翌7日(火)朝。今回の旅行もいよいよ最終日である。今日は急いて帰京しなくてもいいのだがそこはそれ、世間様が仕事をしている時に、いつまでもプラプラしているわけにはいかない。2月の北海道雪まつりも昨年末のあんでるせんも、その理由でいつも通りの日程になってしまったのだ。
ちなみに昨晩はのんびり過ごした。期待の有料ビデオだが、東横INNは創業者が女性だからかソフトなものが多く、夢中で観るコンテンツはない。これは今後の課題であろう。
さて帰りの飛行機だが、7日になれば便は選び放題である。私はマイルが若干たまっているのだが、7日も無料航空券に引き換えられるのか、それは片道だと何マイルを要するのか……などいろいろ考えたら面倒くさくなって、株主優待券を使うことにした。
こちらは料金の半額だから考えやすい。本日20時10分宮崎空港発のANA618 便を予約し、カード決算も行った。19,840円。これで今回の旅行で、予約するものはすべて終わった。
さて、朝食である。東横INNは無料で朝食が付いている。1階に摂りに行くといつものバイキング方式で、たらふく食べてしまった。しかしこれで、豊吉うどんを食べられなくなってしまった。ここはまたの機会とする。
本日はこれから、鵜戸神宮にお参りに行こうと思う。昨年は志布志から日南線に乗り、車内で行程を検討したのだが、バスのダイヤがよく分からず、断念した。今回は宮崎駅から出発するから大丈夫である。
ホテルをチェックアウトし、駅前09時40分発の宮崎交通バスに乗った。
バスは海岸沿いや山沿いと、景観豊かな場所を走る。今日は2日ぶりの快晴で、またいっぱい汗をかきそうだ。
11時13分、鵜戸神宮バス停に着いた。広い駐車場のようなところである。昨年の調べでは、鵜戸神宮は崖っ淵にあり、ここからは徒歩となる。
朽ちかけた建物の壁に、「宮崎のみやげに 鵜戸神宮参拝記念 オリジナルテレホンカード」と、ボードが打ちつけてあった。ここもかつては繁盛していたのであろう。栄枯盛衰である。
数十段ある階段を登り切ると、右手にジュースの自販機があった。「Sparkling日向夏」が美味そうだが、全部売り切れである。
鵜戸崎隧道(トンネル)があり、その中は風が強かった。
隧道を出るとその先は太平洋である。必然的に左に折れると、朱塗りの神門があった。そこを抜けると、今度は一回り大きい楼門。これも鮮やかな朱色である。
くぐってしばらく歩き、再び崖に出ると、左手階段下が本殿となる。いわゆる「下がり宮」で、神社では珍しいようだ。
参道を歩き玉橋を渡り、急な階段を下ると、岩窟内に社殿があった。入るとちょっとひんやりして、それが妙に心地いい。
私は本殿にお賽銭を投じ、隣接の社務所で御朱印をいただく。昨今のブームに乗っているようで抵抗があるが、やむを得ない。
おちちあめ、なるものが300円で売られている。豊玉姫が海に帰る際、乳房を置いて行った?のが岩になり、そこから湧き出た水を飲むと健康になると言われているらしい。妊婦さんや子育て中のお母さんには、さらに効果大だ。
日本人はこうした伝承に弱い。300円は商売のニオイがして購入をためらうが、結局買ってしまった。どうもうまく乗せられた気がする。
「運玉」があった。崖下の岩にある窪みに入れば御利益がある、というよくあるヤツだ。窪みの周りはしめ縄で囲われていて、その中の岩部分に当たるだけでもいいらしい。5個100円。これは私も試してみよう。
運玉は黄土色で、「運」の文字が彫られている。男性は左腕で、女性は右腕で投げる。
私の1投目は、勝手が分からず、外れた。2投目も外れたが。窪みに近づいた感じだ。3投目。あれ? 今のは窪み近くの岩に当たったんじゃないか?
4投目は外したが、5投目は……これも窪み内の岩に当たった気がした。いつの間にか傍で見ていたあんちゃんが「オオーッ、さすが!!」と叫んだが、どうなのだろう。
観光客は、いつの間にか多くなっている。しかしコゴールデン・ウィーク明けということもあり、混雑、というほどではない。私はこの辺で、失礼しようと思う。
帰り道、おちち湯が売られていた。「冷」もある。しょうが汁を溶かし、砂糖で煮たものである。どちらも100円で、紙コップでの提供である。ついでなので、冷をいただくことにした。
ちょっと甘みが強かったが、美味かった。本当に乳を飲んでいる気分だった。
もうひとつ、寄るところがある。行きに古神符納め所を認めたのだが、博多区演舞台でいただいた預かり笹を、納めるのである。本来は御神符や破魔矢、絵馬を納めるのだが、預かり笹だって似たようなものだろう。ここまでいい観光ができたのは、この預かり笹のお陰だ。
笹はこの3日間でかなり乾燥し、一部葉っぱは落ち、一部茎も欠落していた。私は10円を投じ、奉納した。
ここで私のスマホが鳴った。出ると、4月29日に面接を受けた会社で、正式な入社依頼だった。
「入っていただけますか」
「? ああ、も、もちろんでございます。よろしくお願いいたします」
50歳過ぎ、未婚で将来性のない私を、よくぞ採ってくださった。本当にありがたいことで、私はこの会社で、定年まで勤めあげようと思った(この時は)。
だが、出社が20日から、というのがよく分からなかった。そんなに間隔が開くということは、私を早急に必要としていないのだろうか……?
そうそう、私にはもうひとつ、やることがあった。今日はこの旅行初の、平日なのである。
(つづく)
ちなみに昨晩はのんびり過ごした。期待の有料ビデオだが、東横INNは創業者が女性だからかソフトなものが多く、夢中で観るコンテンツはない。これは今後の課題であろう。
さて帰りの飛行機だが、7日になれば便は選び放題である。私はマイルが若干たまっているのだが、7日も無料航空券に引き換えられるのか、それは片道だと何マイルを要するのか……などいろいろ考えたら面倒くさくなって、株主優待券を使うことにした。
こちらは料金の半額だから考えやすい。本日20時10分宮崎空港発のANA618 便を予約し、カード決算も行った。19,840円。これで今回の旅行で、予約するものはすべて終わった。
さて、朝食である。東横INNは無料で朝食が付いている。1階に摂りに行くといつものバイキング方式で、たらふく食べてしまった。しかしこれで、豊吉うどんを食べられなくなってしまった。ここはまたの機会とする。
本日はこれから、鵜戸神宮にお参りに行こうと思う。昨年は志布志から日南線に乗り、車内で行程を検討したのだが、バスのダイヤがよく分からず、断念した。今回は宮崎駅から出発するから大丈夫である。
ホテルをチェックアウトし、駅前09時40分発の宮崎交通バスに乗った。
バスは海岸沿いや山沿いと、景観豊かな場所を走る。今日は2日ぶりの快晴で、またいっぱい汗をかきそうだ。
11時13分、鵜戸神宮バス停に着いた。広い駐車場のようなところである。昨年の調べでは、鵜戸神宮は崖っ淵にあり、ここからは徒歩となる。
朽ちかけた建物の壁に、「宮崎のみやげに 鵜戸神宮参拝記念 オリジナルテレホンカード」と、ボードが打ちつけてあった。ここもかつては繁盛していたのであろう。栄枯盛衰である。
数十段ある階段を登り切ると、右手にジュースの自販機があった。「Sparkling日向夏」が美味そうだが、全部売り切れである。
鵜戸崎隧道(トンネル)があり、その中は風が強かった。
隧道を出るとその先は太平洋である。必然的に左に折れると、朱塗りの神門があった。そこを抜けると、今度は一回り大きい楼門。これも鮮やかな朱色である。
くぐってしばらく歩き、再び崖に出ると、左手階段下が本殿となる。いわゆる「下がり宮」で、神社では珍しいようだ。
参道を歩き玉橋を渡り、急な階段を下ると、岩窟内に社殿があった。入るとちょっとひんやりして、それが妙に心地いい。
私は本殿にお賽銭を投じ、隣接の社務所で御朱印をいただく。昨今のブームに乗っているようで抵抗があるが、やむを得ない。
おちちあめ、なるものが300円で売られている。豊玉姫が海に帰る際、乳房を置いて行った?のが岩になり、そこから湧き出た水を飲むと健康になると言われているらしい。妊婦さんや子育て中のお母さんには、さらに効果大だ。
日本人はこうした伝承に弱い。300円は商売のニオイがして購入をためらうが、結局買ってしまった。どうもうまく乗せられた気がする。
「運玉」があった。崖下の岩にある窪みに入れば御利益がある、というよくあるヤツだ。窪みの周りはしめ縄で囲われていて、その中の岩部分に当たるだけでもいいらしい。5個100円。これは私も試してみよう。
運玉は黄土色で、「運」の文字が彫られている。男性は左腕で、女性は右腕で投げる。
私の1投目は、勝手が分からず、外れた。2投目も外れたが。窪みに近づいた感じだ。3投目。あれ? 今のは窪み近くの岩に当たったんじゃないか?
4投目は外したが、5投目は……これも窪み内の岩に当たった気がした。いつの間にか傍で見ていたあんちゃんが「オオーッ、さすが!!」と叫んだが、どうなのだろう。
観光客は、いつの間にか多くなっている。しかしコゴールデン・ウィーク明けということもあり、混雑、というほどではない。私はこの辺で、失礼しようと思う。
帰り道、おちち湯が売られていた。「冷」もある。しょうが汁を溶かし、砂糖で煮たものである。どちらも100円で、紙コップでの提供である。ついでなので、冷をいただくことにした。
ちょっと甘みが強かったが、美味かった。本当に乳を飲んでいる気分だった。
もうひとつ、寄るところがある。行きに古神符納め所を認めたのだが、博多区演舞台でいただいた預かり笹を、納めるのである。本来は御神符や破魔矢、絵馬を納めるのだが、預かり笹だって似たようなものだろう。ここまでいい観光ができたのは、この預かり笹のお陰だ。
笹はこの3日間でかなり乾燥し、一部葉っぱは落ち、一部茎も欠落していた。私は10円を投じ、奉納した。
ここで私のスマホが鳴った。出ると、4月29日に面接を受けた会社で、正式な入社依頼だった。
「入っていただけますか」
「? ああ、も、もちろんでございます。よろしくお願いいたします」
50歳過ぎ、未婚で将来性のない私を、よくぞ採ってくださった。本当にありがたいことで、私はこの会社で、定年まで勤めあげようと思った(この時は)。
だが、出社が20日から、というのがよく分からなかった。そんなに間隔が開くということは、私を早急に必要としていないのだろうか……?
そうそう、私にはもうひとつ、やることがあった。今日はこの旅行初の、平日なのである。
(つづく)