一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第74期王将戦第2局

2025-01-26 23:30:55 | 男性棋戦
世間ではいろいろニュースがあるが、将棋界は平穏。粛々と行事が進行する。25日、26日は第74期王将戦第2局である(主催:日本将棋連盟、毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社)。
対局場は京都府「伏見稲荷大社」。千本鳥居が有名で、観光地ランキングでは、いつも上位に位置する。だが私は、まだお邪魔したことがない。
第1局は藤井聡太王将が勝った。挑戦者の永瀬拓矢九段は、早くも後がない。第2局は後手の永瀬九段が注文をつけ、先手の横歩取りとなった。
藤井竜王は青野流を採用する。横歩取りはこの青野流が強力で、先手よし、が通説になっていると思うのだが、永瀬九段にどんな対策があるのか。
永瀬九段は早くも2筋を謝ったあと、角を換える。これに藤井王将が金で取ったのが意外で、私はのけぞった。最近もどなたかの実戦で、似た局面で金で取っていたが、いまはこれが定跡なのか。銀冠ならぬ金冠も市民権を得たし、むかしの定跡はことごとく塗り替えられている。
永瀬九段は飛車を引き、次に歩の垂らしがある。だが藤井王将は受けず、歩を垂らされてしまった。藤井王将はこういうとき、本当に謝らない。
永瀬九段の端歩攻めにも悠々と桂を跳ね、端を取り込ませる。名人に定跡なしというがあんまりで、手の予想がまったくつかない。藤井王将は素知らぬ顔で飛車を四段目に浮き、後手の歩突きを牽制する。まるでインベーダーゲームのようだ。
消費時間は藤井王将のほうがはるかに多く使っているが、これも終局時にはイーブンになっているのだろう。
封じ手も、大方の予想手を裏切る手だった。だけど藤井王将が指したのだから、これが正着なのだろう。
数手後藤井王将の金は端に追いやられたが、どうせこの金は最後に働くのだろう。
藤井王将は薄い2筋に目をつけ、角の成りこみに成功した。以下駒の交換がいろいろあったが、永瀬九段には二枚飛車の攻めが約束されており、これは藤井王将も容易でないと思われた。
藤井王将はと金を捨てる。そして継続の角捨て! 玉で取る一手に、今度は背後から角打ち!! そうかそうか、この寄せ形があったか!!
どうも藤井王将には、私のようなヘボには見えない、囲いの急所が見えているのだ。そしてそれにはどの駒が必要か見極め、寄せ形を構築していくのだ。
以下、93手まで藤井王将の勝ち。1枚の遊び駒のない、見事な最終図だった。本当に藤井王将の将棋は、おカネを出しても鑑賞する価値があると思った。
さて、2局を終わって藤井王将の2勝は、ここまでの勝敗予想を行ったら、最も票が集まる数字だったと思う。もはや藤井王将の防衛は決まったも同然だが、王将戦は少なくとも今期まで、四番手直りのルールがある。永瀬九段は是が非でも、1つは勝たねばならない。
コメント (1)
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