSAの対局中継のレギュラー執筆者でもあり、LPSA女流棋士との親交が深い。本書にもLPSA女流棋士が多く登場するのがアレだが、だからこそ引き出せた話も多く、面白く読めた。
技術部門はどちらも未読だが、藤井猛九段、金子タカシ氏とも、出す棋書はどれも折り紙付きである。
藤井九段のそれは口述だかライターがいるのか分からないが、大盤解説での軽快な口調をそのまま文章にしたとすれば、こんなに面白い技術書はないと思う。
金子氏の本は、問題と解答をすべて暗記してしまうのがいいと思う。対局で似た局面が現れたとき、その局面に見覚えがあるのとないのとでは、エライ違いである。
熊澤良尊氏の本は、美術書というべき。棋士なら必携すべきである。だけど、買わないんだろうなあ。
恒例の贈呈式は、10月5日(土)、神保町の出版クラブホールで行われる。参加費はちょっと上がって9,000円。カネを払って、他人の受賞を祝う。まことにバカバカしいが、受賞者には、時の勢いがある。参加して、良運を頒けてもらおうか。
期待して当ブログを読んだ方には、申し訳なかった。
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いまさらだが、第36回将棋ペンクラブ大賞をお知らせする。
【観戦記部門】
・大賞
若島正 第71期王座戦第3局 ▲藤井聡太七冠VS△永瀬拓矢九段(日本経済新聞)
・優秀賞
後藤元気 第81期名人戦第1局 ▲渡辺明名人VS△藤井聡太竜王(朝日新聞)
【文芸部門】
・大賞
弦巻勝 『将棋カメラマン:大山康晴から藤井聡太まで「名棋士の素顔」』(小学館)
・優秀賞
松本博文 『棋承転結 24の物語 棋士たちのいま』(朝日新聞出版)
【技術部門】
・大賞
藤井猛 『藤井猛全局集 竜王三連覇とA級の激闘』(マイナビ出版)
・優秀賞
金子タカシ 『ロジカルな必死200』(浅川書房)
【特別賞】
熊澤良尊 『駒と歩む』(名駒大鑑刊行会)
半世紀に渡る駒作りと駒の研究、『駒と歩む』の出版等に対して
観戦記部門の大賞は若島正氏。若島氏は詰将棋の大家だが、観戦記者としてもむかしから良作を発表している。
大賞局は、永瀬王座の研究量の深さ、藤井七冠の終盤力の凄さがよく表現されていた。
なお若島氏は、本戦トーナメントの▲村田顕弘六段VS△藤井七冠戦でも観戦記を担当していたが、藤井七冠渾身の勝負手「△6四銀」の「感激度合い」がちょっと薄かった。やはり、大賞局のほうが勝る。
優秀賞は後藤元気氏。後藤氏は古今東西の観戦記に精通しており、「将棋観戦記コレクション」の著書もある。
本局は、開幕局にふさわしい書き出し。歴代の名棋士も多数登場し、筆者の知識の深さを思わせる。ただそれゆえ、対局者の存在感がほんのわずか薄くなったのが残念だった。
また、序盤をじっくり描いた分、中盤が駆け足になったのが惜しまれた。
今回も入賞は2本ともタイトル戦になったが、予選の将棋でもキラリと光る観戦記もあるはずだ。選考委員は、フラットな視線で選考を進めてもらいたい。
文芸部門の大賞は弦巻勝氏。将棋カメラマン50年の弦巻氏が、50年分のエピソードを1冊にまとめている。これが面白くないわけがない。
優秀賞は松本博文氏。松本氏はLPSAの対局中継のレギュラー執筆者でもあり、LPSA女流棋士との親交が深い。本書にもLPSA女流棋士が多く登場するのがアレだが、だからこそ引き出せた話も多く、面白く読めた。
技術部門はどちらも未読だが、藤井猛九段、金子タカシ氏とも、出す棋書はどれも折り紙付きである。
藤井九段のそれは口述だかライターがいるのか分からないが、大盤解説での軽快な口調をそのまま文章にしたとすれば、こんなに面白い技術書はないと思う。
金子氏の本は、問題と解答をすべて暗記してしまうのがいいと思う。対局で似た局面が現れたとき、その局面に見覚えがあるのとないのとでは、エライ違いである。
熊澤良尊氏の本は、美術書というべき。棋士なら必携すべきである。だけど、買わないんだろうなあ。
恒例の贈呈式は、10月5日(土)、神保町の出版クラブホールで行われる。参加費はちょっと上がって9,000円。カネを払って、他人の受賞を祝う。まことにバカバカしいが、受賞者には、時の勢いがある。参加して、良運を頒けてもらおうか。