山口県周防大島町で12日に行方不明になった2歳児を、大分県在住の78歳のボランティア氏が3日後に発見したことは、大きな話題になった。
この発見直後、警察関係者が2歳児を渡すよう要求したが、78歳氏は頑として拒否、自らの手でご両親に引き渡したという。
78歳氏は山に入って20分で見つけたというから驚きだ。それまで警察や消防が150人態勢で探していたのに空振りだったから、よけいその思いを強くする。つまり警察のメンツは、丸つぶれになったわけである。
私などは性格がひねくれているから、2歳児を渡せという警察の要求も、別の意味に思えてくる。すなわち、普通は78歳の老体を慮って子供を保護したかった、と考えるが、本心は、2歳児を両親に渡すという感動的場面に、警察が一枚噛みたかったのでは、という見方をしてしまうのだ。
そしてあわよくば、警察の手柄に見せようと画策したのでは、とまで邪推してしまうのだ。
実際は川原さぶそっくりの78歳氏がぶっとんだキャラでそれを阻止したわけだが、もし内気な性格の人だったら、手柄ごとそっくり譲っていたかもしれないのだ。
これは突飛な発想ではない。むかしこのブログに書いたことだが、大昔ウチの近所で、ある家の息子が包丁で母親を刺す、という傷害事件があった。
男は逃げ出し、騒ぎを聞きつけたオフクロが表に出ると、その男がちょうど家の前にいた。オフクロは彼と知り合いだったので、「ちょっとアンタ何やってるの!」と、彼から包丁を取り上げた。
警察が駆けつけたが、「犯人」はすでにウチで保護している。
「奥さん、アンタが包丁を取り上げたの!」
と警察は目を白黒させた。
だがそれでは警察の立場がないから、警察のひとりがオフクロに向かって、
「奥さん、奥さんが犯人を捕まえたことはこれで……」
と、口の上に指を1本立てた。つまり、なかったことにしてくれ、という意味だった。犯人は警察が捕まえたことになったのだ。
これでオフクロは今回の事件の登場人物から消えたので、感謝状の類も出なかった(後にもらったらしいが)。
つまり警察とはそういうところで、素人の介入を強く拒絶するのだ。警察は、自分の手柄を立てたいのだ。
今、月曜夜9時からフジテレビで「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」が放映されている。これは、ITの力で殺人を犯しそうな対象者をあらかじめマークし、殺人を犯す前に確保する、という画期的な番組だ。
だけど現実の世界では、このようなシステムが出来上がっても、警察は絶対に採用しないと思う。だって殺人事件を未然に防いでも、何の手柄にもならないからだ。殺人事件を起こしてもらって、その犯人を逮捕したほうが、点数が上がるからだ。
だからストーカー被害の相談に行ったって、警察が本腰を入れるわけがない。むしろ相談者が殺されたほうが、その犯人を捕まえて点数になるから、そっちのほうが都合がいいのだ。
最近の実例を挙げよう。同じ12日に、大阪の富田林署から容疑者が逃走したが、警察が地元の住民に知らせたのは、逃走から9時間後の13日朝だったという。
9時間、といったら相当な時間である。この間、脱走した男が逆上して、一般人を手に掛けたらどうなっていたか――。
だけど警察は、そんなことおかまいなしなのである。市民の安全より、己の保身のほうが大事なのだ。
できれば朝までに容疑者を発見し、さらに可能ならば、失態そのものを隠蔽したかった――。
まったく、横山秀夫か今野敏の小説を読んでいるようではないか。
私はいつも言っている。警察は信用できないと。自分の身は自分で守る。これしかないのだ。
なんだか変な結論になってしまったが。
この発見直後、警察関係者が2歳児を渡すよう要求したが、78歳氏は頑として拒否、自らの手でご両親に引き渡したという。
78歳氏は山に入って20分で見つけたというから驚きだ。それまで警察や消防が150人態勢で探していたのに空振りだったから、よけいその思いを強くする。つまり警察のメンツは、丸つぶれになったわけである。
私などは性格がひねくれているから、2歳児を渡せという警察の要求も、別の意味に思えてくる。すなわち、普通は78歳の老体を慮って子供を保護したかった、と考えるが、本心は、2歳児を両親に渡すという感動的場面に、警察が一枚噛みたかったのでは、という見方をしてしまうのだ。
そしてあわよくば、警察の手柄に見せようと画策したのでは、とまで邪推してしまうのだ。
実際は川原さぶそっくりの78歳氏がぶっとんだキャラでそれを阻止したわけだが、もし内気な性格の人だったら、手柄ごとそっくり譲っていたかもしれないのだ。
これは突飛な発想ではない。むかしこのブログに書いたことだが、大昔ウチの近所で、ある家の息子が包丁で母親を刺す、という傷害事件があった。
男は逃げ出し、騒ぎを聞きつけたオフクロが表に出ると、その男がちょうど家の前にいた。オフクロは彼と知り合いだったので、「ちょっとアンタ何やってるの!」と、彼から包丁を取り上げた。
警察が駆けつけたが、「犯人」はすでにウチで保護している。
「奥さん、アンタが包丁を取り上げたの!」
と警察は目を白黒させた。
だがそれでは警察の立場がないから、警察のひとりがオフクロに向かって、
「奥さん、奥さんが犯人を捕まえたことはこれで……」
と、口の上に指を1本立てた。つまり、なかったことにしてくれ、という意味だった。犯人は警察が捕まえたことになったのだ。
これでオフクロは今回の事件の登場人物から消えたので、感謝状の類も出なかった(後にもらったらしいが)。
つまり警察とはそういうところで、素人の介入を強く拒絶するのだ。警察は、自分の手柄を立てたいのだ。
今、月曜夜9時からフジテレビで「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」が放映されている。これは、ITの力で殺人を犯しそうな対象者をあらかじめマークし、殺人を犯す前に確保する、という画期的な番組だ。
だけど現実の世界では、このようなシステムが出来上がっても、警察は絶対に採用しないと思う。だって殺人事件を未然に防いでも、何の手柄にもならないからだ。殺人事件を起こしてもらって、その犯人を逮捕したほうが、点数が上がるからだ。
だからストーカー被害の相談に行ったって、警察が本腰を入れるわけがない。むしろ相談者が殺されたほうが、その犯人を捕まえて点数になるから、そっちのほうが都合がいいのだ。
最近の実例を挙げよう。同じ12日に、大阪の富田林署から容疑者が逃走したが、警察が地元の住民に知らせたのは、逃走から9時間後の13日朝だったという。
9時間、といったら相当な時間である。この間、脱走した男が逆上して、一般人を手に掛けたらどうなっていたか――。
だけど警察は、そんなことおかまいなしなのである。市民の安全より、己の保身のほうが大事なのだ。
できれば朝までに容疑者を発見し、さらに可能ならば、失態そのものを隠蔽したかった――。
まったく、横山秀夫か今野敏の小説を読んでいるようではないか。
私はいつも言っている。警察は信用できないと。自分の身は自分で守る。これしかないのだ。
なんだか変な結論になってしまったが。