一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

6月7日の大野・植山教室(前編)

2015-06-17 00:09:49 | 大野・植山教室
7日(日)は埼玉県川口市にある「大野・植山教室」に行った。
午後1時20分ごろ教室に入ると、今回は生徒が少ない。奥の部屋も似たようなもので、大人はSat氏とHat氏だけだった。前回お邪魔した時は満員だったが、この落差は何だろう。
大野・植山教室は棋士の指導対局がメインなので、大野八一雄七段と植山悦行七段に指導を仰げば、それで双方の目的は達成している。その後のリーグ戦はいわばおまけなので生徒の多寡は関係ないのだが、それにしたって閑古鳥が鳴いていては、こちらの気合も入らないというものだ。巡り合わせとはいえ、こういう回があるから、教室はこわい。
1局目は植山七段に教えていただく。当然のように平手である。プロの七段相手に平手。どう考えてもおかしいが、それでも私が勝たせていただくことがあるから、駒落ちに戻るわけにもいかない。
▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀で矢倉模様になった。
植山七段は、相矢倉の後手だと素直に追随しない。必ず急戦模様で来るが、本局は左美濃だった。
△7五歩▲同歩△同角に▲6五歩。植山七段は△7四銀から△5三角と引き、▲4六角には△9二飛と寄る(第1図)。

右ではSat氏がやはり平手で挑んでいる。相居飛車だがSat氏の右玉。Sat氏の十八番である。
本局。ここで▲7五歩は△8三銀と引かれてつまらないと見た私は、▲5七銀上△4二玉▲2五歩と進める。ここで△3三銀なら▲3七桂の予定。植山七段は△3一玉とし、私は▲2四歩△同歩▲同飛と飛車先の歩を交換し、ポイントを挙げた。
その後私が攻め手を自重しているうちに植山七段に十分の攻め形を作られ、△3七歩成▲同桂△3六歩で桂損が確定、さらに△2七とと飛車角両取りに寄られては、さすがに負けを覚悟した。
ところが私が銀を取り、しかも▲7八飛、▲5九角と両方とも逃げて、意外と面白い形勢になったのではないかと思った。
△8六歩▲同金△7七歩(第2図)。ここで私が間違えた。

飛車を見捨てて▲6五銀と桂を取ったのが、せっかく盛り返した将棋を棒に振った大悪手。植山七段に△7八歩成と飛車を取られ、▲同玉に、「ここに打つのがいいのか」と△5八飛と打たれては、一遍に下手の敗勢になった。
私は▲6八銀だが(まだしも▲6九玉だった)、△3五角~△3八とと着実に攻められ下手必敗。以下数手で投了した。
戻って▲6五銀では、当然▲7七同桂と取るところ。この後上手がどう攻めてくるのか分からぬが、本譜より数段優ったのは明らかだ。
感想戦。第1図で▲7五歩は△8三銀、と私は読んだが、植山七段は△8三銀を1秒も考えなかったという。△7五同銀▲同銀△同角。これなら私は喜んで▲8三銀と打つ。
調べてみたら下手十分で、こうなるのだったら▲7五歩と打つのだった。

2局目は大野七段に教えていただく。もちろん角落ちで、私は前回の経験を活かし、再び石田流に構えた。
私は▲7七銀から▲8六銀と出る。狙いは▲9五歩からの端攻めで、これは午前中に観たNHK杯で、飯塚祐紀(ひろき)七段が指した手を参考にした。
そしてこの端攻めが意外に効いたようである。先に桂損したものの上手陣を乱し、下手指せる。大野七段が△7三桂(第1図)と据えたところで、3時休憩となった。
先日の食事会後の雑談で、「3時休みはキチッと取る」が挙げられたが、大野七段は時間通り取るほうである。どちらかというと、植山七段のほうがルーズだ。
W氏とHon氏が相次いで来た。これでちょっと一安心である。
社団戦の話になったが、大野・植山教室の意外な成績に、私たちは苦笑するしかない。まあ今回は初参戦の選手も多かったし、慣れてくればすぐに勝ち星も集まるだろう。
3時休みが終わり、対局が再開される。

第1図以下の指し手。▲9六飛△7五歩▲8六歩△7四金▲8五歩△同金▲4六飛△6三玉▲9三歩成△同金▲8六銀△9四歩▲7四歩△同玉▲8五銀△同桂▲8六歩△7七銀(第2図)
以下、大野七段の勝ち。


私は▲9六飛と寄り▲8六歩を見せたが、こう指すのなら▲8六飛の途中下車はいらなかった。
本譜は△6三金の応援が間に合い、やや差を詰められている。
そして数手後に指した▲8六歩が弱い手で、△7七銀と角を殺されては、下手敗勢となった。以下▲7九角△7八銀成▲8五歩△7九成銀▲2三桂△1二香と進み、数手後に投了した。
感想戦。序盤の構想は褒めてもらったが、その後がいけなかった。
▲8六歩では、▲8六桂でどうだったか。△6三玉▲7四金△5二玉▲9四香…。
検討すると、けっこう下手も戦えた。本譜▲2三桂のところでも、同様の手があったと思う。
以上、指導対局は2局とも、悔いの残る敗戦となった。
(つづく)
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