きょう1月23日は「1、2、3」。よって、加藤一二三九段の名局をお知らせする。
今回お知らせするのは、1980年2月28日、29日に指された第29期王将戦第5局・加藤九段VS大山康晴十五世名人の一戦である(主催:日本将棋連盟、毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社)。
このシリーズは大山十五世名人56歳の挑戦ということで話題になった。シリーズは大山、大山、加藤、大山の順で勝ち、第5局は加藤九段のカド番だった。
将棋は先手大山十五世名人の四間飛車に、加藤九段は14手目、右銀を5筋に上がる。
加藤九段といえば棒銀が代名詞だが、本局は穴熊のニオイプンプンだ。果たして20手目、香を上がり穴熊を明示した。
大山十五世名人の穴熊対策は至ってふつうで、とくに工夫も凝らさず?たんたんと囲いを発展させるのみ。
加藤九段は飛車で7筋の歩を切り、大山十五世名人は中飛車に振り直す。実はこれが疑問で、加藤九段の目が光った。
そこでこの局面を掲げたいのだが、現在の将棋連盟のガイドラインでは、王将戦の場合、事前の申請が必要である。そんな面倒くさいことはしたくないので、局面は省略させていただく。といって指し手も書けないので、この将棋は各自で調べていただくしかない。
戻って、加藤九段は8筋の歩を突き捨て、飛角交換に出た。そして7筋に歩を打つ。これを銀で取ると角打ちがある。これが中飛車に振り直した罪だった。
大山十五世名人は敵陣に飛車を打ち辛抱するが、加藤九段は桂得を果たし、角を要所に覗いて絶好調。以下も芸術的な攻めで、94手まで快勝した。
続く第6局も加藤九段は居飛車穴熊を採用したが、惜敗。王将位を手放してしまった。
しかし加藤九段の穴熊の指し回しは絶品で、これは加藤九段の新たな武器になるかと思ったが、以後、大舞台で穴熊を指すことはなかった。数局指してみて、自身の棋風とは合わない、と判断したのだろう。
加藤九段は御年85歳。最近私が思うことは、なんだかんだいっても、長寿が人生の勝利者ということだ。一度きりの人生、長生きしないと面白くない。加藤九段は85歳にして意気軒高、いまも精力的に発信しているのは素晴らしい。これからも元気に将棋界を沸かしてほしい。
今回お知らせするのは、1980年2月28日、29日に指された第29期王将戦第5局・加藤九段VS大山康晴十五世名人の一戦である(主催:日本将棋連盟、毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社)。
このシリーズは大山十五世名人56歳の挑戦ということで話題になった。シリーズは大山、大山、加藤、大山の順で勝ち、第5局は加藤九段のカド番だった。
将棋は先手大山十五世名人の四間飛車に、加藤九段は14手目、右銀を5筋に上がる。
加藤九段といえば棒銀が代名詞だが、本局は穴熊のニオイプンプンだ。果たして20手目、香を上がり穴熊を明示した。
大山十五世名人の穴熊対策は至ってふつうで、とくに工夫も凝らさず?たんたんと囲いを発展させるのみ。
加藤九段は飛車で7筋の歩を切り、大山十五世名人は中飛車に振り直す。実はこれが疑問で、加藤九段の目が光った。
そこでこの局面を掲げたいのだが、現在の将棋連盟のガイドラインでは、王将戦の場合、事前の申請が必要である。そんな面倒くさいことはしたくないので、局面は省略させていただく。といって指し手も書けないので、この将棋は各自で調べていただくしかない。
戻って、加藤九段は8筋の歩を突き捨て、飛角交換に出た。そして7筋に歩を打つ。これを銀で取ると角打ちがある。これが中飛車に振り直した罪だった。
大山十五世名人は敵陣に飛車を打ち辛抱するが、加藤九段は桂得を果たし、角を要所に覗いて絶好調。以下も芸術的な攻めで、94手まで快勝した。
続く第6局も加藤九段は居飛車穴熊を採用したが、惜敗。王将位を手放してしまった。
しかし加藤九段の穴熊の指し回しは絶品で、これは加藤九段の新たな武器になるかと思ったが、以後、大舞台で穴熊を指すことはなかった。数局指してみて、自身の棋風とは合わない、と判断したのだろう。
加藤九段は御年85歳。最近私が思うことは、なんだかんだいっても、長寿が人生の勝利者ということだ。一度きりの人生、長生きしないと面白くない。加藤九段は85歳にして意気軒高、いまも精力的に発信しているのは素晴らしい。これからも元気に将棋界を沸かしてほしい。