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「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた (111) 長尾家 24

2024年06月14日 19時52分56秒 | 甲越軍記
 この三条長尾家に金津新八という士が仕えていたが、彼は景虎の幼き時からの守役の金津新兵衛の弟である。
新八は近頃の主人平六郎の暴悪を憎み、しかもこれから討とうとしている景虎に従う唯一の従者が兄であることを知り、この危機を知らせねばと百姓に身をやつして、浄安寺に走り、このことを告げた。
景虎は、これを聞いても少しも慌てず「さようなこともあろうかと思っていた、速やかにここを出て府内に戻ることとしよう」と言って、新兵衛と寺を去った。

その後に間もなくして股野荒河内が三十人の士卒を率いて馬を飛ばし、浄安寺に着き、寺内をくまなく調べたがどこにも景虎主従の姿は無かった。
「これは気が付いて既に逃亡したのであろう、ここで取り逃がしては館に顔向けできぬ、直ちに街道を追って、何が何でも首を取らねばならぬ」と揉みに揉んで後を追った。

景虎と新兵衛は道を急いでいたが、こちらは徒歩である
まもなく後方から馬の集団の音が聞こえ、土埃舞い上がる姿さえ見えるようであった
「さては進退ここに極まった」と景虎は言い、新兵衛を密かに農家の小屋に隠れさせて、自分は近くに居たみすぼらしい孤児らしい少年に声をかけた
「そなたの着物と儂の着物を取り換えようではないか」と言って、早くも脱ぎだすと、孤児は喜び、きらびやかな衣装に手を通した
景虎はシラミまみれの、つぎはぎだらけの上に、なおも破れたる汚れた衣を身に着け、髪を乱れさせた。
そして孤児に、「そなたは、この街道を西に向かって急ぎ足で歩いてゆくが良い、かならずや良きことが待っているであろう」と言った
孤児は喜び勇んで街道を走って行った。

景虎は辺りを見回すと、少し高い山際に辻堂があるのを認め、そこに入って内から石を当てて戸を閉めた
そして忍んで街道を見れば、先を行く孤児の跡を馬を走らせた武士が近づくと韋駄天の如くたちまち追いつき、白刃一閃の早業、声も無く童の首と胴は真っ二つに分かれて倒れた。
荒河内は童の首を衣の袖に入れて、勇み立って馬首を翻して一団となって去っていった。

景虎と新兵衛は頭が無い孤児の遺体をねんごろに葬り、「われが世に出た際には、厚く弔いを致すゆえ許し賜え」と言って、その場を去った。
府中に着いた景虎一行は、まずは屋形兵庫守にまかり出て挨拶をした
兵庫守は景虎の才覚を愛していたので、晴景に景虎を府内の城中に住まわせるよう命じた、以後兄の養育を得ることとなった。

暑いので浜辺へ行って来た

2024年06月14日 06時56分31秒 | 散歩道
 この数日は30度前後が続き、不快感極まりない
それでも夜になれば涼しくなり、昨日はシャワーを浴びて少し寒さを感じていたから、まだ夜の寝苦しさは無い。

私が20日近く入院したことで、我が家のルーティンもいささか狂ってきた
特に食事の事と、毎週の息子とのドライブの二点が大きく変わった
食事は特に食べて良いものと悪いものが決まっていて、それは女房殿と私が、管理栄養士さんから指導を受けたので理解したが、作業分担が最初はかみ合わなかったが、そこは栄養士と調理師の夫婦だから今はようやく分担がうまくいきだしている。

もう一つの息子とのドライブは、今までは長野と高岡へ毎週交互で行っていたが
私の体調からみて、距離的に無理があるし、毎週もきついだろう
それで片道15km以内に決めて、更に隔週と言うことにした
隔週案は私の入院以前から考えていた、それは諸物価高騰が原因だった
ガソリン代、高速代、おやつ代、食事代がかかるが、去年と比べても確実に30%以上上がっているので、収入が年金だけでは家計的にも厳しい
それで隔週を考えていたが、今度の入院手術でいやおうなく決定した。

今日は、一昨年の夏に毎週行っていた浜辺に久しぶりに行って来た
午前3時間、午後2時間、二度にわたって行った
浜辺は暑い気がするだろうが、一昨年の経験で家にいるより遥かに涼しいことを知っている、日差しがあっても海岸は涼しい
風が通るし、意外にひんやりしている、車の中でも窓を全部空けて、本を読んだり昼寝をしたりしたが良い風が通って気持ちよかった。

こんな状態でも散歩は必要なので、午前と午後二度散歩をした、流石に砂浜はきついから、ウオーキングロードを中心にして、後は草原の中をカメラ片手にプラプラゆっくり歩いた
小幅でゆっくり歩き、時折立ち止まって花や景色を撮って歩いた、ウォーカーやランナーが追いこしていく
二回の散歩で4000歩近く歩いたので、我ながらビックリした。
隔週で近間ということで気分的にもゆとりが出来た、散歩でちょっと停滞気味だった腸の動きも良くなってきた
無理せず、やわやわと夏を乗り切ろうと思っている。