5月21日、将棋ペンクラブ関東交流会の後は、LPSAの設立10周年記念パーティーである。私はパーティーの類があまり好きではないのだが、LPSAの存在は私の10年を確実に変えた。LPSAがなければ将棋熱がぶり返すこともなかったし、プロ棋士にここまで指導を受けることもなかった。まあそのぶんおカネもかかったが、とにかくLPSA区切りの10周年とあれば、一言お祝いとお礼を言いたかった。
会場の最寄り駅・銀座近辺へはいろいろルートがあるが、国立競技場駅から大江戸線に乗れば、築地市場駅まで1本で行くので、これがいい。
大江戸線に乗るのはかなり久しぶりである。車両がやや小さかったが、乗り心地はよかった。
築地市場駅から10分ほど歩き、「コートヤード・マリオット銀座東武ホテル」に着く。すると私の前にタクシーが停まり、中から佐藤康光九段が降りてきた。おお! 日本将棋連盟の会長も今回はお出ましである。
フロントで会場を聞くと、3階とのこと。佐藤会長もエスカレーターに乗るところで、私も付き人のような感じでついていった。
午後6時の開場時間を過ぎていたが、ロビーにはたくさんの参加者がいた。Sug旦那もいて、氏に会うのは数年ぶりだ。挨拶をして、受付に向かう。
参加費は1万円である。実は事前にW氏に、ご祝儀を出すべきか聞いてみた。私は渡す気満々だったのだが、W氏の回答は、「招待された人が参加費の代わりに出すものなんじゃないか?」で、それもそうだと納得した私は、参加費だけを納めることにしたのである。
だが芳名帳の脇には多くのご祝儀袋があった。ああ、オレも用意するべきだった、と後悔したが、もう遅い。
しかも記帳のあと一拍置いたら、「(参加費は)1万円です」と言われうろたえた。おカネは銀行の封筒に入れてきたのだが、この暑さで袋がふやけてしまい、内ポケットからうまく取り出せない。
やっと1万円をむしりとり、受付嬢に渡した。これだけでもう、私は汗びっしょりだ。
大庭美樹女流初段に挨拶される。今日はきもの姿で、ちょっと見違えてしまった。今日は皆さんこんな感じなのだろうか。
会場に入ると、かなりの参加客だった。私が毎年出席する得意先の新年会に雰囲気が似ていたが、そちらは義務で味気ないのに対して、こちらは何人か知己がいるので、楽しくなりそうな予感がする。
定刻になり、福山知沙アナの司会でパーティーが始まった。
まず、LPSA所属の女流棋士が登壇する。向かって右から中倉宏美代表理事(女流二段)、蛸島彰子女流五段、山下カズ子女流五段、藤森奈津子女流四段、鹿野圭生女流二段、大庭美樹女流初段、中倉彰子女流二段、島井咲緒里女流二段、大庭美夏女流初段、上川香織女流二段、船戸陽子女流二段、渡部愛女流初段、堀彩乃女流2級である。寺下紀子女流四段、神田真由美女流二段は欠席のようだ。皆さんきもの姿で、艶やかだ。
宏美代表理事の挨拶。「大勢の方にご支援いただき、この日を迎えることができました。イバラの道を歩んだこともありましたが、この道を選んだことに後悔はありません…」
数分が経った。宏美女流二段はまだいろいろ話したいことがあったようだが、涙なしでは語れなくなりそうで、マイクを離した。この場にふさわしい、平安顔であった。
ファン代表として、株式会社ザンギの挨拶。ザンギは歯科衛生品など、ケア製品の製造・販売を行っている。
「LPSAの企画力には、対局をこなしながらよく考えられるものだと、感心いたします」
続いて佐藤会長の挨拶。
「LPSAが発足してから、あっという間の10年という気がします。この間、女流棋界がずいぶん変わってきたと思います。…若手が強くなってきました。
これからの将棋界の課題は、女性ファンの増加に尽きます。
LPSAと女流棋士会、お互いに切磋琢磨して、…お互いに融合していくこと…いいところを取り入れていくことがベストと思います」
乾杯の音頭は、森内俊之九段が登場した。「皆さま、乾杯してよろしいでしょうか」
何だか可笑しかった。
乾杯のあとは、昇段の免状授与式である。まず、女流二段に昇段した彰子女流二段に、宏美代表理事から免状が送られた。妹から姉へ免状とは滅多に見られぬ光景で、私たちもウルウルしてしまう。
続いて蛸島彰子女流五段にも、女流六段免状が送られた。これはサプライズで、歓声が上がる。蛸島女流六段は女流棋士の第1号で、ここから女流棋士の歴史が始まった。女流六段昇段は遅すぎたくらいで、とにかくめでたい。
さて、懇親会である。Kun氏が来た。Kun氏は将棋ペンクラブのあと予定どおり大野教室で指して、こちらに入った。
「千駄ヶ谷から川口に行って銀座は、(場所的に)味がわるいと思いましたが」
とKun氏。なんのなんの、そのバイタリティーに脱帽である。
そこへ美夏女流初段がいらした。千葉ロッテマリーンズの話題になる。現在ロッテは負けが込んでいるのだが、最近連敗を脱出したらしい。
私も野球は好きだが、最近はほとんど興味がない。でもふたりは楽しそうだ。
「Kunさんも大沢さんも、社団戦頑張ってください」
「ハイ!!」
とKun氏が2人ぶんの返事をした。私は社団戦に出るのだろうか…!?
W氏もこちらに来た。W氏は大野教室と蕨将棋教室のスタッフをやっているので、今日もほうぼうで営業をしているようだ。
会場では美味そうな料理が並べられているが、W氏は麺類を美味そうに頬張る。しかし私は例のポップコーンでお腹がいっぱいになって、何も食べられない。完全にしくじった。
島井女流二段が挨拶にきた。今年は府中、天童、二子玉川に続いて4度目の鑑賞で、かなり近しく感じる。きょうはピンクの和服がよく似合っていた。
W氏が島井女流二段の髪型を褒めるのだが、それが細かい。これが私にはできないところで、褒められた島井ちゃんはうれしそうだ。W氏の抜け目のなさにはいつも感心する。
ステージ脇では、LPSA10周年の記念ビデオが流れる。たしか1周年記念の時も流れたはずで、この手法はLPSAの得意技だ。
(つづく)
会場の最寄り駅・銀座近辺へはいろいろルートがあるが、国立競技場駅から大江戸線に乗れば、築地市場駅まで1本で行くので、これがいい。
大江戸線に乗るのはかなり久しぶりである。車両がやや小さかったが、乗り心地はよかった。
築地市場駅から10分ほど歩き、「コートヤード・マリオット銀座東武ホテル」に着く。すると私の前にタクシーが停まり、中から佐藤康光九段が降りてきた。おお! 日本将棋連盟の会長も今回はお出ましである。
フロントで会場を聞くと、3階とのこと。佐藤会長もエスカレーターに乗るところで、私も付き人のような感じでついていった。
午後6時の開場時間を過ぎていたが、ロビーにはたくさんの参加者がいた。Sug旦那もいて、氏に会うのは数年ぶりだ。挨拶をして、受付に向かう。
参加費は1万円である。実は事前にW氏に、ご祝儀を出すべきか聞いてみた。私は渡す気満々だったのだが、W氏の回答は、「招待された人が参加費の代わりに出すものなんじゃないか?」で、それもそうだと納得した私は、参加費だけを納めることにしたのである。
だが芳名帳の脇には多くのご祝儀袋があった。ああ、オレも用意するべきだった、と後悔したが、もう遅い。
しかも記帳のあと一拍置いたら、「(参加費は)1万円です」と言われうろたえた。おカネは銀行の封筒に入れてきたのだが、この暑さで袋がふやけてしまい、内ポケットからうまく取り出せない。
やっと1万円をむしりとり、受付嬢に渡した。これだけでもう、私は汗びっしょりだ。
大庭美樹女流初段に挨拶される。今日はきもの姿で、ちょっと見違えてしまった。今日は皆さんこんな感じなのだろうか。
会場に入ると、かなりの参加客だった。私が毎年出席する得意先の新年会に雰囲気が似ていたが、そちらは義務で味気ないのに対して、こちらは何人か知己がいるので、楽しくなりそうな予感がする。
定刻になり、福山知沙アナの司会でパーティーが始まった。
まず、LPSA所属の女流棋士が登壇する。向かって右から中倉宏美代表理事(女流二段)、蛸島彰子女流五段、山下カズ子女流五段、藤森奈津子女流四段、鹿野圭生女流二段、大庭美樹女流初段、中倉彰子女流二段、島井咲緒里女流二段、大庭美夏女流初段、上川香織女流二段、船戸陽子女流二段、渡部愛女流初段、堀彩乃女流2級である。寺下紀子女流四段、神田真由美女流二段は欠席のようだ。皆さんきもの姿で、艶やかだ。
宏美代表理事の挨拶。「大勢の方にご支援いただき、この日を迎えることができました。イバラの道を歩んだこともありましたが、この道を選んだことに後悔はありません…」
数分が経った。宏美女流二段はまだいろいろ話したいことがあったようだが、涙なしでは語れなくなりそうで、マイクを離した。この場にふさわしい、平安顔であった。
ファン代表として、株式会社ザンギの挨拶。ザンギは歯科衛生品など、ケア製品の製造・販売を行っている。
「LPSAの企画力には、対局をこなしながらよく考えられるものだと、感心いたします」
続いて佐藤会長の挨拶。
「LPSAが発足してから、あっという間の10年という気がします。この間、女流棋界がずいぶん変わってきたと思います。…若手が強くなってきました。
これからの将棋界の課題は、女性ファンの増加に尽きます。
LPSAと女流棋士会、お互いに切磋琢磨して、…お互いに融合していくこと…いいところを取り入れていくことがベストと思います」
乾杯の音頭は、森内俊之九段が登場した。「皆さま、乾杯してよろしいでしょうか」
何だか可笑しかった。
乾杯のあとは、昇段の免状授与式である。まず、女流二段に昇段した彰子女流二段に、宏美代表理事から免状が送られた。妹から姉へ免状とは滅多に見られぬ光景で、私たちもウルウルしてしまう。
続いて蛸島彰子女流五段にも、女流六段免状が送られた。これはサプライズで、歓声が上がる。蛸島女流六段は女流棋士の第1号で、ここから女流棋士の歴史が始まった。女流六段昇段は遅すぎたくらいで、とにかくめでたい。
さて、懇親会である。Kun氏が来た。Kun氏は将棋ペンクラブのあと予定どおり大野教室で指して、こちらに入った。
「千駄ヶ谷から川口に行って銀座は、(場所的に)味がわるいと思いましたが」
とKun氏。なんのなんの、そのバイタリティーに脱帽である。
そこへ美夏女流初段がいらした。千葉ロッテマリーンズの話題になる。現在ロッテは負けが込んでいるのだが、最近連敗を脱出したらしい。
私も野球は好きだが、最近はほとんど興味がない。でもふたりは楽しそうだ。
「Kunさんも大沢さんも、社団戦頑張ってください」
「ハイ!!」
とKun氏が2人ぶんの返事をした。私は社団戦に出るのだろうか…!?
W氏もこちらに来た。W氏は大野教室と蕨将棋教室のスタッフをやっているので、今日もほうぼうで営業をしているようだ。
会場では美味そうな料理が並べられているが、W氏は麺類を美味そうに頬張る。しかし私は例のポップコーンでお腹がいっぱいになって、何も食べられない。完全にしくじった。
島井女流二段が挨拶にきた。今年は府中、天童、二子玉川に続いて4度目の鑑賞で、かなり近しく感じる。きょうはピンクの和服がよく似合っていた。
W氏が島井女流二段の髪型を褒めるのだが、それが細かい。これが私にはできないところで、褒められた島井ちゃんはうれしそうだ。W氏の抜け目のなさにはいつも感心する。
ステージ脇では、LPSA10周年の記念ビデオが流れる。たしか1周年記念の時も流れたはずで、この手法はLPSAの得意技だ。
(つづく)