アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

アドラー・クイズの第4問は、以下のとおりでした。


4.アドラーは、フロイトの⒜弟子であった。⒝弟子であったことはない。


この答えは、あなたのスタンスで決まります。

あなたがアドラー派の立場であれば、正解は⒝ですが、フロイト派の流れを汲む人ならば、⒜が正解になります。


まず、フロイト派の流れを汲む立場から解説します。

この立場では、必ずアドラーをユングと共にフロイトの弟子扱いをします。
理由としては、1902年からフロイトが始めた「心理学水曜会」の最初のメンバーであり、1911年にフロイトのグループを抜けるまで中心的な地位を占めていたことを上げます。


しかし、アドラーは、「心理学水曜会」に所属する前から独自の理論を持っていたし、さらにアドラー自身もこの件に関し次のように述べています。

「フロイトと彼の弟子たちは、明らかに自慢するように、私がフロイトの弟子であったと言うことを好む。私が精神分析のサークルでフロイトと大いに論争したからである。しかし、私は一度もフロイトの講義に出たことはないのである」(『生きる意味を求めて』アルテ、P.207)

「私は彼の誤りから学んだのである。私自身は、一度も精神分析を受けたことはない」(同書、P.206-207)


フロイトの弟子である条件は、フロイトの講義や精神分析を受けることだとすると、アドラーは、フロイトの弟子であったことはない、という結論になります。

それはそれとして、アドラーは明らかにフロイトから学んでいます。
それは、「私は彼の誤りから学んだのである」とアドラーが言っているように、フロイトを反面教師として、まったく相反する理論構築をするのにフロイトの考えを役立てたことは間違いありません

 



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