一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「法廷のドラゴン」を見る

2025-01-19 23:50:37 | 将棋雑記
きのうの文化放送の「親父熱愛」に、私の投稿が読まれた。それはうれしいのだが、長文を避けるため、エピソードをひとつ省いてしまった。
しかしいざ読まれてみると、そのエピソードがあればもっと話に厚みが出たはずで、もったいないことをしたと思った。
読まれたら読まれたで後悔する。つくづく私は損な性格だと思う。

   ◇

17日(金)から、テレビ東京で「法廷のドラゴン」が始まった。事前の告知を見ると、奨励会を退会した女性が弁護士になり、さまざまな依頼を解決していくストーリーだった。2時間ドラマや連続ドラマの1話で将棋がテーマになることはあるが、連続ドラマすべてに将棋が絡むのは珍しい。
主演は上白石萌音。上白石萌歌との区別がいまだにつかないのだが、まあいい。
冒頭のシーンは、旧東京・将棋会館からだった。主人公の天童竜美(上白石萌音)が、奨励会三段リーグで駒木兎羽(白石麻衣)と対峙している。両者とも袴姿でタイトル戦のようだが、こういうところで疑問を持ってはいけないのだろう。
私のような将棋ファンは、ドラマで描かれる将棋の世界の違和感についケチをつけたがる。だけどどの世界を描いても、違和感は生じるのだ。だから、純粋に演出を楽しむのがよい。それに、この衣裳にも意味があったようだ。
この将棋に竜美は負け、竜美は奨励会を退会する。勝った兎羽がどうなったかは分からない。
そこから3年半が過ぎ、竜美はある弁護士事務所に入る。ここがまた分からないのだが、奨励会も三段までいけば、ほぼプロである。女流棋界に移籍すれば、タイトル獲得は確実。そこから福間香奈女流五冠や西山朋佳女流三冠のように、四段を目指してもよい。いや、医師になった伊奈川愛菓女流二段のように、女流棋士をやりながら弁護士を目指してもよかったのだ。
それをしなかったということは、このドラマの世界には、女流棋界はない、と見ていいだろう。
話を戻し、そこで竜美は、物置部屋だった和室を掃除し、自分の部屋にしてしまう。
そして依頼が舞い込む。これを竜美が担当するのだが、ひとつの案件を一局の将棋になぞらえるのが竜美流。これは、前クールにテレビ朝日で放送していた「バントマン」と同じ構造だ。
また、竜美がセリフの中に将棋用語を散りばめるのも微笑ましい。これは私たちもよくやるが、実に便利なのである。
そして裁判が進み、決戦の日、竜美は袴姿で裁判に臨む。これが竜美の勝負服というわけだ。
そして最後、竜美は被告人の発言を咎め、勝利に導く。これは古畑任三郎「しゃべりすぎた男」の、小清水潔(明石家さんま)のときと同じ構図だ。
脚本は「相棒」の戸田山雅司。今後もレギュラーで執筆してくれそうで、楽しみである。
将棋指導は、中村桃子女流二段、伊藤明日香女流初段。中村女流二段が将棋の世界とオサラバしていないことが分かり、少しほっとした。だけどそれなら、引退しなければよかったのに、といまさらながらに思う。
将棋監修はアユム氏。今後もストーリーにマッチした記譜作りを期待したい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする