一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

西山女流三冠、棋士編入試験に敗れる

2025-01-22 23:31:22 | 女流棋士
きょう、西山朋佳女流三冠の棋士編入試験・第5局が行われた。結果は柵木幹太四段が勝ち、西山女流三冠は不合格となった。
第5局は柵木四段の先手。順番だから仕方ないとはいえ、最終局は振駒にしてもらいたかった。それはともかく柵木四段の居飛車明示に、西山女流三冠の三間飛車でスタートした。
柵木四段は急戦の構えを見せたが、時間差で米長玉に囲う。西山女流三冠は△6三銀と上がる変形美濃。たぶん藤井猛九段が好きな形で、西山女流三冠の振り飛車の経験値の高さが分かる。
柵木四段が4筋から仕掛け、巧妙な手順で飛車取りに角を覗く。
これに西山女流三冠は△1二飛と我慢。さらに▲4四歩の銀取りにも、△3二銀と屈服した。しかしこれでは飛、銀が蟄居していまい、大幅な戦力ダウンだ。私に言わせれば、この時点で西山女流三冠がダメである。
以下西山女流三冠も頑張ったが、一手指すごとに形勢が悪くなり、最後は25手詰の最初の1手を見て、潔く投了した。
いやー、残念。きょうは将棋界の歴史的1日になる可能性もあったが、そう簡単にはいかないのが現実の世界だ。
とはいえ今回の編入試験にあたり、西山女流三冠は、よくても2勝3敗だと思っていた。2勝2敗で最終局まで来ても、西山女流三冠の奨励会三段リーグでの対柵木戦は、0勝5敗。ちょっと届かないと思った。
今回の試験、四段陣が死にモノ狂いで西山女流三冠を倒しにいったとは思わないが、試験官として、目の前の将棋の最善手を指す、という姿勢は見て取れた。
さて、西山女流三冠は、今後どこへ行くのか。とりあえず女流棋戦を頑張るわけだが、また棋士編入試験の資格を得るには、またプロを相手に、圧倒的な成績を挙げなければならない。気の遠くなるような話で、西山女流三冠の談話ではないが、いまはそこまで考える気持ちが起きないだろう。
四段の実力があるのに、四段になれない。なんなんだこの世界は。と、どこか醒めた気分になってしまった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする