一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

ある話

2018-08-04 01:48:31 | 将棋雑記
第59期王位戦第3局は、1日、2日に北海道札幌市で行われた。現地解説は野月浩貴八段、聞き手は渡部愛女流王位。
とふつうに書いたが、日本将棋連盟主催の棋戦で、LPSAの女流棋士が聞き手に招ばれるとは稀有なことである。もっとも渡部女流王位は女流王位を持っているし、北海道帯広市の出身。札幌にも縁が深いし、招ばれて当然のところはある。がそれにしたって、米長邦雄元会長が存命だったら、この人選にはならなかっただろう。
LPSAは9月16日(日)にも、日本将棋連盟棋士とアマチュア強豪を迎えてペアマッチ選手権を行う。これもまた、米長元会長の存命時には、考えられなかったことである。
とはいえここに至るまで、中倉宏美代表理事をはじめ、LPSA女流棋士の粘り強く真摯な活動があったことは確かだ。
そして何より、佐藤康光日本将棋連盟会長の懐の深さに、私は感嘆するのである。「将棋世界」最新号でも、現役を引退した蛸島彰子女流六段の記事が8ページに渡って掲載されていた。他団体所属の女流棋士にここまでページを割くとは、かなりの英断といえる。佐藤会長は私の想像以上に、人心掌握術に長けているかもしれない。

ここで話を変えるが、LPSAが女流棋士会から独立した時、LPSAがそれまで通り女流棋戦に参加するのはおかしい、自社棋戦を作ってやりくりしろ、という声がネットに上がった。そしてそれはLPSAを攻撃する代表的文言として、今も時々聞かれることである。
だが私が当初聞いた話はちょっと違う。
女流棋士会の独立騒動の時、「女流棋士会は日本将棋連盟から独立しないと、女流棋戦は指させない」という話があった、というのだ。つまり巷間言われていることとは、真逆の話である。
それで女流棋士会の一部がそれに従い、LPSAを設立したというわけだが、この話をどう見るか。
これについてLPSAは声明を出さないし、当事者の中には亡くなっている方もいるので、真相は藪の中だ。でも私はかなり、信憑性があると思っている。
ただ上記の通り、現在は日本将棋連盟と女流棋士会、そしてLPSAの三者がうまく機能している。LPSAの高齢化問題はあるが、いずれ新人も入るだろう。このままの体制で、穏やかに進むのがベストと思う。
コメント (2)
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