10日(土)は大野教室の特別企画・渡部愛女流初段の指導対局会に行ってきた。
渡部女流初段の指導は厳しくも楽しく、とても勉強になった。渡部女流初段、大野八一雄七段とスタッフの方には、厚く御礼を申し上げます。
ただ個人的には、その後の私の行動がいただけなかった。詳しくは書けないのだが、「これは悪手だ」と自身で気づいていながら、それを抑制することができなかった。
自分だけよければ、という身勝手な行動が、ほかのお客さんに不信感を抱かせた。
あああー、激しい自己嫌悪だ。今回のお客さんには、ここでお詫びをさせていただきます。
◇
5月26日(金)は大野金曜教室に行った。日本テレビ系「帰ってきた家売るオンナ・スペシャル」も観たかったのだが、それはビデオ録画とする。今や私の大野教室は、土日より金曜に軸足が移りつつあるのだ。
例によって川口駅構内で立ち食いそばを手繰る。今はこのひとときが癒しだ。
教室には6時45分ごろ入ったが、5面全部が使われていた。ほかに客もおらず、こうなると私はどうしようもない。Takai君は今始めたばかりだから彼と指してもよさそうだが、それは私が口出しすることではない。
ほかの将棋を見ると、Tod氏が平手で大野七段に挑んでいた。社団戦が近いので、平手の勉強をしているらしかった。
しかしこの一局にどれほどの意味があるのだろう。
私の後にShin氏が来たが、彼は私と指そうとしなかった。
私は結局30分以上待ち、やっと大野七段との指導対局になった。
手合いは角。今日はじっくりした将棋を指したかったので、飛車先の歩を▲2六で止めて、矢倉に組んだ。しかし▲3七銀と上がったのが失着で、大野七段に△5二飛と中央を狙われてむずかしくなった。
以下やむを得ず飛車の取り合いになったが、こちらはその前に角を取られる形になり、いけない。
第1図から▲4三銀成△同金▲5二飛△4二銀(投了図)まで投了。
▲4三銀成に△同玉とされたら、両取りができないから投げようと思っていた。しかし大野七段は△同玉。私は▲5二飛だが△4二銀と受けられて、こちらも未来はなさそうなので、潔く投了した。
投了図以下、▲5五飛成なら△6八とで角損になるから下手望みがないが、これは錯覚で、角銀交換だった。
もっとも大野七段の検討では、△6八と以下▲同銀△3九飛▲8八玉△5四金打▲8五竜△7四角(参考図)で上手優勢とのこと。私の投了は早くなかったようだ。
私が投げるのは実力がないからで仕方ないが、最近は棋士に教わることのありがたみを失いつつあり、こちらの方が問題と思う。
Shin氏は相変わらず対局に入らないが、今夜は見学だったようである。
私の2局目はKさんと。Kさんは今日も大野七段に飛車落ちで教わっていたが、敗れたようだ。角の手合いはまだ早いのだろうか。
初手からの指し手。▲5六歩△5四歩▲5八飛△8四歩▲7六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲6八銀△6二銀▲4八玉△4二玉▲3八玉△3二玉▲2八玉△5二金右▲3八銀△7四歩▲1六歩△1四歩
▲5五歩△同歩▲同飛△5三銀(第1図)
Kさんはいつもの通り中飛車。私はふつうに舟囲いに組み、△7四歩。
Kさんは5筋の歩を換えたが、△5三銀に手を止めた。▲5九飛の一手なのに何を考えてるんだろうと思ったら…。
第1図以下の指し手。▲5三同飛成△同金▲2二角成△同銀▲7一角△5二飛▲6一銀△5一飛▲6二角成△4二飛(第2図)
▲5三同飛成と切られて驚いた。△同金にKさんは角を換えて▲7一角。角銀を持った時の常套手段だ。
私は△5二飛と寄るよりないが、▲6一銀と掛けられてハッキリわるくなった。
△5一飛に▲6二角成とされ気分は投了だが、開始から5分しか経ってないのに、さすがにそれはできない。根性で△4二飛と打った。
第2図以下の指し手。▲5二歩△同金引▲同銀成△同飛寄▲6三馬△6二歩▲6四馬△7三銀▲6五馬△8八角(第3図)
第2図はKさん優勢。ふつうに▲5一馬と飛車を取り、△同金▲7一飛ぐらいで十分だろう。
だがKさんは考えたすえに▲5二歩から金銀を換え、▲6三馬と歩を補充した。よく分からないが、Kさんはこちらがベターと見たようだ。
私は△6二歩と防壁を造り、▲6四馬にも△7三銀。ここに1枚使うのはバカバカしいが、盤上に自分の駒を置いておきたかった。
私は△8八角と待望の反撃。
第3図以下の指し手。▲6六馬△同角成▲同歩△8六歩▲7七桂△8七歩成▲6五桂△6四銀▲8三角△6五銀(第4図)
▲6六馬と引かれる手を見落とした。が、△同角成で相手の馬は消えたし、6七に空間はできたしで、結果論だがこの取引はわるくないと思った。
私は△8六歩と手を作る。▲同歩は△8七角から馬を作ってまったりいくつもり。本譜▲7七桂に△8七歩成▲6五桂の交換はつまらなかったが、こちらも△6四銀と活用できたので、釣り合いは取れていると思った。
第4図以下の指し手。▲6五同歩△5七桂▲5九金左△4九桂成▲同金△7八と▲6一金△6八と▲5一金△同飛▲7四角成△6六角(途中図)
▲5三歩△同飛▲4五桂△3九銀(第5図)
△6五銀に▲同歩はありがたかった。△5七桂を打てたからで、▲6五同歩では構わず▲6一金と飛車を取りに来られる方がイヤだった。
このあたり、私は優位を意識して進めていたのだが、△6六角(途中図)が微妙な手だった。というのもKさんの▲5三歩~▲4五桂が好手順で、次に▲4一馬~▲5三桂不成(成)を見て厳しかったからだ。
戻って△6六角では、△5八とだったかもしれない。
とにかく▲4五桂に応じていては負ける。私は戸惑いながら△3九銀だが、この応手が明暗を分けた。
(つづく)
渡部女流初段の指導は厳しくも楽しく、とても勉強になった。渡部女流初段、大野八一雄七段とスタッフの方には、厚く御礼を申し上げます。
ただ個人的には、その後の私の行動がいただけなかった。詳しくは書けないのだが、「これは悪手だ」と自身で気づいていながら、それを抑制することができなかった。
自分だけよければ、という身勝手な行動が、ほかのお客さんに不信感を抱かせた。
あああー、激しい自己嫌悪だ。今回のお客さんには、ここでお詫びをさせていただきます。
◇
5月26日(金)は大野金曜教室に行った。日本テレビ系「帰ってきた家売るオンナ・スペシャル」も観たかったのだが、それはビデオ録画とする。今や私の大野教室は、土日より金曜に軸足が移りつつあるのだ。
例によって川口駅構内で立ち食いそばを手繰る。今はこのひとときが癒しだ。
教室には6時45分ごろ入ったが、5面全部が使われていた。ほかに客もおらず、こうなると私はどうしようもない。Takai君は今始めたばかりだから彼と指してもよさそうだが、それは私が口出しすることではない。
ほかの将棋を見ると、Tod氏が平手で大野七段に挑んでいた。社団戦が近いので、平手の勉強をしているらしかった。
しかしこの一局にどれほどの意味があるのだろう。
私の後にShin氏が来たが、彼は私と指そうとしなかった。
私は結局30分以上待ち、やっと大野七段との指導対局になった。
手合いは角。今日はじっくりした将棋を指したかったので、飛車先の歩を▲2六で止めて、矢倉に組んだ。しかし▲3七銀と上がったのが失着で、大野七段に△5二飛と中央を狙われてむずかしくなった。
以下やむを得ず飛車の取り合いになったが、こちらはその前に角を取られる形になり、いけない。
第1図から▲4三銀成△同金▲5二飛△4二銀(投了図)まで投了。
▲4三銀成に△同玉とされたら、両取りができないから投げようと思っていた。しかし大野七段は△同玉。私は▲5二飛だが△4二銀と受けられて、こちらも未来はなさそうなので、潔く投了した。
投了図以下、▲5五飛成なら△6八とで角損になるから下手望みがないが、これは錯覚で、角銀交換だった。
もっとも大野七段の検討では、△6八と以下▲同銀△3九飛▲8八玉△5四金打▲8五竜△7四角(参考図)で上手優勢とのこと。私の投了は早くなかったようだ。
私が投げるのは実力がないからで仕方ないが、最近は棋士に教わることのありがたみを失いつつあり、こちらの方が問題と思う。
Shin氏は相変わらず対局に入らないが、今夜は見学だったようである。
私の2局目はKさんと。Kさんは今日も大野七段に飛車落ちで教わっていたが、敗れたようだ。角の手合いはまだ早いのだろうか。
初手からの指し手。▲5六歩△5四歩▲5八飛△8四歩▲7六歩△8五歩▲7七角△3四歩▲6八銀△6二銀▲4八玉△4二玉▲3八玉△3二玉▲2八玉△5二金右▲3八銀△7四歩▲1六歩△1四歩
▲5五歩△同歩▲同飛△5三銀(第1図)
Kさんはいつもの通り中飛車。私はふつうに舟囲いに組み、△7四歩。
Kさんは5筋の歩を換えたが、△5三銀に手を止めた。▲5九飛の一手なのに何を考えてるんだろうと思ったら…。
第1図以下の指し手。▲5三同飛成△同金▲2二角成△同銀▲7一角△5二飛▲6一銀△5一飛▲6二角成△4二飛(第2図)
▲5三同飛成と切られて驚いた。△同金にKさんは角を換えて▲7一角。角銀を持った時の常套手段だ。
私は△5二飛と寄るよりないが、▲6一銀と掛けられてハッキリわるくなった。
△5一飛に▲6二角成とされ気分は投了だが、開始から5分しか経ってないのに、さすがにそれはできない。根性で△4二飛と打った。
第2図以下の指し手。▲5二歩△同金引▲同銀成△同飛寄▲6三馬△6二歩▲6四馬△7三銀▲6五馬△8八角(第3図)
第2図はKさん優勢。ふつうに▲5一馬と飛車を取り、△同金▲7一飛ぐらいで十分だろう。
だがKさんは考えたすえに▲5二歩から金銀を換え、▲6三馬と歩を補充した。よく分からないが、Kさんはこちらがベターと見たようだ。
私は△6二歩と防壁を造り、▲6四馬にも△7三銀。ここに1枚使うのはバカバカしいが、盤上に自分の駒を置いておきたかった。
私は△8八角と待望の反撃。
第3図以下の指し手。▲6六馬△同角成▲同歩△8六歩▲7七桂△8七歩成▲6五桂△6四銀▲8三角△6五銀(第4図)
▲6六馬と引かれる手を見落とした。が、△同角成で相手の馬は消えたし、6七に空間はできたしで、結果論だがこの取引はわるくないと思った。
私は△8六歩と手を作る。▲同歩は△8七角から馬を作ってまったりいくつもり。本譜▲7七桂に△8七歩成▲6五桂の交換はつまらなかったが、こちらも△6四銀と活用できたので、釣り合いは取れていると思った。
第4図以下の指し手。▲6五同歩△5七桂▲5九金左△4九桂成▲同金△7八と▲6一金△6八と▲5一金△同飛▲7四角成△6六角(途中図)
▲5三歩△同飛▲4五桂△3九銀(第5図)
△6五銀に▲同歩はありがたかった。△5七桂を打てたからで、▲6五同歩では構わず▲6一金と飛車を取りに来られる方がイヤだった。
このあたり、私は優位を意識して進めていたのだが、△6六角(途中図)が微妙な手だった。というのもKさんの▲5三歩~▲4五桂が好手順で、次に▲4一馬~▲5三桂不成(成)を見て厳しかったからだ。
戻って△6六角では、△5八とだったかもしれない。
とにかく▲4五桂に応じていては負ける。私は戸惑いながら△3九銀だが、この応手が明暗を分けた。
(つづく)