一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

大山十五世名人の最後のA級順位戦の星を予想する

2020-04-20 00:24:31 | 将棋雑記
大山康晴十五世名人は、1992年度の第51期A級順位戦を1局指したところで体調不良を訴え、7月上旬に入院。そのまま帰らぬ人となった。
もし生きてさえいれば、1993年3月には70歳を迎え、「古希A級」が達成されていた。
では、もし大山十五世名人が第51期順位戦をフルに戦っていたら、その星はどうなっていただろう。ちょっと考えてみる。
この期のA級メンバーと、成績は以下の通り。

高橋道雄九段 6勝3敗
谷川浩司二冠 5勝4敗
南芳一九段 6勝3敗
大山康晴十五世名人 1敗(逝去)
有吉道夫九段 4勝5敗
小林健二八段 5勝4敗
米長邦雄九段 8勝1敗…挑戦
塚田泰明八段 4勝5敗
田中寅彦八段 5勝4敗
田丸昇八段 2勝7敗…降級

大山十五世名人は初戦に田中八段に負けたので、全員に白星を進呈したことになる。
田丸八段の降級は変わらないので、問題は残る1名だ。大山十五世名人の順位は4位だったので、3勝でもギリギリ助かったと考える。
では、第51期の勝敗予想と、各棋士との対戦成績(大山十五世名人没後の不戦敗を除く)を同時に記してみよう。

1回戦 ●田中寅彦八段 5勝6敗(対局済)
2回戦 ●南芳一九段 6勝12敗
3回戦 ○小林健二八段 7勝2敗
4回戦 ○有吉道夫九段 40勝28敗
5回戦 ●谷川浩司二冠 6勝15敗
6回戦 ●米長邦雄九段 58勝45敗
7回戦 ○田丸昇八段 8勝5敗
8回戦 ●塚田泰明八段 5勝6敗
9回戦 ●高橋道雄九段 7勝8敗

2回戦の南九段戦は、1990年の棋王戦五番勝負を含め6勝12敗。しかしA級順位戦では3勝3敗の五分である。前期プレーオフで両者が当たっていたら「大山勝ち」と予想したが、本局は大山十五世名人が負けそうな気がする。
3回戦は小林八段。小林八段には分がいいことと、ここまで大山十五世名人が●●になっている計算なので、本局は全力で勝ちにくるはずである。大山十五世名人の勝ち。
4回戦は有吉九段。前期は負けているが、本局は雪辱しそうな気がする。これで●●○○となる。
5回戦は谷川二冠。前期は大山十五世名人が伝説的な指し回しで完勝したが、ここは谷川二冠が逃すまい。谷川二冠の勝ち。
6回戦は米長九段。米長九段はこの期、8勝1敗のぶっちぎりで名人挑戦を決めている。本局も米長九段が勝つだろう。
7回戦は田丸八段。田丸八段はここまで全敗だった。大山十五世名人もここは星を計算しているはずで、勝つと思う。よってここまでで●●○○●●○となる。
8回戦の塚田八段は、5勝6敗といい勝負。順位戦も2勝2敗だ。しかし大山十五世名人はリーグを3勝したことで気が緩み、ここで負けそうな気がする。
そして最終戦は高橋九段。こちらの対戦成績もいい勝負で、5勝6敗。順位戦も2勝2敗である。だが前期プレーオフのときのように、大山十五世名人が優勢になりながら逆転負けを喫しそうな気がする。
というわけで、私の予想は「●●○○●●○●●3勝6敗」となる。よって、当該棋士から1勝を差し引く。
すると、3勝6敗になった有吉九段が、順位1枚の差で降級、となる。

まあこれはお遊びだが、私たちは70歳の棋士がA級で指した将棋を見たことがない。果たしてどんな将棋を指すのか、それを見たかったと思う。
今後その可能性があるのは羽生善治九段で、現在49歳は、大山十五世名人が名人位を失った年齢だ。しかしここから20年A級を維持しなければならない。気が遠くなる年数である。第78期のような戦いが続くと厳しいが、さて。
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