古典や漢詩は学んだこともなく、あまり興味も無かったが、文字列としては面白いと思っていた。
先日、年賀状に自分の気持ちを表す言葉はないかと探していたら、杜牧の詩に
「霜葉(そうよう)紅於二月花」という一節があった。
それなりに知る人には有名な一節らしい
なるほど、この七文字で三年間の思いを描くことが出来そうだ
そう思ったら、漢詩を今さら学んでも身にならないと思うが、都合の良い言葉を拾い出して楽しむことはできそうな気がした。
専門的な学びとは縁遠い暮らしをしてきたから、たいがいは、こんなきっかけ作りから熱中できることを発見する手法が身に着いた、これは邪道だが仕方あるまい。
どんなに焦っても、もがいても、反省しても人生は一度きり、過去をほじくり出すことに何の意味もない
残された、これからをいかに生きるか楽しむか、それだけだ。
仕事を辞めたら、ずいぶん生き方も心境も変わってきて、俗にいう「好々爺」というのに近づいてきた気がする。
現役時代は怒るのが仕事のような情けないありさまであったが、この二年、腹を立てた日は日ごとに少なくなって、いつ怒声を上げたのか忘れてしまった。
そんな気持ちを文章にしてみると。
「世間の声がいかなるものであれ、何を言われようが、それに周囲に雷が落ちてきても、大風が渦を巻いて唸ろうと
私の中は、春秋の静かでほんのり温かい微風が心地よく漂っている。
あなたの怒りが見えていても、私は少しだけ微笑んで黙っている
それが半月、一か月続いても、私はいつもの私のままで同じように生きている
ある日、きまり悪そうに声をかけてきたら、知らん顔して「おかえり」というだけ
また平和な日々が始まる」