私はカップを捨てに待合室へ戻ると見せかけて、そのまま裏からバスターミナルを出た。つまり乗車拒否である。
運転手は私が戻ってくるものと思いしばらく待つかもしれないが、そんなものは知らん。この便には縁がなかった。
10分くらいして戻ると、もちろんバスは出ていた。待合室に入りあらためて鹿児島中央行きを調べると、直行便はさっきのが最終だった。これはちょっとした誤算である。
私は今宵の宿は取ってないし、明日は指宿の砂むし温泉に入るので、指宿に泊まれれば都合はよい。しかし指宿に適当なビジネスホテルはないし、この歳でユースホステルに泊まるのも面倒だ(そのくせ毎年、会員を自動更新しているが)。
よってネットカフェがある鹿児島中央に戻るしかないのだが、枕崎からJRを使うにもお金がかかる。出費を最小限に抑えるには、伊集院方面のバスに乗るよりなかった。
18時45分発の伊集院行きに乗った。何とこれも最終である。タイム1時間で伊集院に着き、鹿児島本線に乗り換える。まさか今日、JRを使うとは思わなかった。鹿児島中央までは370円で、つまらぬ意地を張ったために、いらぬ出費になってしまった。
20時17分、鹿児島中央着。私は隣接のビックカメラに寄ったあと、さんざん道に迷いつつ天文館まで歩き、サイバック天文館店に入店した。
フラットブースは空いており、ナイト12時間パックをお願いした。
しばらく休んだあと、表に食事に出る。なお外出の際は、保証金を置いて行くシステムである。
どこで食事にするか迷ったが、近くのすき家で、牛丼をかっ食らった。私の食事は、結局こうなるのだ。
戻ってネットを見る、西鉄高速バスのHPは、「WEB割」と称して、天神-鹿児島間の料金が2,900円になっていた。
前日までの予約、便変更不可などいくつかくくりはあるが、昼便の定価は5,000円だから、ずいぶん安い。席数限定なのかどうか知らぬが、こうした優遇チケットはもっと広く告知してほしいものだ。
ただ私の方も、いま調べるなら前日に調べとけよ、という話である。いかがわしいビデオを観ている場合ではなかった。
シャワーを浴びると、脳天が痛く、触るとタンコブができていた。昼、高速バス車内の網棚にぶつけた時のものだ。いまさらながら不愉快である。今回は両足の爪もダメージを受けるし、もはや満身創痍だ。
すっかり夜更かしして就寝、というところで、ブース内の異変に気付いた。
何と、ブースの奥に向かって、マットがせり上がっていたのだ。なんでこんな不自然に盛り上がっている?
体を横にすると、ヒザ下あたりから角度がついて、うまく寝られない。寝返りも打てない。えー、こんな内装は初めてである。
しばらくごちゃごちゃやったが、改善される類のものではない。さすがに頭に来て、スタッフを呼んで文句を言った。
「かくかくしかじか」
「ああこれは、下にコードの配線が隠れているのです」
「いやそういう問題じゃないんだ。この角度はまずいでしょ。横になれないでしょ。ヒザの部分から上に反り返って、ほら。いままでほかのお客さんから文句は出なかった?」
「そういったクレームは来たことがありません」
ハアー!? お前の店は、クレームがなかったからほっといたのか!!
サイバックはこういうところがあるのだ。かつては天神店でも、換気のダストが直接ブースに入るのに、それを1年以上、放置したままだった。
今回の件だって、この不備は設置の際に分かっていたことだろう。それをそのまま放置していた責任者に問題がある。お前ら、これで文句が出ないと思ったのか? バカか?
よろしい。それなら、私がクレーム第1号者として、この不備を世界に知らしめてやろう。
No.64ブース、忘れないよ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/6e/86bfdce16237c6d21775ca9f61045b21.jpg)
(右下から伸びる線を直線にすると、途中から角度が変わっていることが分かる)
6日(月・振)。昨夜はあれから、16番ブースに替えてもらった。当然床は全面フラットで、気持ちよく睡眠できた。
今日はとりあえず、指宿に向かう。ネットカフェ近くのバス停から、バスを利用する。歩いていけば直線距離ですぐだが、SUN Qパスを使わなければならない。
鹿児島中央駅までバスに乗り、砂むし会館前方面行きに乗り換えた。乗客はパラパラである。
タイム1時間42分で、砂むし会館前に着いた。JRなら駅前から歩かねばならないが、バスは施設のすぐ前まで運んでくれる。
「砂楽」で1,080円を払い砂場に向かう。この時間でも、けっこうな人が埋まっていた。
私の番が来て、所定の位置にあおむけなり、砂をかけてもらう。……うん?
背中の、砂が……冷たい。今日はまだ曇天である。しかし砂むしは地熱を利用しているから天候は関係ない。とすればたまたま砂の冷たいところにあたったのかもしれないが、これでは汗をかけないところである。
といって私の性格では、場所を替えてくれとは言えない。前夜のブース変更とはちょっと意味合いが異なるのである。
結局15分くらいして砂場から出たが、ほとんど汗をかいていなかった。やっぱり、今年の旅行は何かが違う。
ちょっと早いが、昼食にしよう。行きつけの中華料理屋「紅龍」はもう開いていた。
私はいつもの「揚げやきそば」(760円)をオーダーする。お品書きには「5月6日までのメニューとさせて頂きます」とあるが、価格改定でもするのだろうか。でもそれなら、そういう書き方をするだろう。よく分からん。
揚げやきそばは、いつもの味で、美味かった。
指宿駅前には徒歩で着いた。ここからJRで枕崎に行き、「歩揺」に行ってもいいが、いまさら私が訪ねたところで、先方には迷惑なだけだろう。
とりあえず鹿児島中央方面に戻り、桜島に渡ろうと思う。桜島フェリーもSUN Qパスは無料で乗れるからだ。
バスは12時18分というのがあった。定刻を2分遅れて指宿を出発。14時近く、金生町で降りた。ここから徒歩圏内で、鹿児島港があるのだ。
大通りに出ると、彼方に桜島が見えた。今日ももくもくと噴煙を上げている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/49/ae20af615d70d13f488228207ff97568.jpg)
その時、かなり催してきた。朝に済ましたのに、砂むし風呂で内臓が活発になり、宿便が活気づいたのかもしれない。
ちょうど鹿児島県のアンテナショップみたいなところがあり、そこでトイレを借りた。
御礼、というわけではないが、「げたんは」(194円)というお菓子を買った。鹿児島の郷土菓子らしいのだが、初めて知った。
何とか鹿児島港へ着いた。鹿児島港-桜島港は、あまり知られていないが、24時間運航である。次の便は14時45分だ。
私の乗ったフェリーは、「第十六櫻島丸」だった。二等客室には、意外に乗客がいた。
「げたんは」は、その名の通り下駄の歯の形をしていて、黒糖味だった。これは万人に受ける味である。
タイム15分で、桜島港に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/bb/bfdfdf3415dff05e5a1070496d4b6614.jpg)
(つづく)
運転手は私が戻ってくるものと思いしばらく待つかもしれないが、そんなものは知らん。この便には縁がなかった。
10分くらいして戻ると、もちろんバスは出ていた。待合室に入りあらためて鹿児島中央行きを調べると、直行便はさっきのが最終だった。これはちょっとした誤算である。
私は今宵の宿は取ってないし、明日は指宿の砂むし温泉に入るので、指宿に泊まれれば都合はよい。しかし指宿に適当なビジネスホテルはないし、この歳でユースホステルに泊まるのも面倒だ(そのくせ毎年、会員を自動更新しているが)。
よってネットカフェがある鹿児島中央に戻るしかないのだが、枕崎からJRを使うにもお金がかかる。出費を最小限に抑えるには、伊集院方面のバスに乗るよりなかった。
18時45分発の伊集院行きに乗った。何とこれも最終である。タイム1時間で伊集院に着き、鹿児島本線に乗り換える。まさか今日、JRを使うとは思わなかった。鹿児島中央までは370円で、つまらぬ意地を張ったために、いらぬ出費になってしまった。
20時17分、鹿児島中央着。私は隣接のビックカメラに寄ったあと、さんざん道に迷いつつ天文館まで歩き、サイバック天文館店に入店した。
フラットブースは空いており、ナイト12時間パックをお願いした。
しばらく休んだあと、表に食事に出る。なお外出の際は、保証金を置いて行くシステムである。
どこで食事にするか迷ったが、近くのすき家で、牛丼をかっ食らった。私の食事は、結局こうなるのだ。
戻ってネットを見る、西鉄高速バスのHPは、「WEB割」と称して、天神-鹿児島間の料金が2,900円になっていた。
前日までの予約、便変更不可などいくつかくくりはあるが、昼便の定価は5,000円だから、ずいぶん安い。席数限定なのかどうか知らぬが、こうした優遇チケットはもっと広く告知してほしいものだ。
ただ私の方も、いま調べるなら前日に調べとけよ、という話である。いかがわしいビデオを観ている場合ではなかった。
シャワーを浴びると、脳天が痛く、触るとタンコブができていた。昼、高速バス車内の網棚にぶつけた時のものだ。いまさらながら不愉快である。今回は両足の爪もダメージを受けるし、もはや満身創痍だ。
すっかり夜更かしして就寝、というところで、ブース内の異変に気付いた。
何と、ブースの奥に向かって、マットがせり上がっていたのだ。なんでこんな不自然に盛り上がっている?
体を横にすると、ヒザ下あたりから角度がついて、うまく寝られない。寝返りも打てない。えー、こんな内装は初めてである。
しばらくごちゃごちゃやったが、改善される類のものではない。さすがに頭に来て、スタッフを呼んで文句を言った。
「かくかくしかじか」
「ああこれは、下にコードの配線が隠れているのです」
「いやそういう問題じゃないんだ。この角度はまずいでしょ。横になれないでしょ。ヒザの部分から上に反り返って、ほら。いままでほかのお客さんから文句は出なかった?」
「そういったクレームは来たことがありません」
ハアー!? お前の店は、クレームがなかったからほっといたのか!!
サイバックはこういうところがあるのだ。かつては天神店でも、換気のダストが直接ブースに入るのに、それを1年以上、放置したままだった。
今回の件だって、この不備は設置の際に分かっていたことだろう。それをそのまま放置していた責任者に問題がある。お前ら、これで文句が出ないと思ったのか? バカか?
よろしい。それなら、私がクレーム第1号者として、この不備を世界に知らしめてやろう。
No.64ブース、忘れないよ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/6e/86bfdce16237c6d21775ca9f61045b21.jpg)
(右下から伸びる線を直線にすると、途中から角度が変わっていることが分かる)
6日(月・振)。昨夜はあれから、16番ブースに替えてもらった。当然床は全面フラットで、気持ちよく睡眠できた。
今日はとりあえず、指宿に向かう。ネットカフェ近くのバス停から、バスを利用する。歩いていけば直線距離ですぐだが、SUN Qパスを使わなければならない。
鹿児島中央駅までバスに乗り、砂むし会館前方面行きに乗り換えた。乗客はパラパラである。
タイム1時間42分で、砂むし会館前に着いた。JRなら駅前から歩かねばならないが、バスは施設のすぐ前まで運んでくれる。
「砂楽」で1,080円を払い砂場に向かう。この時間でも、けっこうな人が埋まっていた。
私の番が来て、所定の位置にあおむけなり、砂をかけてもらう。……うん?
背中の、砂が……冷たい。今日はまだ曇天である。しかし砂むしは地熱を利用しているから天候は関係ない。とすればたまたま砂の冷たいところにあたったのかもしれないが、これでは汗をかけないところである。
といって私の性格では、場所を替えてくれとは言えない。前夜のブース変更とはちょっと意味合いが異なるのである。
結局15分くらいして砂場から出たが、ほとんど汗をかいていなかった。やっぱり、今年の旅行は何かが違う。
ちょっと早いが、昼食にしよう。行きつけの中華料理屋「紅龍」はもう開いていた。
私はいつもの「揚げやきそば」(760円)をオーダーする。お品書きには「5月6日までのメニューとさせて頂きます」とあるが、価格改定でもするのだろうか。でもそれなら、そういう書き方をするだろう。よく分からん。
揚げやきそばは、いつもの味で、美味かった。
指宿駅前には徒歩で着いた。ここからJRで枕崎に行き、「歩揺」に行ってもいいが、いまさら私が訪ねたところで、先方には迷惑なだけだろう。
とりあえず鹿児島中央方面に戻り、桜島に渡ろうと思う。桜島フェリーもSUN Qパスは無料で乗れるからだ。
バスは12時18分というのがあった。定刻を2分遅れて指宿を出発。14時近く、金生町で降りた。ここから徒歩圏内で、鹿児島港があるのだ。
大通りに出ると、彼方に桜島が見えた。今日ももくもくと噴煙を上げている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/49/ae20af615d70d13f488228207ff97568.jpg)
その時、かなり催してきた。朝に済ましたのに、砂むし風呂で内臓が活発になり、宿便が活気づいたのかもしれない。
ちょうど鹿児島県のアンテナショップみたいなところがあり、そこでトイレを借りた。
御礼、というわけではないが、「げたんは」(194円)というお菓子を買った。鹿児島の郷土菓子らしいのだが、初めて知った。
何とか鹿児島港へ着いた。鹿児島港-桜島港は、あまり知られていないが、24時間運航である。次の便は14時45分だ。
私の乗ったフェリーは、「第十六櫻島丸」だった。二等客室には、意外に乗客がいた。
「げたんは」は、その名の通り下駄の歯の形をしていて、黒糖味だった。これは万人に受ける味である。
タイム15分で、桜島港に着いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/bb/bfdfdf3415dff05e5a1070496d4b6614.jpg)
(つづく)