5月24日(日)は、朝起きてから頭が痛かった。前日の将棋ペンクラブ関東交流会で、血圧が高くなる出来事が頻発したからであろう。
一日グズグズする手もあったが、将棋を指して体調を回復させようと思った。二日酔いの迎え酒みたいなものだが、私もどうしようもない。
埼玉県川口市にある「大野・植山教室」に向かう。午後1時20分ごろ入ると、大勢の生徒でごった返していた。大野・植山教室は今日も快調である。
Ok氏がいた。Ok氏は前日のペンクラブ交流会に出席したが、上野裕和五段の揮毫が入った棋書を紛失してしまった。私にも責任の一端があるから胸が痛むが、Ok氏は今朝もペンクラブ事務局に連絡をしたものの、棋書の類はなかったという。
どこかからひょっこり出てくることを祈らずにはいられない。
今日の手合い係はFuj氏。1局目はWatanabe氏と飛車落ち戦である。Watanabe氏は晩学ながら研究熱心で、メキメキ実力を伸ばしている。指すのが楽しみな一人である。
Watanabe氏の右四間飛車定跡に、私は△6二玉型で構える。△6四金と立ったが、これは悪手。Watanabe氏に万全の態勢で仕掛けられ、私の具合が悪くなった。
角交換後の△4四歩に、下手が▲5六銀の後退なら上手も一息つくが、実力初段のWatanabe氏はそんな甘い手は指さない。少考後▲4四同銀とし、△同銀に返す刀で▲5六桂ときた。これが厳しく、ハッキリ下手が良くなった。
終盤、私は玉を9筋に逃げるが、Watanabe氏は落ち着いている。

ここで▲8三馬△同玉▲7二銀△7四玉▲7五金の詰みがあったが、本譜は▲9五歩△同歩▲9四歩△同玉。これでも下手必勝だが、以下▲7四銀△8二金打▲7五桂△7二金▲同桂成△7四金と進んでおかしなことになった。
これでも下手勝っているが、いったん傾いた流れはもう止められない。
最後は2人がかりで下手玉を寄せ、上手の辛勝となった。
Watanabe氏、終盤は秒に追われたにせよ、ここまで下手玉を追い詰めてうっちゃられるとは、ハッキリ言って勉強が足りない。本局は簡単な寄り形で、時間はいらないのだ。
Watanabe氏は、寄せの本を勉強するとよい。そして、形を全部覚えてしまうことだ。
Shin氏とIs氏が相次いで来席した。ジョナ研メンバーがそろい、LPSA駒込サロンのようである。
2局目は大野八一雄七段に教えていただく。手合いは角落ちである。
「大沢さんはこの前、(教室に)来てくれなかったからねえ…」
大野七段がこぼす。九州旅行から帰ったあと、私は結局、大野・植山教室には行かなかった。
6日(土)の夜に大野七段から電話があり、(大野七段が)近々秋田に旅行に行くので、翌7日にアドバイスを乞う、の依頼だった。しかし7日はフジテレビ「平成教育委員会3時間スペシャル」に加藤一二三九段が出演するので、それを私はリアルタイムで観たかったのだ。7日は和田あき女流初段も来る、とのことだったが、やっぱり行かなかった。私はけっこう、非情なのである。
もっとも、自分で計画を立てて一人旅をした大野七段は秋田を満喫したようで、結果オーライでよかった。ただ、7日に休んだせいで、和田女流初段との食事会の話がまた延び延びになってしまった。
局面。私は居飛車から右桂を跳ねて速攻の形。大野七段は△6四銀と上がったが…。

以下の指し手。▲4四歩△3三銀▲2二歩△同玉▲4三歩成△同金右▲2五桂△4四歩▲3三桂成△同金上▲3五歩△同歩▲4六銀△3六歩▲3八飛△7五歩▲6六角△7四桂▲7五角△同銀▲同歩△8六歩
まで、大野七段の勝ち。
△6四銀に▲4四歩は狙い筋。続いて△3三銀に▲2二歩は手筋だが、指しすぎだったかもしれない。
本譜は銀桂交換の駒得に成功したが、思ったほど得をしていない。
そして△7五歩の反撃が厳しかった。▲6六角に△7四桂が私も読んだ好手で、こうなっては下手勝てない。以下4手で投了した、
戻って、▲3三桂成では、これを決めずにじっと▲4六銀ぐらいだったかもしれない。
対大野七段は、序盤の作戦はうまくいくのに、いつもその後を決め損ねる。中盤の指し方が課題である。
3局目は新人の小学生と二枚落ち戦。「門番(私のことらしい)、お願いします」とFuj氏。
この小学生がなかなかのホープで、大野七段はすでに指し、大野七段が負けたらしい。もう二枚落ちは卒業、の雰囲気があるが、彼とはFuj氏が二枚落ちで2局指し、いずれも上手が勝っているという。それなら私も負けられない、というところである。
▲7六歩△6二銀▲4六歩に△6四歩と趣向を凝らしてみた。▲4五歩△6三銀。これでも上手悪いが、どこまで戦えるか。
▲3五歩に私は△2二銀を受けず、▲3四歩を誘う。そこで△2二銀▲3三歩成△同銀とし、△4四歩のあと、△2四銀と覗いた。
こっそり△1四歩と突き、▲3七桂を待って△3五銀と、▲3六の飛車を殺した。
これで上手勝ちだが、あとはどう決めるかというところ。ここで次の手をお考えいただこう。

(つづく)
一日グズグズする手もあったが、将棋を指して体調を回復させようと思った。二日酔いの迎え酒みたいなものだが、私もどうしようもない。
埼玉県川口市にある「大野・植山教室」に向かう。午後1時20分ごろ入ると、大勢の生徒でごった返していた。大野・植山教室は今日も快調である。
Ok氏がいた。Ok氏は前日のペンクラブ交流会に出席したが、上野裕和五段の揮毫が入った棋書を紛失してしまった。私にも責任の一端があるから胸が痛むが、Ok氏は今朝もペンクラブ事務局に連絡をしたものの、棋書の類はなかったという。
どこかからひょっこり出てくることを祈らずにはいられない。
今日の手合い係はFuj氏。1局目はWatanabe氏と飛車落ち戦である。Watanabe氏は晩学ながら研究熱心で、メキメキ実力を伸ばしている。指すのが楽しみな一人である。
Watanabe氏の右四間飛車定跡に、私は△6二玉型で構える。△6四金と立ったが、これは悪手。Watanabe氏に万全の態勢で仕掛けられ、私の具合が悪くなった。
角交換後の△4四歩に、下手が▲5六銀の後退なら上手も一息つくが、実力初段のWatanabe氏はそんな甘い手は指さない。少考後▲4四同銀とし、△同銀に返す刀で▲5六桂ときた。これが厳しく、ハッキリ下手が良くなった。
終盤、私は玉を9筋に逃げるが、Watanabe氏は落ち着いている。

ここで▲8三馬△同玉▲7二銀△7四玉▲7五金の詰みがあったが、本譜は▲9五歩△同歩▲9四歩△同玉。これでも下手必勝だが、以下▲7四銀△8二金打▲7五桂△7二金▲同桂成△7四金と進んでおかしなことになった。
これでも下手勝っているが、いったん傾いた流れはもう止められない。
最後は2人がかりで下手玉を寄せ、上手の辛勝となった。
Watanabe氏、終盤は秒に追われたにせよ、ここまで下手玉を追い詰めてうっちゃられるとは、ハッキリ言って勉強が足りない。本局は簡単な寄り形で、時間はいらないのだ。
Watanabe氏は、寄せの本を勉強するとよい。そして、形を全部覚えてしまうことだ。
Shin氏とIs氏が相次いで来席した。ジョナ研メンバーがそろい、LPSA駒込サロンのようである。
2局目は大野八一雄七段に教えていただく。手合いは角落ちである。
「大沢さんはこの前、(教室に)来てくれなかったからねえ…」
大野七段がこぼす。九州旅行から帰ったあと、私は結局、大野・植山教室には行かなかった。
6日(土)の夜に大野七段から電話があり、(大野七段が)近々秋田に旅行に行くので、翌7日にアドバイスを乞う、の依頼だった。しかし7日はフジテレビ「平成教育委員会3時間スペシャル」に加藤一二三九段が出演するので、それを私はリアルタイムで観たかったのだ。7日は和田あき女流初段も来る、とのことだったが、やっぱり行かなかった。私はけっこう、非情なのである。
もっとも、自分で計画を立てて一人旅をした大野七段は秋田を満喫したようで、結果オーライでよかった。ただ、7日に休んだせいで、和田女流初段との食事会の話がまた延び延びになってしまった。
局面。私は居飛車から右桂を跳ねて速攻の形。大野七段は△6四銀と上がったが…。

以下の指し手。▲4四歩△3三銀▲2二歩△同玉▲4三歩成△同金右▲2五桂△4四歩▲3三桂成△同金上▲3五歩△同歩▲4六銀△3六歩▲3八飛△7五歩▲6六角△7四桂▲7五角△同銀▲同歩△8六歩
まで、大野七段の勝ち。
△6四銀に▲4四歩は狙い筋。続いて△3三銀に▲2二歩は手筋だが、指しすぎだったかもしれない。
本譜は銀桂交換の駒得に成功したが、思ったほど得をしていない。
そして△7五歩の反撃が厳しかった。▲6六角に△7四桂が私も読んだ好手で、こうなっては下手勝てない。以下4手で投了した、
戻って、▲3三桂成では、これを決めずにじっと▲4六銀ぐらいだったかもしれない。
対大野七段は、序盤の作戦はうまくいくのに、いつもその後を決め損ねる。中盤の指し方が課題である。
3局目は新人の小学生と二枚落ち戦。「門番(私のことらしい)、お願いします」とFuj氏。
この小学生がなかなかのホープで、大野七段はすでに指し、大野七段が負けたらしい。もう二枚落ちは卒業、の雰囲気があるが、彼とはFuj氏が二枚落ちで2局指し、いずれも上手が勝っているという。それなら私も負けられない、というところである。
▲7六歩△6二銀▲4六歩に△6四歩と趣向を凝らしてみた。▲4五歩△6三銀。これでも上手悪いが、どこまで戦えるか。
▲3五歩に私は△2二銀を受けず、▲3四歩を誘う。そこで△2二銀▲3三歩成△同銀とし、△4四歩のあと、△2四銀と覗いた。
こっそり△1四歩と突き、▲3七桂を待って△3五銀と、▲3六の飛車を殺した。
これで上手勝ちだが、あとはどう決めるかというところ。ここで次の手をお考えいただこう。

(つづく)