私は焼きうどんと焼きそばを頼んだが、うどんをつまむに留まる。ちょっと、食事どころではない。
第1図以下の指し手。△5八歩▲6九飛△7八と▲6四飛△同銀▲4二と△6九飛▲8六金△8九と▲5六銀△3六桂▲7五香△6三玉▲7三と△同銀▲同香成△同玉▲5五馬△6四歩▲7四歩△同玉▲7五銀△6三玉▲8五金△2九飛成▲4七玉△4八桂成▲同玉△5九竜▲3六玉△3九竜▲3七桂(投了図)
まで、Taga氏の勝ち。
私は△5八歩と打った。これにTaga氏は▲3九飛と逃げると思ったのだが、▲6九飛。これがなかなかの手で、△6八香▲3九飛△5三金となれば小康を保てるが、以下▲2二馬ぐらいで未来がない。それに、香は二段目に打つものではない。私は、勝負!と△7八とと入った。
これにTaga氏は▲6四飛! この飛車切りが決め手だ。大駒は切り時が肝要だが、この場合は最適だった。△6四同銀に▲4二と、と金を取って下手勝勢。
▲8六金には受ける手もあったのだが、私は△8九と。Taga氏は▲5六銀と出て戦力を増強する。私はその隙に△3六桂。
ここで並の下手なら、△2九飛成を防いでひとつは受ける。しかしTaga氏は▲7五香ときた。私は△6三玉と逃げたが、まだしも△7五同銀だったか(局後の検討では、△7五同銀は▲6五金△同飛成▲同銀で下手の勝ちと分かった)。
△7四同玉には▲7五歩△6三玉▲5四銀で上手玉が即詰みだったが、Taga氏は▲7五銀と打ってノコギリを引く。
▲8五金に私の手番が回ってきたが、下手玉が詰むわけがない。△3九竜に▲3七桂まで、私の投了となった。
「▲7五香は△同銀と取るべきだった」
が私の第一声。そして「▲8八金と凹ましたところでは十分と思ってたんだが…。△8五桂が重たかった?」
と続けた。
「それ、そちら側の手ですよね」
とTaga氏。上手の反省ばかりしないで、下手の勝ち筋も教えてくれませんか、という意味だ。Ok氏にも似たようなことを言われたことがあるが、これが私の性分なのだからしょうがない。もっとも本局のTaga氏の指し回しは完璧で、私が教えるところはない。
しかしTaga氏は「勉強になった」「右銀が攻めに出て来る手があるんですね」と、妙な感心をした。私はおかしな手を連発したので、却って恐縮してしまう。
ただ、本局は私が負けたが、なす術なくやられた感じではないので、次に同じ手合いでも私が勝てるチャンスはあると思う。
左の将棋は最後、Hon氏が物量にモノを言わせて、Ok玉を即詰みに討ち取った。しかしOk氏にもチャンスはあったはずで、Ok氏の充実ぶりが見て取れた。
今度は席を替わって、私とHon氏が指す。右はOk氏とTaga氏が戦う。もはや、普通の将棋道場の雰囲気である。
Hon氏の先手で、▲7六歩~▲6八銀~▲7八金。矢倉の出だしだが、どうせ三間飛車に振り、変態穴熊(▲3八金・▲3九銀型)にするに決まっている。私は△4二玉。
「堂々と二段玉だもんね」
「まあ大沢さんは矢倉が得意だし、居飛車で来られても対策は用意してるんでしょうけど」
と。これは植山悦行七段。
右の将棋は相振り飛車になっている。ようやくTaga氏の望みが叶ったか。
Hon氏は果たして、▲7八飛から▲1八香。▲1九玉の後▲3八金と早囲いし、Hon流変態穴熊の完成である。
私は急戦を目論み、△8六歩~△6五歩と仕掛ける。Hon氏は▲5五歩。振り飛車の常套手段で、私も振り飛車を指すが、こういう手が指せない。ということは、私の振り飛車は「エセ」なのだ。
本局は△5五同歩と取った。▲7五歩にも△同歩。が、Hon氏に▲7四歩と桂取りに打たれ飛び上がった。
「歩があったの!?」
「△8六歩で1歩もらったから」
「あっ!!」
相手の持ち駒を確認しなかった私のミスだ。Hon氏は桂を取り、▲5八飛(第1図)と転戦する。私は苦境に立たされた。さて、次の一手は。
(つづく)
第1図以下の指し手。△5八歩▲6九飛△7八と▲6四飛△同銀▲4二と△6九飛▲8六金△8九と▲5六銀△3六桂▲7五香△6三玉▲7三と△同銀▲同香成△同玉▲5五馬△6四歩▲7四歩△同玉▲7五銀△6三玉▲8五金△2九飛成▲4七玉△4八桂成▲同玉△5九竜▲3六玉△3九竜▲3七桂(投了図)
まで、Taga氏の勝ち。
私は△5八歩と打った。これにTaga氏は▲3九飛と逃げると思ったのだが、▲6九飛。これがなかなかの手で、△6八香▲3九飛△5三金となれば小康を保てるが、以下▲2二馬ぐらいで未来がない。それに、香は二段目に打つものではない。私は、勝負!と△7八とと入った。
これにTaga氏は▲6四飛! この飛車切りが決め手だ。大駒は切り時が肝要だが、この場合は最適だった。△6四同銀に▲4二と、と金を取って下手勝勢。
▲8六金には受ける手もあったのだが、私は△8九と。Taga氏は▲5六銀と出て戦力を増強する。私はその隙に△3六桂。
ここで並の下手なら、△2九飛成を防いでひとつは受ける。しかしTaga氏は▲7五香ときた。私は△6三玉と逃げたが、まだしも△7五同銀だったか(局後の検討では、△7五同銀は▲6五金△同飛成▲同銀で下手の勝ちと分かった)。
△7四同玉には▲7五歩△6三玉▲5四銀で上手玉が即詰みだったが、Taga氏は▲7五銀と打ってノコギリを引く。
▲8五金に私の手番が回ってきたが、下手玉が詰むわけがない。△3九竜に▲3七桂まで、私の投了となった。
「▲7五香は△同銀と取るべきだった」
が私の第一声。そして「▲8八金と凹ましたところでは十分と思ってたんだが…。△8五桂が重たかった?」
と続けた。
「それ、そちら側の手ですよね」
とTaga氏。上手の反省ばかりしないで、下手の勝ち筋も教えてくれませんか、という意味だ。Ok氏にも似たようなことを言われたことがあるが、これが私の性分なのだからしょうがない。もっとも本局のTaga氏の指し回しは完璧で、私が教えるところはない。
しかしTaga氏は「勉強になった」「右銀が攻めに出て来る手があるんですね」と、妙な感心をした。私はおかしな手を連発したので、却って恐縮してしまう。
ただ、本局は私が負けたが、なす術なくやられた感じではないので、次に同じ手合いでも私が勝てるチャンスはあると思う。
左の将棋は最後、Hon氏が物量にモノを言わせて、Ok玉を即詰みに討ち取った。しかしOk氏にもチャンスはあったはずで、Ok氏の充実ぶりが見て取れた。
今度は席を替わって、私とHon氏が指す。右はOk氏とTaga氏が戦う。もはや、普通の将棋道場の雰囲気である。
Hon氏の先手で、▲7六歩~▲6八銀~▲7八金。矢倉の出だしだが、どうせ三間飛車に振り、変態穴熊(▲3八金・▲3九銀型)にするに決まっている。私は△4二玉。
「堂々と二段玉だもんね」
「まあ大沢さんは矢倉が得意だし、居飛車で来られても対策は用意してるんでしょうけど」
と。これは植山悦行七段。
右の将棋は相振り飛車になっている。ようやくTaga氏の望みが叶ったか。
Hon氏は果たして、▲7八飛から▲1八香。▲1九玉の後▲3八金と早囲いし、Hon流変態穴熊の完成である。
私は急戦を目論み、△8六歩~△6五歩と仕掛ける。Hon氏は▲5五歩。振り飛車の常套手段で、私も振り飛車を指すが、こういう手が指せない。ということは、私の振り飛車は「エセ」なのだ。
本局は△5五同歩と取った。▲7五歩にも△同歩。が、Hon氏に▲7四歩と桂取りに打たれ飛び上がった。
「歩があったの!?」
「△8六歩で1歩もらったから」
「あっ!!」
相手の持ち駒を確認しなかった私のミスだ。Hon氏は桂を取り、▲5八飛(第1図)と転戦する。私は苦境に立たされた。さて、次の一手は。
(つづく)