一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第47期女流名人戦・リーグ戦展望

2020-04-13 00:15:55 | 女流棋戦
第47期女流名人戦リーグが9日に開幕した。この棋戦のウリはリーグ戦を9局指せることで、しかもほぼすべてに観戦記が付くから、参加女流棋士のモチベーションは上がる。
その開幕局は加藤圭女流初段が渡部愛女流三段に逆転勝ちして、波乱のスタートとなった。
では遅まきながら、リーグ戦の参加者と展望を記そう。

1 室谷由紀女流三段
2 伊藤沙恵女流三段
3 香川愛生女流三段
4 渡部愛女流三段(0勝1敗)
5 鈴木環那女流二段
6 上田初美女流四段
7 千葉涼子女流四段
7 加藤桃子女流三段
7 山根ことみ女流二段
7 加藤圭女流初段(1勝0敗)

本命は、リーグ初参戦ながら、奨励会時代にタイトルを8期獲っている加藤桃子女流三段であろう。
対抗は、昨年度の最多対局と最多勝利を記録した伊藤女流三段となる。
もちろん、前期挑戦者の室谷女流三段と、前女流王位の渡部女流三段も外せない。
上田女流四段も元女王の実力者で、現在は子育てに忙しいが、何となく研究のペースも掴んできた感があり、大いに期待できる。挑戦者候補はここまでだと思う。
香川女流三段も元女流王将の実力者だが、最近は対局以外での活躍が目立ち、挑戦権を得るには難しい気がする。将棋の神様が、彼女を推さない気がするのだ。
鈴木女流二段、千葉女流四段は大崩れしないタイプなので、大物食いがある。とくに千葉女流四段は昨年度に伊藤女流三段、甲斐智美女流五段、加藤桃子女流三段らに勝っており、いまいちばん波に乗っている女流棋士といえる。
山根女流二段は2期連続の返り咲き。ということはリーグ3年連続で、これは実力がある証左だ。
不気味な存在は加藤圭女流初段だ。2018年のデビュー当時はパッとしなかったが、得意戦法の中飛車以外に芸域を拡げたころから、急速に成績を上げてきた。このリーグ入りも実力通りで、フロックではない。
ではここで、圭女流初段に必勝法を伝授しよう。
「持ち時間を残り1分まで考える」
である。私見だが、圭女流初段は読みの量が女流棋士の平均を上回っていると思う。そして、時間をかければかけるほど、読みが深くなるタイプだと思う。これは相当な強みだ。
そして残り1分まで考えるということは、妙に諦めのいい早投げを防ぐことにもなる。
圭女流初段は開幕戦で渡部女流三段を破り、早くも台風の目となっている。私は圭女流初段が4勝はすると見ている。今後また大物食いがあれば、挑戦者争いは混沌とする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする