1986年、第44期名人戦に63歳の大山康晴十五世名人が登場したときは、騒然になるとともに、わずかな困惑もあった。なぜなら中原誠名人と「名人同士」の七番勝負となったからである。
むろん大山十五世名人が現役ながら、その肩書を名乗っていたからだが、そもそも現名人に24歳も年上の永世名人が挑む構図自体が異例。こんなケースは今後現れないだろう。
さて、この(永世)名人同士の対決、棋戦を名人戦に絞らず、永世名人有資格者まで条件を拡げると、ほかにもいくつか例がある。
1977年 第26期王将戦 中原誠王将4-2大山康晴棋聖
1977年 第31期棋聖戦 中原誠名人3-2大山康晴棋聖
1978年 第19期王位戦 中原誠王位4-1大山康晴十五世名人
1981年 第22期王位戦 中原誠王位4-3大山康晴王将
1982年 第31期王将戦 大山康晴王将4-3中原誠名人
1986年 第44期名人戦 中原誠名人4-1大山康晴十五世名人
2011年 第69期名人戦 森内俊之九段4-3羽生善治名人
2012年 第70期名人戦 森内俊之名人4-2羽生善治二冠
2013年 第71期名人戦 森内俊之名人4-1羽生善治三冠
2014年 第72期名人戦 羽生善治三冠4-0森内俊之名人
2014年 第85期棋聖戦 羽生善治棋聖3-0森内俊之竜王
以上11例である。
大山十五世名人と中原十六世名人のタイトル戦は20回あったが、中原十六世名人の永世名人獲得は1976年6月なので、それ以降の対決が対象となる。
つまり6回で戦績は大山十五世名人1勝、中原十六世名人5勝と中原十六世名人が圧倒している。しかし大山十五世名人の1勝は59歳での王将防衛で、これは相当な価値がある。
谷川浩司九段は1997年に十七世名人の資格獲得。中原十六世名人とは6回のタイトル戦があったが、いずれも1997年以前に指されたもので、対象外だ。
また羽生善治九段とは何度もタイトル戦を戦っているが、羽生九段の永世名人(十九世名人)資格獲得は2008年で、もう谷川九段の全盛期も過ぎており、ふたりがタイトル戦でまみえることはなかった。
森内俊之九段は2007年、羽生九段より1年早く永世名人(十八世名人)の資格を獲得した。
しかし羽生九段より早く永世名人になるとは意外で、森内九段には失礼ながら、これは棋界七不思議のトップ1にしてもおかしくないと思う。
森内九段と羽生九段の「永世名人対決」は5回。大山-中原に次ぐ記録で、さすがである。しかもそのうち4回が名人戦で、連続というのが凄まじい。
2011年の第69期は羽生名人が失冠したが、翌第70期、羽生二冠はA級順位戦を9戦全勝で駆け抜け、リターンマッチした。
だが2勝4敗で返り討ちされると、その翌第71期も再度挑戦した。だがこれも1勝4敗で負けてしまう。
羽生九段の勢いも凄まじいが、それを跳ねのけて防衛する森内名人もまた素晴らしい。
羽生九段は翌第72期も挑戦し、いままでの借りを返すかのように、4勝0敗で名人を奪取したのだった。
大山-中原の名人対決も特筆ものだが、森内-羽生の「4年連続永世名人対決」も、今後破られることはないだろう。
むろん大山十五世名人が現役ながら、その肩書を名乗っていたからだが、そもそも現名人に24歳も年上の永世名人が挑む構図自体が異例。こんなケースは今後現れないだろう。
さて、この(永世)名人同士の対決、棋戦を名人戦に絞らず、永世名人有資格者まで条件を拡げると、ほかにもいくつか例がある。
1977年 第26期王将戦 中原誠王将4-2大山康晴棋聖
1977年 第31期棋聖戦 中原誠名人3-2大山康晴棋聖
1978年 第19期王位戦 中原誠王位4-1大山康晴十五世名人
1981年 第22期王位戦 中原誠王位4-3大山康晴王将
1982年 第31期王将戦 大山康晴王将4-3中原誠名人
1986年 第44期名人戦 中原誠名人4-1大山康晴十五世名人
2011年 第69期名人戦 森内俊之九段4-3羽生善治名人
2012年 第70期名人戦 森内俊之名人4-2羽生善治二冠
2013年 第71期名人戦 森内俊之名人4-1羽生善治三冠
2014年 第72期名人戦 羽生善治三冠4-0森内俊之名人
2014年 第85期棋聖戦 羽生善治棋聖3-0森内俊之竜王
以上11例である。
大山十五世名人と中原十六世名人のタイトル戦は20回あったが、中原十六世名人の永世名人獲得は1976年6月なので、それ以降の対決が対象となる。
つまり6回で戦績は大山十五世名人1勝、中原十六世名人5勝と中原十六世名人が圧倒している。しかし大山十五世名人の1勝は59歳での王将防衛で、これは相当な価値がある。
谷川浩司九段は1997年に十七世名人の資格獲得。中原十六世名人とは6回のタイトル戦があったが、いずれも1997年以前に指されたもので、対象外だ。
また羽生善治九段とは何度もタイトル戦を戦っているが、羽生九段の永世名人(十九世名人)資格獲得は2008年で、もう谷川九段の全盛期も過ぎており、ふたりがタイトル戦でまみえることはなかった。
森内俊之九段は2007年、羽生九段より1年早く永世名人(十八世名人)の資格を獲得した。
しかし羽生九段より早く永世名人になるとは意外で、森内九段には失礼ながら、これは棋界七不思議のトップ1にしてもおかしくないと思う。
森内九段と羽生九段の「永世名人対決」は5回。大山-中原に次ぐ記録で、さすがである。しかもそのうち4回が名人戦で、連続というのが凄まじい。
2011年の第69期は羽生名人が失冠したが、翌第70期、羽生二冠はA級順位戦を9戦全勝で駆け抜け、リターンマッチした。
だが2勝4敗で返り討ちされると、その翌第71期も再度挑戦した。だがこれも1勝4敗で負けてしまう。
羽生九段の勢いも凄まじいが、それを跳ねのけて防衛する森内名人もまた素晴らしい。
羽生九段は翌第72期も挑戦し、いままでの借りを返すかのように、4勝0敗で名人を奪取したのだった。
大山-中原の名人対決も特筆ものだが、森内-羽生の「4年連続永世名人対決」も、今後破られることはないだろう。