NHK杯、室谷由紀女流二段は前髪を下ろした。まるでパリコレモデルのようで、ひときわ美しい。ヘアスタイリストさんも、室谷女流二段の髪を整えていて、楽しいのではないか。
◇
大山康晴十五世名人と羽生善治名人はどちらが強いか、は見解の分かれるところである。ところで、この偉大な2人の棋士に勝ち越している棋士はいるのだろうか。今日はそれを考えてみた。
大山十五世名人は生涯勝率.647。ほぼ2勝1敗のペースで勝っており、大山十五世名人に勝ち越している大物といえば、中原誠十六世名人、谷川浩司九段、そして羽生名人ぐらいしか思いつかない。
しかし大山十五世名人も最晩年は勝ったり負けたりだったし、新聞棋戦もそれほど力を入れてなかったから、名人に対して1勝0敗や2勝1敗で逃げ切った若手棋士もいると思われる。
これらの棋士が羽生名人と戦い、ベテランの味で1つか2つ勝ち越した、というケースがあってもおかしくないのではないか。
まず思い浮かぶのが田中寅彦九段である。大山-田中の対戦成績は11局戦って、田中九段の6勝5敗。その星の並びが分かりやすく、最初の5局は大山十五世名人が勝ち、後の6局は田中九段が勝った。余談ながら、全局振り飛車VSイビアナだった。
その田中九段は対羽生名人戦でいきなり3連勝して、「ハブキラー」と呼ばれた。田中九段なら逃げきっているのではないか。
そこで以後の対戦成績を調べると、田中九段は1勝を上乗せしたが、その後5連敗を喫し、4勝5敗となっていた。この星の並びは、大山十五世名人戦と逆の目だ。
羽生名人の通算勝率は、7割を優に越えている。羽生名人相手にこれだけ局数をこなすと、さすがに負け越してしまう。
現在C級1組に在籍している田中九段がこれから羽生名人に連勝するとは考えにくく、残念ながらこの線は消えた。
ところで「ハブキラー」といえば、日浦市郎八段も一時期羽生名人に勝って、そんなことを言われていなかったか。
だがこれも調べると、日浦八段の4勝9敗だった。
どうも羽生名人から調べるとおもしろくない。まだ大山十五世名人から調べた方が、後の楽しみがある。
森下卓九段は大山十五世名人に6勝0敗である。だが、対羽生名人の成績は悪いはずで、調べるまでもない。これは…? という棋士のほうが、意外に脈がありそうだ。
むかし「将棋世界」に、大山十五世名人に善戦している棋士が挙げられたことがあった。
その中に、淡路仁茂九段、佐藤義則八段の名前があった。
淡路九段は「長手数の美学」を標榜し、長期戦をいとわなかった。大山十五世名人も長期戦で粘り倒すことは日常茶飯事だったが、淡路九段も年季が入っている。大山十五世名人が淡路九段を持て余していたのは、何となく理解できるのである。
対戦成績は、淡路九段の6勝6敗。ちなみに羽生名人戦を調べたら2勝1敗だった。
惜しい!
佐藤八段は、隠れた実力者で、かつては棋聖戦の挑戦者決定戦に進んだこともある。また十段戦では、2期連続リーグ入りの一番を迎えたことがある。当時十段リーグ入りは棋戦優勝に匹敵していたから、佐藤八段の実力のほどが分かるというものだ。
さて大山十五世名人との対戦は、最初3勝1敗と勝ち越したが、その後連敗して3勝3敗で終わっていた。ちなみに対羽生名人戦は1勝0敗。こちらも惜しい!
…と、ネット情報もからめ、こんな感じで調べていったが、結論から書くと、両名人に勝ち越した棋士はいなかった。やはり名人の壁は厚かったのだ。
ちなみに、ほかに惜しかったのは坪内利幸八段で、対大山1-1、対羽生1-0だった。
まとめ。両名人に勝ち越した棋士はなし。負け越さなかった棋士、ということで、淡路九段、佐藤義八段、坪内八段を挙げておく。
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大山康晴十五世名人と羽生善治名人はどちらが強いか、は見解の分かれるところである。ところで、この偉大な2人の棋士に勝ち越している棋士はいるのだろうか。今日はそれを考えてみた。
大山十五世名人は生涯勝率.647。ほぼ2勝1敗のペースで勝っており、大山十五世名人に勝ち越している大物といえば、中原誠十六世名人、谷川浩司九段、そして羽生名人ぐらいしか思いつかない。
しかし大山十五世名人も最晩年は勝ったり負けたりだったし、新聞棋戦もそれほど力を入れてなかったから、名人に対して1勝0敗や2勝1敗で逃げ切った若手棋士もいると思われる。
これらの棋士が羽生名人と戦い、ベテランの味で1つか2つ勝ち越した、というケースがあってもおかしくないのではないか。
まず思い浮かぶのが田中寅彦九段である。大山-田中の対戦成績は11局戦って、田中九段の6勝5敗。その星の並びが分かりやすく、最初の5局は大山十五世名人が勝ち、後の6局は田中九段が勝った。余談ながら、全局振り飛車VSイビアナだった。
その田中九段は対羽生名人戦でいきなり3連勝して、「ハブキラー」と呼ばれた。田中九段なら逃げきっているのではないか。
そこで以後の対戦成績を調べると、田中九段は1勝を上乗せしたが、その後5連敗を喫し、4勝5敗となっていた。この星の並びは、大山十五世名人戦と逆の目だ。
羽生名人の通算勝率は、7割を優に越えている。羽生名人相手にこれだけ局数をこなすと、さすがに負け越してしまう。
現在C級1組に在籍している田中九段がこれから羽生名人に連勝するとは考えにくく、残念ながらこの線は消えた。
ところで「ハブキラー」といえば、日浦市郎八段も一時期羽生名人に勝って、そんなことを言われていなかったか。
だがこれも調べると、日浦八段の4勝9敗だった。
どうも羽生名人から調べるとおもしろくない。まだ大山十五世名人から調べた方が、後の楽しみがある。
森下卓九段は大山十五世名人に6勝0敗である。だが、対羽生名人の成績は悪いはずで、調べるまでもない。これは…? という棋士のほうが、意外に脈がありそうだ。
むかし「将棋世界」に、大山十五世名人に善戦している棋士が挙げられたことがあった。
その中に、淡路仁茂九段、佐藤義則八段の名前があった。
淡路九段は「長手数の美学」を標榜し、長期戦をいとわなかった。大山十五世名人も長期戦で粘り倒すことは日常茶飯事だったが、淡路九段も年季が入っている。大山十五世名人が淡路九段を持て余していたのは、何となく理解できるのである。
対戦成績は、淡路九段の6勝6敗。ちなみに羽生名人戦を調べたら2勝1敗だった。
惜しい!
佐藤八段は、隠れた実力者で、かつては棋聖戦の挑戦者決定戦に進んだこともある。また十段戦では、2期連続リーグ入りの一番を迎えたことがある。当時十段リーグ入りは棋戦優勝に匹敵していたから、佐藤八段の実力のほどが分かるというものだ。
さて大山十五世名人との対戦は、最初3勝1敗と勝ち越したが、その後連敗して3勝3敗で終わっていた。ちなみに対羽生名人戦は1勝0敗。こちらも惜しい!
…と、ネット情報もからめ、こんな感じで調べていったが、結論から書くと、両名人に勝ち越した棋士はいなかった。やはり名人の壁は厚かったのだ。
ちなみに、ほかに惜しかったのは坪内利幸八段で、対大山1-1、対羽生1-0だった。
まとめ。両名人に勝ち越した棋士はなし。負け越さなかった棋士、ということで、淡路九段、佐藤義八段、坪内八段を挙げておく。