付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「星虫年代記1」 岩本隆雄

2009-03-08 | ファーストコンタクト
「ちゃんとした家庭がなかったら、ちゃんとした世界なんかできるはずがないんや」

 世界中に流星雨が降りそそいだ日から世界は一変した。
 人々の額にぴたりと張りついた宝石のようなカケラ、星虫と呼ばれるようになったそれは、人間の知覚能力を飛躍的に上昇させたのである。視力聴力を向上させ、ラジオテレビの電波さえできるようになるそれを当初は宇宙からの恩恵と受け止めていた人々だったが、それが次第に成長して虫の姿を明らかにしていくにしたがい態度を変えていき……。

 新潮文庫のファンタジーノベル・シリーズから刊行されて、やがてソノラマ文庫へと移籍したジュブナイルSFの傑作、『星虫』と『イーシャの舟』が2作品をつなぐ後日談ともいうべき短編『バレンタイン・デイツ』を加えた合本で朝日ノベルズで再登場! ええ、買ってしまいましたよ。5冊目を! だいたい合本ってのは分厚くて読みにくくてキライなんだよ……。
 道原かつみ、山田ミネコ、鈴木雅久、草琢仁といったSF&ファンタジー好きの琴線をくすぐるイラストレイター(マンガ家)に続く5人目は新人えむかみ。構図や色づかいにかなり期待できるけれど、まだまだ……かな。
 このあとには『鵺姫真話』『鵺姫異聞』の合本も予定されているということで……これも買ってしまうだろうな……。いや、なにがなんでも買うから、とにかく新作を読みたい!とそれだけは言わせてもらいます。
 滅びつつある地球と人間と星虫の物語と、天邪鬼に取り憑かれた気の良い男の物語『イーシャの舟』は同じテーマで描いた別の話だと思って読んでいたら、実は同じ世界の物語だったと気がついたのはもう随分と前のこと。さらに『鵺姫真話』『鵺姫異聞』という話がまたジグゾーパズルのようにかみ合って1つの話になるもんだから、こんな書き方していたら量産はできないわなあ……。

 そういえば、「星虫」アニメ化の話はどうなったんだろう?

【星虫年代記】【岩本隆雄】【イーシャの舟】【バレンタイン・デイツ】【地球】【環境問題】【発掘された宇宙船】【ボーイ・ミーツ・ガール】
コメント
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