一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

6月4日の4時から男(後編)

2017-06-22 00:04:33 | 新・大野教室
3局目はHon氏と戦う。この季節、Hon氏は職業柄忙しく、教室の滞在時間も短いようだ。私と指すのも久しぶり。
先番Hon氏の三間飛車に、私は居飛車。飛車先の歩を△8四で止めていたらHon氏は石田流に組む。私も気分を変えて△1二香とするとHon氏も穴熊に潜り、二人の対戦では珍しい相穴熊戦となった。
中盤はいい勝負。Hon氏が△6四銀と呼んでから▲5四歩と突きだしたのが好手で、次に▲6五歩を見せられた私はグズグズできない。△9五歩と反発した。
ここから激しい戦いになったが、私が馬を切って△3八銀としたところで、Hon氏が投了した。まだ粘れそうに見えるが、この諦めのよさがHon流である。

穴熊は久しぶりにやったが、随所で感覚が違い、私には合わなかった。次はふつうに舟囲いにしよう。
4局目はあの女性と実戦。手合いは私の八枚落ちで、私が自由に指していいことになった。
対局開始。△3二金▲2六歩△5二玉▲2五歩△7二金▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛。
ここで△6四歩と突いたら、▲2四歩と合わされて参った。以下△同歩▲同飛△2三歩に▲6四飛とされ、上手指しようがない。八枚落ちはこんなに大変なのか。
数手後女性は▲6六角と上がり、▲8五桂と跳ぶ。次の▲9三桂成△同金▲同角成が狙いで、私は△8四歩(第1図)と突いた。これは▲同角でタダなのだが、とにかく誤魔化すしかない。

果たして女性は考え込んでしまい▲9三桂成としたのだが、ここでW氏から「う~ん、待ったにしましょう」が入った。
ええっ!? 待ったが入るの?
これを待ったにされちゃあ上手の勝つ手がないが、初心者相手では私以外全員敵だからしょうがない。
▲9三桂成を▲8四同角に代え、以下むずかしい戦いとなる。△7七歩~△7八歩成は周りが見逃してくれ?、女性もそれなりにうまく指し、最終盤となった。

私が△5七金と王手し、ここで取った歩を△7四に打った局面(第2図)。
以下▲5五馬△6七玉▲7七馬△5六玉▲5五成桂(投了図)まで、女性が勝った。

女性はなんで自分が勝ったか分からないふうだったが、まあよい。彼女に読み筋を聞くと、最終▲5五成桂で▲9六竜も考えたという。以下△4五玉▲4四馬までを解答できれば、それも立派な正解である。ともあれ女性さん、お見事でした。

今日はHomma君も来ていて、彼と指そうとしたのだが、もう帰るとのこと。それで、Og氏に教えてもらうことになった。
Og氏の四間飛車に、私は棒銀を採る。こちらは昨日、大野八一雄七段らにさんざん講義を受けたから、この展開は自信満々である。
私は端歩を突いて攻撃準備完了。しかし▲3五歩と行く前に△3二飛と先受けされたので、私は▲9八香と待ってから▲2四歩と攻めた。これはいよいよ加藤流だ。
数手進んで私は端の香を交換したが、肝心の棒銀が捌けず、あまりポイントを挙げていない。ここでOg氏は△2五歩。これに▲同銀△同桂▲同飛は駒損になるので指しきれず、私は▲3七銀と辛抱した。とたんにOg氏が「やっぱそうですよねー」と嘆いた。
棒銀はこの位置で遊ばせておきたかったのに、お手伝い(△2五歩)をして銀を活用させてしまった、というわけだ。ただ私のほうも見落としていて、この▲3七銀の局面で△4五桂の銀の両取りがあるのをうっかりした。もっともOg氏は、この順を掘り下げなかったようである。

さらに局面は進み、第1図(局面は不正確)から▲6六香△7六銀▲6二香成△8七香成▲6九玉△6二金▲5五角と進んだ。部分的に角香交換になったのだから、これは先手有利と断じてもいい。
ところがこの後、私は敵玉頭への攻めを躊躇したことりして、徐々に形勢が詰まってきた。

第2図の▲4三馬に、Og氏は△5四香打。そこで私は▲3四馬としたが、よくなかった。▲5五桂、と頭突きで受けるべきだった。
こうなったら振り飛車ペースである。以後Og氏の指し手に同調する形になって形勢逆転、最後は私の投了となった。
Og氏は元奨励会だから強いのは承知しているが、まだ3、4回しか勝ったことがない。もう少し勝ててもよさそうなものだが…。
ともあれ局後もみっちり講義を受け、なかなか濃密な半日だった。…と思いきや、先の女性は、まだ大野七段から講義を受けていた。もう8時を過ぎてるぜ!?
W氏が強制終了を宣言して、食事に行くことになった。今日は大野七段、W氏、Og氏、Hon氏、Tod氏、Shin氏に、女性氏も加わる豪華版である。いつものインドカレー屋に行った。
ではここで、席の配置を記しておこう。

     壁
W 女性  Tod Shin
            壁
Og 大野  一公 Hon

私たちはいつものセットメニューを頼む。食後はおしゃべりとなった。
女性が参加していても、私たちは構わず将棋の話題に終始する。彼女は既婚らしいし、私もカッコをつける理由がない。
Tod氏がかばんから将棋を取り出す。バカが、ここじゃやめろって!!
さすがに指し将棋はしなかったが、握り詰みたいのを始めた。Shin氏がおもしろがって駒を配置するが、うまくいかない。
それを見かねた大野七段が作ったのが、下の3手詰である。何のことはない、大野七段がいちばんの将棋バカであった。

これを女性が悪戦苦闘して解いた。彼女はどこまで強くなるだろう。
ほかにうれしかったのはTod氏がまた自由業になったことで、世間の常識の反対を行く生き方に、私は深い感銘を受けた。私はTod氏を目指さないが、いくらか重圧感から解放された。ありがとう、Tod氏。
コメント
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