一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペンクラブ大賞二次選考を終える

2015-06-16 00:49:31 | 将棋ペンクラブ
今年も「第27回将棋ペンクラブ大賞」の二次選考委員に任命された。
将棋ペンクラブ大賞の選考過程を簡単に述べると、2014年4月から2015年3月までに発表された観戦記および著作に対し、まずはペンクラブ幹事および一次選考委員が手分けして全作品を読み、候補作として数点を選ぶ。それを二次選考委員が熟読・採点し、さらにふるいにかける。
最後は最終選考委員が徹底討論し、それぞれの大賞を決めるのである。
2014年度の候補作は、観戦記17本、著書8点。観戦記は原則的に、1棋戦につき1本が選ばれる。著書は文芸モノのみで、技術書は別所で棋士らが選考する。
ここから二次選考に入るが、観戦記はそれぞれコピー(複写)されたものが自宅に送られてくる。著作物は二次選考委員各自で、可能な限り入手する。採点方法は「優・良・可」の3点法で、各自が自宅で採点したものを、担当者に返送する。採点はいささか孤独な作業ではあるが、ヒトの意見に左右されないという利点がある。今年の締切日は6月15日(着?)であった。

というわけで、私は読み込み作業に入る。最近の観戦記は昔の観戦記に比べて水準が高く、どれも過不足なく面白くなっていると思う。そこから厳選された「2014年度観戦記アンソロジー」だから、これが面白くないわけがない。そしてそれらを読めるのは二次選考委員のみ(!!)で、光栄なことである。
そしてこの採点が、簡単なようで難しい。繰り返すが、観戦記は各棋戦年4~50局ある中から最高のものが選ばれているから、どれも面白い。ふつうに読んでいたら、とても優劣などつかないのである。
もっとも、本当に面白い観戦記は1回読めばすぐ分かる。しかし微妙な作品は、本当にこの採点でいいのかと何回も読み直す。そして結局「優」を付けてしまう。結果、ほとんどすべてが「優」になり、これでは何のための採点か分からなくなってしまうのだ。
ところで、採点には一言コメントを付けることになっている。そこで、私が書いたコメントに少しでも否定的な文言が入っていたら、「良」に書き換えることにする。この作業が本当に辛い。でも振り返ってみると、最初に読んだ時の印象がいちばん信頼性が高い。
ともあれこれで、「優」は数点に絞られた。
なお今回も、ペンクラブ会員の観戦記が数本入っていたが、手心は一切加えない。将棋ペンクラブ大賞が権威を保っているのは、選考過程において、何事にも左右されないニュートラルな精神が宿っているからだ。
著作物も可能な限り入手し、読破、採点した。
これらを14日の朝に投函した。ほかに、注文した本が1冊、15日に届いたが、この採点はメールで、担当者に送信した。
なお今年度の観戦記は、飛びぬけた出来が1点あった。それが観戦記大賞を獲ったら私の眼力も大したものだが、やや異例の作品ともいえ、どうなるか分からない。
また文芸のほうも、飛びぬけて面白いものがあったが、これを「文芸」と捉えていいのか、やや抵抗があった。
各大賞の発表は、7月下旬と思われる。楽しみに待ちたい。
コメント (2)
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