一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

夏休みの愛(中編)

2018-08-17 00:11:27 | 女流棋士の指導対局会

第3図以下の指し手。▲2三歩成△3七歩成▲2二と△5四金(途中2図)

▲2三飛成△8八角成▲同玉△4八と▲同金△6五金▲4三角△5五角▲7八玉△8八銀(第4図)

大野八一雄七段はこの時間、オプションの指導対局がないようで、みなの将棋を観戦している。
第3図では▲2五桂が予定だったが、読み直すと△2四飛▲3三桂成△2八飛成▲4四角△3七歩成▲5七銀△4七とで下手が負ける。
この筋が成立しないと▲2五歩の構想が疑問になるが、代替の▲2三歩成もなかなかの手だ。
▲2二とには△2八との一手と読み、そこで▲3二とでどうか、と考えていたら、飯野愛女流初段は△5四金! 1秒も考えてない手で、唸った。
これには▲3三角成△同桂▲3七銀で駒得なのだが、左桂を捌かせるのが気にいらない。それに△5五角の後手を引くし、考えているうち自信がなくなってきた。
それで▲2三飛成と飛車取りを避けたのだが、飯野女流初段に△8八角成~△4八ととされてみると、飛車と銀桂の二枚換えの上、彼我の玉形に差がありすぎて、下手難局なのに愕然とした。
しかも次に△1四角がある、と思ったら飯野女流初段は△6五金。実に味のいい活用で、前局もこの類の手が出てきた。これがプロの手だと感心した。
私は▲4三角と両金に狙いをつけるが、飯野女流初段は△5五角。いやこの王手が厳しい。さっき手順に△8八角成とさせ、玉が一路横にズレたのでよしと思ったが、完全に裏目に出た恰好だ。
これにA▲6六銀では△同金▲同歩△同角が王手金取り。またB▲7七銀には△8五桂だ。私は目をつぶって▲7八玉だが、飯野女流初段は香には目もくれず△8八銀。
これは負けたと思った。

第4図以下の指し手。▲6六銀△同金▲同歩△8九銀不成▲6七玉△6五歩▲同角成△6四銀▲5四馬△5三歩▲4五馬△3三桂▲3四馬△6五歩(第5図)

第4図は△7七銀打以下の詰めろ。それを防ぐには▲6八金か▲6八玉だが、△5六桂がある。もう投了しようと思ったのだが、60数手で投げたんじゃ飯野女流初段に申し訳ない。もう一手だけと、▲6六銀と受けた。
当然の△6六同金▲同歩に、△同角は▲5七金打と受けるしかないが、ここに金を使うようでは下手が勝てないと思った。
だが飯野女流初段は△6六同角に代えて△8九銀不成。これは▲6七玉と逃げて、やや小康を保った感がある。
飯野女流初段は、まあいいか、という感じで△6五歩。私はよろこんで▲同角成と取り、上手は以下もしつこく馬取りにくるが、私は角銀の周りをまとわりついて離れない。
よく分からないが、この展開ならもう少し頑張れると思った。
しかし▲4五馬に△3三桂が幸便で、この桂を跳ばせたのはマズかった。
飯野女流初段は再び△6五歩。対する次の手がどうだったか。

第5図以下の指し手。▲5八玉△6六歩▲3二竜△5二桂▲6二歩△5一金▲2一竜(途中3図)

△6二金▲8九馬△4七歩(第6図)

私は戦場から遠ざかる▲5八玉。これが3四馬による8九銀取りにもなって一石二鳥と考えたのだが、冴えなかったか。仮に△5六桂と打たれてもアタリが強くなっていて、やはり自信がなかった。
飯野女流初段はじっと△6六歩。これもプロの手だと思った。
私は▲3二竜と、プチ反撃。飯野女流初段は△5二桂と受けたが、これに▲同馬とはまだ行けない。
それで、▲6二歩と打った。対して△6二同金でも私は手段がなかったが、飯野女流初段は△5一金。これもさすがの金寄りで、さっきから私は唸ってばかりだ。
このあたりでTok氏の将棋が終わり、Tok氏の勝ち。見事な内容だったようだ。
小学生低学年の将棋はいいとして、中学生の将棋は中学生が優勢に進めているように見えた。
左の成人氏はいつものようにため息が激しいが、うまく指しているようだ。右の成人氏は、竜の活用が今一つで、劣勢である。
右の成人氏の将棋が終わり、飯野女流初段の勝ち。下手にも勝ち筋があったようだが、正着を続けられなかった。
私は▲2一竜。これには△4一歩と遮断され、一手の価値がないと思ったのだが、指してしまった。
ところが飯野女流初段は△4一歩と打ちかけ、△6二金と上がった。私は▲8九銀と馬を取り、これが▲7一銀の先手。これはさすがに良くなったと思った。
そういえば前局も飯野女流初段は、普通に指せばこちらが劣勢なのに、弱気な手を指して形勢を悪くしたことがあった。それがわざとか否かは、分からない。
飯野女流初段は△4七歩。次の手をノータイムで指したのはマズかった。

(つづく)
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