一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の九州旅行2014・1「幼稚園児に教えられる」

2015-06-22 00:10:52 | 旅行記・九州編
12日(金)。宮崎ファイブシーズホテルで無料の朝食を摂り、チェックアウトする。
そのまま駅までまっすぐ歩く。ちなみに昨年は左手にある総合病院の前を通り、大通りに戻ったのだ。
もちろん、今回の道の方が、歩いていて楽しい。両脇は飲食店が並んでいるが、今はシャッターを下ろしてひっそりとしている。しばらく歩くと、横を貫く大通りに遮られるが、その先も「一番街」というアーケード街だ。
さらに進むと車道のデザインが蛇行しはじめ、これはこれで味わい深い雰囲気になってきた。
そのまま歩き、宮崎駅前に着いた。駅側から見ると、大通りの1本脇が、繁華街の入口だったことになる。今までちっとも気付かなかった。
今日は日南線の志布志まで出て、路線バスで日豊本線・西都城に出る。最終的には鹿児島で宿泊する予定である。ちなみにホテルは、旅行前に予約しておいた。
今日はかなりJRを利用するので、かなり迷ったのだが、「青春18きっぷ」(11,850円)を買った。とはいえこれはJRの普通列車をのべ5日間使うので、今回の旅行だけでは使い切れない。
帰京したら必然的にもう1度旅行することになるが、まあ何とかなるだろうと思った。
さて宮崎駅といえば、駅構内にある「三角茶屋・豊吉うどん」である。ここのうどんが廉価ながらフワフワしていて美味く、時間があれば食すことにしている。今回もそうした。
かけうどんが190円と、涙が出るような安さだ。カウンターの席に座り、ズルッ…。
この時、「青春18きっぷ」を買ったことを何故か後悔した。年末の忙しい時にまた家を出ることに、躊躇を覚えたのである。

09時10分発の日南線に乗る。列車に揺られること19分、青島で降りた。今年(2014年)のゴールデンウイークにも下車しているからいささか芸がないが、もちろん目的はある。
5月に青島神社を訪れたとき、Minamiちゃんに「女力」御守をプレゼントしたのだが、それと同じものを和田あき女流初段とHanaちゃんにもプレゼントしようと考えたのだ。
冬だからか、青島駅で降りる客は少なかった。青島海岸に着くと、波が高い。潮も満ちて、5月とは雰囲気を異にしている。
弥生橋をオート三輪が渡っていったが、後ろに観光客を乗せるようだ。
青島神社に入り、本殿手前の社務所で御朱印を所望する。前回の御朱印もここ青島神社で、同じ神社を2回続けたのはもちろん初めてだ。
「あれ、これ私の字だ」
宮司さんが驚いた。
筆記の時間を利用して、私は参拝をする。「賽の目神事」というのがあり、「学、交、身、金、厄、縁」の目がある賽を振り、占うものだ。1回100円で、私が振ったら「学」が出た。「学」の引き出しからみくじ箋を引いて、儀式が完了である。
今回初めて気が付いたのだが、本殿脇に絵馬を奉納するスペースがあり、それがきらびやかな雰囲気を醸し出していた。
お土産を買うには早いが、両親に「長寿箸」を買う。どうせ喜ばれないのだが、つい買ってしまう。
「女力」御守は、5つ買った。Minamiちゃんのお姉さん2人にもプレゼントしなければと考え、つい購入数が多くなってしまった。これじゃプレイボーイだ。
御朱印は例によって600円。強制的に2つ書くので、こんな値段になる。私は両親用に、さらに「男力」「女力」の御守を買った。
最後に青島を一周して、これで参拝は終わりである。青島神社は御守の種類が豊富で、そこかしこに遊び心があり、巡っていて、楽しい。いわゆるプチテーマパークの趣があるのだ。「萌え神社」として、もっとマスコミに取り上げられてもいいと思う。
駅に戻り、11時02分の列車でさらに下る。次の駅は「折生迫」。おりゅうさこ、と読む。
さらに4つ先の北郷は駅舎が立派で、思わず下車したくなるが、今日は志布志まで直行しちゃわないと、後の予定がガタガタになる。
一駅着くごとに、駅名板を撮影している乗客がいる。6月に根室本線の普通列車に乗ったときもそうだったが、最近はこの手合いが増えてきた。
飫肥着。ここは以前観光したことがあるが、武家屋敷に風情があった。
油津着。ここは5月に観光したが、昭和初期の建物が印象深かった。アーケード街にある喫茶店に入れなかったのが悔やまれる。
串間に着くと、3人の保母さんに従われ、20人近くの幼稚園児が乗ってきた。
私がまともな人間だったら、はるか昔に結婚し、子供の何人かもいただろう。このくらいの子供はとっくに育て上げなければいけないのだが、ついぞ叶わなかった。
子供たちは列車前方のボックス席にまとまって座る。日南線の車窓は素晴らしく時の経つのを忘れるが、彼らの存在もなかなかに興味深い。
彼らは時折キャッキャッと歓声を上げ、快活におしゃべりをする。が、その雰囲気がどこか上品だ。親御さんや保母さんのしつけがしっかりしているのだろう。
13時19分、列車は終点・志布志に到着した。幼稚園児はみなが降りるのを待って、しずかに下車する。何か、幼稚園児に乗車マナーを教えられた気がした。

日南線志布志駅は、片側1面ホームのみだが、かつては志布志線と大隅線を擁し、何本ものホームを有する一大ジャンクションだった。
しかし両線とも1982年に廃止され、志布志駅も数十メートル短縮され、こじんまりした駅に没落してしまった。
昭和の末期に多くの国鉄路線が廃止されたが、志布志ほどかわいそうな駅はないと思う。
改札口横にある、観光案内所に入る。これは数年前に新設されたものだ。
私が次に乗るべきは三州自動車・都城行きで、これが旧志布志線をトレースしているのである。以前、旧大隅線の代替ルートをバスで走破したことはあるが、旧志布志線のそれは、西都城側からサイクリングロードを数キロ歩いただけだった。今回は念願の全線走破となるのだ。その出発時刻を再確認しようというわけである。そして、志布志周辺のパンフレットももらえればと思った。
入口近くに貼ってあった時刻表を見る。実は前夜、ネットで確認していたのだが、念のためである。
志布志発の都城行きは、08時40分、10時30分、16時00分の3本だけだった。昨年(2013年)、宮崎県の村所から乗ったバスもローカル色満載だったが、ここの3本もスゴイ。国鉄路線の代替とは思われない閑散ぶりである。しかしそれだけに、乗ってみたくなるのだ。
…と、ドアの外側から、私に挨拶をしてくるオニイサンがいた。
「これからどこか行かれるんですか?」
「ああ、このバスで都城まで」
「ほうほう」
オニイサンの歳のころは40歳代だ。
「この路線バスに乗る人はいないと思うんですけど、国鉄が走っていたところを乗ってみたくて」
「次は4時ですね。時間があるから、私がこの辺を案内しましょうか?」
オニイサンは地元在住の感じだったが、乗り物オタク風の男にガイドをしたって、面白くはなかろう。それで何のメリットがあるのか?
私は返答に窮したが、どうもオニイサンは、私に「同じニオイ」を感じたようだった。
それで私も、オニイサンの言葉に甘えることにした。そしてここから、想像もしていなかった展開になるのである。
(つづく)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする