神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

温故知新

2024年08月27日 21時03分16秒 | 雑記

 ずっと酷暑で散歩を中断していたが、今日は夕方すこし涼しかったので17時半に散歩に出かけて1.5kmくらいだが歩いてきた、かなり速足で歩けたので未だ健在と安心した。

 勝海舟(かつかいしゅう=勝麟太郎)と言えば江戸時代末期の動乱期を生き抜いた徳川幕府の軍艦奉行、生粋の江戸っ子だが、代々の幕臣ではない

アメリカ使節団として福沢諭吉らと咸臨丸で太平洋を横断して、アメリカを目で見て来た

世界観を持っていて、尊王攘夷派の坂本龍馬、西郷隆盛などの傑物さえも唸らせる大局観や度胸をもっていて江戸の町を戦火から守った、江戸の町火消の親分、新門辰五郎をも手の内に取り込める侠気も持ち合わせていた、江戸時代の終焉を予測して無血開城を推し進めて成功する。

いつも危険と隣り合わせであったが、坂本龍馬が用心棒にと勝に送った岡田以蔵(人斬りの異名在り=後に刑死)に助けられた。
無事に幕末を生き抜き、明治になると新政府の要職について伯爵となる
中国との交渉などにも同席して中国通でもあった。

勝海舟は明治32年に 77歳で亡くなったが その前年あたり海舟の弟子や知人などが赤坂氷川町の勝海舟の家に集まり海舟語録をまとめたのが 「氷川清話」である、お釈迦様の弟子がお釈迦様の生涯の教えを語り合って仏典を編纂したのに似ていて興味深い

 私の 座右の 愛読書として 時々見ているが、なかなか 現代に通じる 言葉も多くあって予言書のようで面白い

その中から政治や政治家についての考えをいくつか書いてみたい、今に通じる諫言のようなものもあるから興味深い。

〇政治家の秘訣は何もない ただただ「誠心誠意」の四字ばかりだ。
この四字によりてやりさえすれば、たとえいかなる人民でも、これに心腹しないものはないはずだ。 またたとえいかなる無法な国でも、故なく乱暴するものはないはずだ。
ところで見なさい、今の政治家は四千万、五千万のたらずの人心を収攬することのできないのはもちろん、いつも列国の為に、恥辱を受けて、独立国の体面さえ全うすることができないとは、いかに歯がゆいではないか。

〇今も昔も人間万事が金というものがその土台であるから、もしこれが無かった日には、いかなる大政治家がでても、とうていその手腕をほどこすことはできない。(中略)
財政が困難になると、議論ばかりがやかましくなって、何の仕事もできない
そこへ付け込んで種々の魔がさすものだ。(中略)
金はない、力は弱い、そして人心は離反している。 その隙を、見込んで外国の奴らが付け込んでくるという風で、(中略)
しかしながら一時しのぎに外国から金を借りるということは、たとえ死んでもやるまいと決心した。(中略)借金の為に抵当を外国にとられるのが実にたまらない、よしまたそれを耐えるとしたところで、借金を返す見込みがないから仕方ない。 これが一家や個人の事なら、どうなっても大したことは無いが、なにしろ一国の事だから、もし一歩間違えれば、何千万人と言う人が子子孫孫までたいへんなことになってしまうのだ。

〇それから軍備拡張の事だが、それはもとより、できることなら拡張もしなければならないだろうが、しかし法外なことをしてもらっては人民が困るよ。
軍艦が一マイル走ると、もうざっと千両が金がかかるのだからなあ。
日本でも人民が裕福になりさえすれば、一外国について二艘くらいはいいが、いまのような貧乏な時は一外国一艘ぐらいの割合でたくさんだよ。
軍艦というものは、たとえ運転せずにつないでおいても、ただすてておくわけにもいかないから、相応に金がかかるよ。 それに艦数を増せば、それに乗せる人間も増すし、少しの金ではなかなか間に合いはしないよ。(中略)
英国などでもなるべく始末して、軍艦の多い外国の方へは、良い軍艦を向け、少ない外国へは、悪い軍艦を向けておくよ、たいてい皆そういうふうにするよ。

〇日本のただいま不景気なのも、別に怪しむことはないのだ。 とにかく経済の事は経済学者にはわからない。 それは理屈一方から見る故だ。 世の中は、そう理屈通りに行くものではない。
人気というものがあって、何事も勢いだからね。

〇外交の極意は「誠心誠意」にあるのだ、ごまかしなどやりかけると、かえって向こうから、こちらの弱点が見抜かれる。
維新前に岩瀬、川路の諸士が、米国と条約を結ぶときなどは、世界の形勢が、諸氏の胸中によくわかっていたわけでなく、ただ知ったことを知ったとして、知らぬことは知らぬとして、誠心誠意でもって、国家のために譲られないことは一歩も譲らず、折れ合うべきことは、なるべく円滑に折れ合たものだから、米国公使ハリスも、つまり、その誠意に感じて、後には向こうから気の毒になり、相欺くに忍びなくなったのさ。

〇世の中は、ますますつまらなくなって、新聞紙も、政論家も、時勢遅れの空論ばかりにて日を暮らしている。
およそ、この空論ほど無益なものは、世の中にまたとない。
いくら新聞記者や国会議員が、毎日がやがやといったところが、軍艦一艘できはすまい。
出来ないのみならず、国はいよいよ貧乏するばかりだ、そして貧乏すればするほど空論は盛んになってくる。 いや実に困ったものさ。









 

 

 


「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(182) 甲越 川中島血戦 9

2024年08月27日 08時28分50秒 | 甲越軍記
両軍の先鋒、死を顧みず 戦うほどに 双方の 手負い 死人 その数を知らず 
中にも 武田方に 塩尻 五郎左衛門 の 弟 塩尻豊後 無双の勇士也
直江山城守の勢の中に 一文字に切りかかり 当たるを幸いに打ち回る
直江の兵 これを取り囲み 四方から 打ちかかるが 塩尻は これをことともせず 大太刀を 振り回し 近寄る武者 四、五人を切り倒す なおも進んで 戦うところに 景虎の旗本、 鬼小島弥太郎、 日の丸の 差し物 は使い番にて 差し掛かったところへ  暴れまわる塩尻を見て 槍をしごき 「小島弥太郎」と名乗り、 塩尻に突いてかかる 
塩尻豊後、大いに叫び打ちかかってくる その切っ先を 丁と受け止め 槍先に火花を散らせ 打ち合うが 弥太郎の勢いが増し 塩尻豊後 受け損じて 眉間を ぐさりと 突き抜かれ 真っ逆さまに 馬より落ちたところに 弥太郎の 従者が 首を取る、弥太郎は なお 敵中に馳いる
直江の勇士 大井大九郎は 先より 敵の中に入り込み 薙刀をひらめかせ 小山田勢を 麻を薙ぐがごとく なぎ回る、 小山田 左京衛の 家臣 相川左衛門 槍を上げて突き来るを大九郎は二打ち、三打ち戦い 一声 叫ぶと左衛門 喉をすくい上げられ ひるむところを大九郎 付け入って 切り倒し 首をかかんとするところへ 小山田小七郎 馳きたり 大九郎の冑の隙を つき通して首を取る 
その他 両家の 勇将 猛将 互いに 命を軽んじて 必死となって 戦う 

越後勢の 直江と 柿崎の 勢いは凄まじく 武田側の小山田勢は勇士が 次々と 討たれ 崩れて2町ほど さっと引く それを見て武田方の 須田 淡路 室賀 井上ら 信濃先方衆が 攻め太鼓を打ち 馬印を立てて 長尾勢の 正面へ 鉄砲を 打ち掛け 喚き叫んで ついて入る 
直江 柿崎 新発田 安田 甘粕 和田 らは 味方を救い 須田 室賀の 備えに突いてかかれば 武田方の 栗原左兵衛 繰り出し いつ 終わるともなき 形成 なり
武田晴信 長尾景虎の 両大将は本陣にあって床几に腰掛け 馬を傍らに引かせ 采配を握り合戦の様を 眺める
晴信の元へ 山本勘助 やってきて 「敵は 魚鱗に備えて無二の一戦を 仕掛けてくると見えます 我が陣の備え 堅ければ これを嫌い 謀り事をもって 逃げるように見せかけ、 追いかける我が軍を誘い込み こっぱみじんに 打ち砕く策略と見えます、 すでに その兆しあり わが軍は 敵陣 深く入り込もうとしております
急ぎ 使者を使わし 我が兵をとどまらせる御下知を」 と言えば、晴信も「まさに我も さように思うところなり」と ムカデの 差し物の 使い番 12人を先陣に 走らせた。