おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(12月16日)は、会社には行かず、この1月中旬に秀和システムから発刊のリーダーシップの本の最終稿のチェックを終え、編集担当に送りました。
(昨日と同じ写真)
かなり気合を入れて書いた書き下ろし本です。
さて、「ヒューマン・ギルドと神楽坂」の物語のシリーズの8回目です。
今までの7回は、次をご参照ください。
・11月5日付けブログ ヒューマン・ギルドと神楽坂=設立時の苦難の物語
・11月7日付けブログ ヒューマン・ギルドと神楽坂=榎町時代(1):企業研修で業績向上
・11月9日付けブログ ヒューマン・ギルドと神楽坂=榎町時代(2):経済的安定+精神的安定
・11月16日付けブログ ヒューマン・ギルドと神楽坂=神楽坂により近い天神町への移転
・11月22日付けブログ ヒューマン・ギルドと神楽坂=奥神楽坂に位置する天神町
・11月27日付けブログ ヒューマン・ギルドと神楽坂=ペルグリーノ博士と出会ういきさつ
・12月 6日付けブログ ヒューマン・ギルドと神楽坂=ペルグリーノ博士の招へいを決断した言葉
前回からペルグリーノ博士の話題に入っています。
前回は、1999年4月末にペルグリーノ博士にモントリオール・アドラー心理学大学院で会った瞬間から相性の良さを感じ、授業の中でペルグリーノ博士が言われた言葉 ―"Plow it deeper and higher."(より深く、より高く耕しなさい)― がその後の私の支えになったことを書きました。
昨日、過去のニュースレターを見ていたところ、たまたま1999年7月号のニュースレターに「モントリオールの裏話」として書いていた文章にジョセフ・ペルグリーノ博士についての記述がありましたので、その部分をほんの少し修正を加えながら紹介します。
ペルグリーノ博士については、6月の会報ですでに少々お人柄をお伝えしました。
一部重複がありますが、あらためてお伝えします。
博士は、イタリア人の移民として家族とモントリオールに渡ってきました。
モントリオールのコンコルディア大学を卒業後、教員を務めながらニューヨーク州立大学とシカゴのアルフレッド・アドラー研究所でそれぞれの修士号を、コロンビア・パシフィック大学で博士号を取得されました。
初日の午前中の講義が終わってから「何かフィードバックがありませんか?」と尋ねるものですから昼食に向かう途中「博士、しゃべるとき通訳に向かって話しすぎます。受講者の方を向いて下さい」と失礼を省ず言うと、「率直なフィードバックをありがとう」と感謝してくれました。
ここで突然話が変わります。
5月1日の講義とパーティーが終わって私が寝ようとしたときのことです。
寝室のドアが突然スーッと開きました。
9歳のタクロウがトイレに起きたのかと思ってドアのところを見ると誰もいません。
私は突然瞑想モードに入りました。
しばらく私の幻想が続きました。
ドアが開くやいなや、すでにこの世を去っている両親が部屋に入ってきて、私のベッドの傍らに立ちました。
二人を代表して父が私に語りました。
「俊憲、おめでとう! 二人はお前を祝福に来たよ。お前は人生の最大級の仕事を成し遂げたね。おめでとう!」
そう言ってから両親は私のベッドに背を向け静かに寝室を後にしました。
これまた不思議なことに、ドアが今度はひとりでに閉まりました。
私にしてみれば瞑想とは思えませんでした。
このことを5月2日の昼食時にペルグリーノ博士に伝えると、博士は目に涙を浮かべながら私を正視して、
「岩井さん、それはただの幻想じゃないですよ。あなたは本当に祝福されているのですよ」と言ってくれました。
5月2日の晩には、家族で博士を夕食に招待しました。
その際私の息子のN(大学生)が「北米でMBA(経営学修士)を取得したい」と言うと、「モントリオールにはMBAプログラムを持つ大学としてマギル大学とコンコルディア大学が英語での授業を行っているけど、コンコルディア大学(博士の母校)を推薦するよ」と、わざわざ大学を案内してくれました。
しばし会食を楽しんでから、博士は、別れ際私の家族一人ひとりと握手を交し、ゆっくりとした口調で勇気づけの言葉を伝えることも忘れませんでした。
9歳の息子のタクロウにも対等の立場で握手をしながら念入りにお別れの挨拶を述べて下さいました。
お陰でタクロウは「オレ、またドクターに会いたい。英語とフランス語を勉強して博士と話をするんだ」と張り切っています。
ペルグリーノ博士にと接して感じるのは、第一に、カウンセリングに従事する人の理論や技法もさることながら、「人徳」の重みです。
ペルグリーノ博士からは確かな人徳が感じられます。
トゥルーディー・フリードマンさん(大学院のバイス・プレジデント)と8月下旬に東日本地域で講演・セミナーをされますが、できるだけ沢山の方々にご参加いただきたいと思っています。
その時はただ聞くだけのために参加するのではなく、どしどし質問したり、また懇親会の場でも積極的に両先生とコミュニケーションを図ってみて下さい。
かなりひどい英語でも理解してしまう不思議な才能をお持ちですし、さもなければ近くにいる英語がわかる人をにわか仕立ての通訳として利用してしまえばいいのです。
私は学ぶことにおいて手遅れはない、発心したときが始まりだ、とモントリオールでペルグリーノ博士に接して痛感するとともに、21世紀に向けてヒューマン・ギルドで社会人教育の一躍を担おうと決意を新たにした次第です。
このように私はペルグリーノ博士との出会いを運命時な導きのように感じたのです。
(1999年5月1日)
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