一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2018年G.W.旅行・1

2018-08-05 00:06:29 | 旅行記・G.W.編
今年もゴールデンウィークがやってきた。無職の私は旅行をできる身分ではないのだがそこはそれ、やっぱり博多に行きたくなり、行くことにした。
今回も旅行の期日に縛られないが、4月末に世田谷花みず木女流オープンやシモキタ名人戦を観てしまったため、今年も5月2日(水)の出発とした。帰りは未定だが、7日(月)を予定した。長く旅行をしても宿泊費はかかるわけで、適当なところで帰らなければならない。
1日(火)、最寄り駅のみどりの窓口で博多までの普通乗車券と、岡山までの新幹線特急券を購入した。そして翌2日朝、適当に着替えを詰めて、家を出た。
行きは09時10分発・東海道・山陽新幹線のぞみ19号である。新幹線は貴族の乗り物だから私には縁がないが、たまには背伸びをして利用しなければならない時がある。
山手線に乗り、東京乗り換え。新幹線ホームに着くと19号は入線していたが、まだ清掃中のようだった。車両はもちろん、N700系である。
ドアが開き、車内に入る。私は5号車の10D。つまり2人席の通路側ということだ。
だが私の右に乗客がないまま、新幹線は定刻に出発した。
今日の天気は曇り。しかし西日本に行くにつれ天気は悪くなる、とのことだった。
新幹線は高架を走るから車窓の景色は悪くないのだが、線路脇に覆いがあるのと、私が陸側に座っているため、太平洋が眺められないうらみがあった。
新幹線は品川、小田原で停車し、静岡を飛ばして名古屋に到着した。しかしここまで、右の席の乗客はなし。
といって、私が右に移ることはできない。私はその席を購入していないからだ。
以前私が北海道を旅行した時、私が特急列車の指定席を取っていたにも関わらず、先着していた客がいた。それも2回あった。同じ旅行でである。1回はババア、1回はアジア系の外国人だったが、彼らは複数で旅行していたのに並びの席を取れなかったので、私が座る前に先着して、替わってもらうハラだった。
とはいえ自分の席に人がいる、というのは不愉快なものだ。加藤一二三九段に上座を取られた谷川浩司名人の心境である。
むろん替わってやったが、どちらの日も一日中、胸クソが悪かった。

11時40分、新幹線は新大阪に着いた。昨年はここで在来線に乗り換え、三ノ宮で食事を摂り、姫路城を見学したのだ。
しかし今年は先を急ぐ。
今年はとりあえず岡山下車予定だが、見るべきところは岡山城か後楽園くらいのものだろう。それで思ったのだが、倉敷の近くはジーンズで有名ではなかったか? ジーンズ専門店がひしめきあっている、と見聞きしたことがある。
現在私が愛用しているジーンズは股ズレがひどく、早晩買い替えを迫られている。現地でこれを買おうと思った。
スマホでいろいろ調べると、そのジーンズストリートは児島にあった。児島はざっくりいえば瀬戸内海側にあり、瀬戸大橋線の出入口である。私は博多へのルートを逸脱してまでジーンズを買いたくないので戸惑ったが、よく調べると、岡山駅近くに「桃太郎ジーンズ」の岡山駅店があった。岡山ではこのメーカーが有名らしい。駅の近くなら列車の待ち時間にでも寄れるので、これは好都合だった。

新神戸着。ここでついに、私の右に客が座った。しかしここまで東京からの距離がありすぎるので、誰かがどこかの区間をキャンセルしたはずだ。
乗客は女性で、雰囲気はハデハデだった。彼女はセカンドバッグを自身と私の肘掛けの下に挟み、大荷物を前の座席下に潜りこませ、その上に右脚を乗せた。はっきり見てはいないが、太ももが露わになった。何だこの女性は……。
女性は前のテーブルを倒すと、書き物を始めた。まるでここがオフィスの一角のようだった。何だか私が邪魔な存在に思えたが、彼女がどんなに偉かろうと、車内では平等である。
しかしセカンドバッグが腰に当たる……。
もっともそれも、今少しの辛抱だ。12時27分、新幹線は岡山に着いた。私は彼女の動向も気になったが、もちろん降りる。
私の岡山駅下車は意外に珍しい。学生時代に1回、社会人時代に2回、は記憶があるが、その他にあったかどうか。ちなみに前者は岡山城と後楽園見学、後者2回目は岡山市電の乗り潰しだった。
主要駅で降りたら、観光案内所をあたるのがよい。係の人から主な見どころ、食事処を教えてもらえる上、詳細なマップももらえる。慣れてくると、ガイドブックは携行せずに済む。
岡山駅前の地下にも「ももたろう観光センター」なるものがあった。入室してこちらの予定観光地を述べると、係の人が時計回りのルートを指南してくれた。ありがたいことである。

地上に出ると、ポツポツ雨が降ってきた。私は雨男だからこれは想定内である。
まずは旅行貯金である。駅前に大きな郵便局があった。「岡山駅前郵便局」502円。あとは7日まで、貯金をすることはない。
さて、食事である。エキナカにオシャレな店はあるのだろうが、それでは味気ない。駅の周りをいろいろあたったが、アーケード街の中に、味わい深い店があった。「ことぶき」。いわゆる大衆食堂で、この店に入った。
席に座って一息つくと、リュックサックのジッパーが開いたままだった。このままふらふら歩いていたら財布を落としていたかもしれず、危ないところだった。
焼飯(530円)を注文した。通路を挟んだ反対側には、齢70オーバーのおばあちゃんが2人座っている。常連のようだ。
「…いじめられとったらしい。それが堪えられんかったのじゃろう」
4月8日に松山刑務所を脱獄した受刑者が、30日に広島市内で確保された。その話題である。
「あたしも逃げとるわ」
同じイジメに遭っていたなら、ということであろう。
焼飯がきた。これにつきもののスープはなかったが、焼飯自体は美味い。
2人の会話は時事性があってなかなか面白く、私は焼飯をほおばりながら、聞き耳を立ててしまう。
「山口クン46歳にもなってなあ」
「離婚したからやっぱり…子供がかわいそうやなあ」
今度はTOKIOの話か。脱獄犯から芸能界の最新ニュースまで、このおばあさんの守備範囲は広い。
もっと聞いていたかったが、私は焼飯を平らげてしまった。ファミレスではないのでもう長居はできず、私は断腸の思いで席を立った。
さあ、いよいよ観光である。
(つづく)
コメント
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