25日は社団戦があった。大野教室は5部で1チームだけ出場し、チームは1勝3敗、個人は1勝2敗だった。
悔しかったのは3回戦で、3勝3敗で私の一局が残る大一番。入玉を巡る攻防になったが、私に錯覚があり、寄せられてしまった。後で聞いたのだが、その将棋の終盤、私の背後で渡部愛女流初段が観戦(応援?)していたという。
渡部女流初段の前でいいところを見せたかったのに、無念だ…。
またもや社団戦で凹んだ。もうどうしようもない。
この模様は後日改めて記します。
渡部先生は今日が24歳のお誕生日。おめでとうございます。
◇
17日(土)は大野教室「4時教室」に行った。今月4回目の入室で、この将棋バカさ加減はどうかしていると思う。
川口に行く前に、反対方面の上野のエキナカに寄って、FLASHとFRIDAYを買った。ちなみに切符購入区間の外にハミ出るのは違反だから、良い子のみなさんは気を付けられたい。今回私は買物をしたので、見逃してもらおう。
ところで今日は、朝日オープンのプロアマ一斉対局が行われている。電車内で藤井聡太四段の将棋を見ると、東大生相手に快勝していた。いつもながら手際のいい寄せで、これで27連勝。まったく、手がつけられない強さだ。
4時20分ごろ教室に入ると、大勢の会員でにぎわっていた。
大野八一雄七段は指導中だが、ポジションが変わっている。すなわち本棚を背にしており、先週の渡部愛女流初段と同じだ。
「こちらの方が大盤解説の時、都合がいいんです」
なるほど。
見慣れぬ人もいて、今日はちょっと雰囲気が違う。スタッフのW氏によると、男性の一人は根付け師らしい。教室で渡部女流初段の指導対局を受けると、サービスで駒のキーホルダーが貰えるが、それの作者だという。いま一人は元奨励会三段で、名字から察するに沖縄出身のようだ。
女の子も二人いて、HanaちゃんとKahoちゃんだった。
Hanaちゃんは久しぶりの日本。ずいぶん大きくなって、お姉さんとそっくりになってきた。
Kahoちゃんは大野教室期待の小学生で、このまま順調に伸びれば、女流棋士になるのは間違いない。今日はお母さんもいっしょだった。
ほかにKaz氏の姿もあった。みな指していたがTod氏が空いていたので、彼と二枚落ち戦を指す。
Tod氏の10手目▲3五歩に、私は△2二銀を保留。▲3四歩と突いてこなかったので、こっそり△4二銀と上がった。
Sar君が荒れている。Kahoちゃんと対局して、トン死してしまったらしい。
終盤に強いSar君にしては珍しいが、彼にも尻抜けがあるのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/8d/46bed72eb6b44e9a18f53d2f95c76883.png)
Tod氏との将棋は、迎えた中盤戦、Tod氏が桂得して好調。しかし第1図から▲6五桂△7四玉▲9七角△8六歩▲4一銀△3一金▲5五飛△同歩▲5二銀打と進み、これはTod氏、久しぶりに青春が爆発してしまった。
とにかく第1図では▲5九飛と引かれるのがイヤだった。以下△6七歩成▲同金△同金なら、▲5五角(王手)△同歩▲同飛△5三歩▲6五飛でどうか。以下△6四歩▲6七飛△7八角▲7七飛は下手勝ち。
まあこうはならないが、とにかく第1図で下手は▲5九飛と落ち着くべきだった。してみると私の△5五銀が疑問で、△6五銀とこちらに打つべきだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/2a/b7449f7d80ec5f9fa87215ae0b15e794.png)
進んで第2図。ここで△5七歩成が決め手。将棋は不思議で、金銀をゴリゴリ重ねていくより、軽く成り捨てる手が好手になる場合がある。
Tod氏は▲5七同金と取ったので、△3八銀以下即詰みで私が勝った。こんな状態でも将棋は勝てるんだなあ、と感慨深かった。
2局目はKahoちゃんと指す。Kahoちゃんとは以前1局指したことがあって、手合いも勝敗も忘れたが、キビキビした将棋だったと思う。
本局は平手で、Kahoちゃんの先手中飛車となった。角を換えられた後、私は玉頭位取りに出たが、4五の位を取らないのはマズかった。美濃囲いの発展を阻む意味で、△4五歩は突けるものなら突いておきたかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/d9/40a840e420589bca6d75b08a6e633867.png)
第1図以下の指し手。▲5五歩△同歩▲同飛△5四歩▲8五飛(途中図)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/4c/c61ee2d985cbf1d77e70a224da143e3d.png)
△8五同飛▲同桂△4五歩▲同歩△4六歩▲同銀△4九飛▲5七銀左(第2図)
Kahoちゃんは▲5五歩から▲8五飛(途中図)とぶつけてきた。飛車交換は飛車の打ち場所が多い先手が有利だから、△8四歩と謝りたい。
しかし以下▲7一角△8三飛▲8六飛△6九角▲6八金△4七角成▲同金△9五銀▲7二角(参考図)で自信がなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/1f/f94a94972ce6df39554e33a4c1460abd.png)
しかし参考図は後手玉が固いし、先手陣はバラバラ。これに踏み込む順は十分あった。
また手順中、▲7一角に△7二飛は▲5三角成△同金▲8四飛でわるいと思ったが、▲5三角成の瞬間に△8五歩とする手もあり、むずかしかった。
いや私は飛車交換の後△4五歩からの攻めに期待したのだ。が、これは4四の地点にキズを作って、よくなかった。
第2図の▲5七銀左がいい手だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/5f/89244994f0372cf0d7b99ebb86ddad8d.png)
第2図以下の指し手。△8九飛成▲6八金△8七竜▲8二飛△7六竜▲8一飛成△4一歩▲9一竜△7九竜▲4四香△同銀▲同歩△同金▲5六桂△4三金引▲4四歩(第3図)
第2図で△9九飛成と指そうとしたら、▲6六角がある。誤算に気付いて△8九飛成としたが、Kahoちゃんに▲6八金と寄られて、また先手玉を固めさせてしまった。
この辺りのKahoちゃんの金銀の動きは、大山十五世名人のそれを見るようだった。
私は指す手がなくなって△8七竜と歩を補充したが、▲8二飛と下ろされて非勢だ。
私は△7六竜~△7九竜と奇妙な動きだが、Kahoちゃんに▲4四香から▲5六桂と打たれて、筋に入ってしまった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/ff/a2829dfde9692aa5b7c71f7b2e9385c3.png)
第3図以下の指し手。△5三金寄▲4三銀△同銀▲同歩成△同金寄▲4四歩△5三金寄▲4三銀△同金寄▲同歩成△同金▲4四歩△4二金▲4三金(投了図)
まで、Kahoちゃんの勝ち。
寄せは駒をはがすことなり。Kahoちゃんは▲4四歩を拠点に、どんどん駒をはがしてゆく。3度目の▲4四歩を打たれて、「まだ歩があんのかよ」と嘆いたら、Kahoちゃんがクスッと笑った。こうなってはもうダメである。▲4三金まで投了した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/b5/a1391d7dafca40a597e6a855ead8d5e1.png)
感想戦。Kahoちゃんは第1図から▲5五歩△同歩▲同飛の時に、△6九角を気にしたらしい。ここで△6九角か! 以下▲8八金△4七角成▲同金でこれはこれでむずかしい将棋だが、Kahoちゃんはいい着眼点を持っていると思った。
感想戦ではやらなかったが、第2図でも△6九角でよかった。▲6八金△4七角成▲同金△4九飛で、いままで出た変化と似た形になるが、後手有望だと思う。
本譜△4五歩はキズを作った大悪手。以下は勝負所がなかった。とにかく大局観がにぶった一局。
(つづく)
悔しかったのは3回戦で、3勝3敗で私の一局が残る大一番。入玉を巡る攻防になったが、私に錯覚があり、寄せられてしまった。後で聞いたのだが、その将棋の終盤、私の背後で渡部愛女流初段が観戦(応援?)していたという。
渡部女流初段の前でいいところを見せたかったのに、無念だ…。
またもや社団戦で凹んだ。もうどうしようもない。
この模様は後日改めて記します。
渡部先生は今日が24歳のお誕生日。おめでとうございます。
◇
17日(土)は大野教室「4時教室」に行った。今月4回目の入室で、この将棋バカさ加減はどうかしていると思う。
川口に行く前に、反対方面の上野のエキナカに寄って、FLASHとFRIDAYを買った。ちなみに切符購入区間の外にハミ出るのは違反だから、良い子のみなさんは気を付けられたい。今回私は買物をしたので、見逃してもらおう。
ところで今日は、朝日オープンのプロアマ一斉対局が行われている。電車内で藤井聡太四段の将棋を見ると、東大生相手に快勝していた。いつもながら手際のいい寄せで、これで27連勝。まったく、手がつけられない強さだ。
4時20分ごろ教室に入ると、大勢の会員でにぎわっていた。
大野八一雄七段は指導中だが、ポジションが変わっている。すなわち本棚を背にしており、先週の渡部愛女流初段と同じだ。
「こちらの方が大盤解説の時、都合がいいんです」
なるほど。
見慣れぬ人もいて、今日はちょっと雰囲気が違う。スタッフのW氏によると、男性の一人は根付け師らしい。教室で渡部女流初段の指導対局を受けると、サービスで駒のキーホルダーが貰えるが、それの作者だという。いま一人は元奨励会三段で、名字から察するに沖縄出身のようだ。
女の子も二人いて、HanaちゃんとKahoちゃんだった。
Hanaちゃんは久しぶりの日本。ずいぶん大きくなって、お姉さんとそっくりになってきた。
Kahoちゃんは大野教室期待の小学生で、このまま順調に伸びれば、女流棋士になるのは間違いない。今日はお母さんもいっしょだった。
ほかにKaz氏の姿もあった。みな指していたがTod氏が空いていたので、彼と二枚落ち戦を指す。
Tod氏の10手目▲3五歩に、私は△2二銀を保留。▲3四歩と突いてこなかったので、こっそり△4二銀と上がった。
Sar君が荒れている。Kahoちゃんと対局して、トン死してしまったらしい。
終盤に強いSar君にしては珍しいが、彼にも尻抜けがあるのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/8d/46bed72eb6b44e9a18f53d2f95c76883.png)
Tod氏との将棋は、迎えた中盤戦、Tod氏が桂得して好調。しかし第1図から▲6五桂△7四玉▲9七角△8六歩▲4一銀△3一金▲5五飛△同歩▲5二銀打と進み、これはTod氏、久しぶりに青春が爆発してしまった。
とにかく第1図では▲5九飛と引かれるのがイヤだった。以下△6七歩成▲同金△同金なら、▲5五角(王手)△同歩▲同飛△5三歩▲6五飛でどうか。以下△6四歩▲6七飛△7八角▲7七飛は下手勝ち。
まあこうはならないが、とにかく第1図で下手は▲5九飛と落ち着くべきだった。してみると私の△5五銀が疑問で、△6五銀とこちらに打つべきだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/2a/b7449f7d80ec5f9fa87215ae0b15e794.png)
進んで第2図。ここで△5七歩成が決め手。将棋は不思議で、金銀をゴリゴリ重ねていくより、軽く成り捨てる手が好手になる場合がある。
Tod氏は▲5七同金と取ったので、△3八銀以下即詰みで私が勝った。こんな状態でも将棋は勝てるんだなあ、と感慨深かった。
2局目はKahoちゃんと指す。Kahoちゃんとは以前1局指したことがあって、手合いも勝敗も忘れたが、キビキビした将棋だったと思う。
本局は平手で、Kahoちゃんの先手中飛車となった。角を換えられた後、私は玉頭位取りに出たが、4五の位を取らないのはマズかった。美濃囲いの発展を阻む意味で、△4五歩は突けるものなら突いておきたかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/d9/40a840e420589bca6d75b08a6e633867.png)
第1図以下の指し手。▲5五歩△同歩▲同飛△5四歩▲8五飛(途中図)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/4c/c61ee2d985cbf1d77e70a224da143e3d.png)
△8五同飛▲同桂△4五歩▲同歩△4六歩▲同銀△4九飛▲5七銀左(第2図)
Kahoちゃんは▲5五歩から▲8五飛(途中図)とぶつけてきた。飛車交換は飛車の打ち場所が多い先手が有利だから、△8四歩と謝りたい。
しかし以下▲7一角△8三飛▲8六飛△6九角▲6八金△4七角成▲同金△9五銀▲7二角(参考図)で自信がなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/1f/f94a94972ce6df39554e33a4c1460abd.png)
しかし参考図は後手玉が固いし、先手陣はバラバラ。これに踏み込む順は十分あった。
また手順中、▲7一角に△7二飛は▲5三角成△同金▲8四飛でわるいと思ったが、▲5三角成の瞬間に△8五歩とする手もあり、むずかしかった。
いや私は飛車交換の後△4五歩からの攻めに期待したのだ。が、これは4四の地点にキズを作って、よくなかった。
第2図の▲5七銀左がいい手だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/5f/89244994f0372cf0d7b99ebb86ddad8d.png)
第2図以下の指し手。△8九飛成▲6八金△8七竜▲8二飛△7六竜▲8一飛成△4一歩▲9一竜△7九竜▲4四香△同銀▲同歩△同金▲5六桂△4三金引▲4四歩(第3図)
第2図で△9九飛成と指そうとしたら、▲6六角がある。誤算に気付いて△8九飛成としたが、Kahoちゃんに▲6八金と寄られて、また先手玉を固めさせてしまった。
この辺りのKahoちゃんの金銀の動きは、大山十五世名人のそれを見るようだった。
私は指す手がなくなって△8七竜と歩を補充したが、▲8二飛と下ろされて非勢だ。
私は△7六竜~△7九竜と奇妙な動きだが、Kahoちゃんに▲4四香から▲5六桂と打たれて、筋に入ってしまった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/ff/a2829dfde9692aa5b7c71f7b2e9385c3.png)
第3図以下の指し手。△5三金寄▲4三銀△同銀▲同歩成△同金寄▲4四歩△5三金寄▲4三銀△同金寄▲同歩成△同金▲4四歩△4二金▲4三金(投了図)
まで、Kahoちゃんの勝ち。
寄せは駒をはがすことなり。Kahoちゃんは▲4四歩を拠点に、どんどん駒をはがしてゆく。3度目の▲4四歩を打たれて、「まだ歩があんのかよ」と嘆いたら、Kahoちゃんがクスッと笑った。こうなってはもうダメである。▲4三金まで投了した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/b5/a1391d7dafca40a597e6a855ead8d5e1.png)
感想戦。Kahoちゃんは第1図から▲5五歩△同歩▲同飛の時に、△6九角を気にしたらしい。ここで△6九角か! 以下▲8八金△4七角成▲同金でこれはこれでむずかしい将棋だが、Kahoちゃんはいい着眼点を持っていると思った。
感想戦ではやらなかったが、第2図でも△6九角でよかった。▲6八金△4七角成▲同金△4九飛で、いままで出た変化と似た形になるが、後手有望だと思う。
本譜△4五歩はキズを作った大悪手。以下は勝負所がなかった。とにかく大局観がにぶった一局。
(つづく)