田中芳樹の『ウェディング・ドレスに紅いバラ』の続編を『滅びのマヤウェル』の岡崎裕信が書き継いだ1冊。結局、岡崎版「紅い薔薇」は今のところこの1冊だけですが、力量は評価されたようで、このあと同じく集英社スーパーダッシュ文庫でやはり田中芳樹原作の『KLAN』シリーズを完結させることになります。
吸血鬼には生まれながらにその因子を持つ先天性のものと後天的にウィルス感染してなるものがいる。CRS(真紅の薔薇結社)は先天性の吸血鬼が自らの生存権を守るために作られた秘密組織。世界征服などと世迷い言をぬかす同族がいれば葬り、吸血鬼の血を分析して人工吸血鬼なんざ作ろうという科学者がいれば研究所ごと吹き飛ばすのも彼らの仕事だ。
一仕事終えたCRS日本支部の結社員、女子大生・花村雅香と、ローカル美術館の学芸員・緑川淳司の前に現れたのは美しい双子の少女。活発で凛々しい姉の久我真理と、礼儀正しくおしとやかな妹の久我倫理である。
先天性吸血鬼として目覚めてしまった倫理を救うため雅香の血を奪おうとする真理だが、先天性吸血鬼には治療法はない。しかも、吸血鬼の血を求める者が双子に罠を仕掛けてきたのだ……。
CRSに新たなメンバーが加わるまでの物語が、ただただ一気呵成に繰り広げられます。ホラー・アクションはシンプル・イズ・ベスト。田中芳樹版との違和感もなく、続編としては文句なし。ただ、大きな敵の正体が明るみに出るなど伏線も張り巡らされているので、できれば彼女たちの次なる物語を読みたいものです。
しかし、やはり小林立のイラストが合わないと思うなあ……。まるまるしたいかにもロリな絵では、この作品の一部しか表現できず、残りの部分をスポイルしちゃいます。このミスマッチは作家にもイラストレイターにも不幸なことです。巧ければいい、可愛ければいいではなく、適材適所というのはあると思うのです。
【夜空の双子座に紅いバラ】【岡崎裕信】【田中芳樹】【吸血鬼】【双子】【ストッキング歩兵部隊】【狼男】【鴉】【虎の血族】
吸血鬼には生まれながらにその因子を持つ先天性のものと後天的にウィルス感染してなるものがいる。CRS(真紅の薔薇結社)は先天性の吸血鬼が自らの生存権を守るために作られた秘密組織。世界征服などと世迷い言をぬかす同族がいれば葬り、吸血鬼の血を分析して人工吸血鬼なんざ作ろうという科学者がいれば研究所ごと吹き飛ばすのも彼らの仕事だ。
一仕事終えたCRS日本支部の結社員、女子大生・花村雅香と、ローカル美術館の学芸員・緑川淳司の前に現れたのは美しい双子の少女。活発で凛々しい姉の久我真理と、礼儀正しくおしとやかな妹の久我倫理である。
先天性吸血鬼として目覚めてしまった倫理を救うため雅香の血を奪おうとする真理だが、先天性吸血鬼には治療法はない。しかも、吸血鬼の血を求める者が双子に罠を仕掛けてきたのだ……。
CRSに新たなメンバーが加わるまでの物語が、ただただ一気呵成に繰り広げられます。ホラー・アクションはシンプル・イズ・ベスト。田中芳樹版との違和感もなく、続編としては文句なし。ただ、大きな敵の正体が明るみに出るなど伏線も張り巡らされているので、できれば彼女たちの次なる物語を読みたいものです。
しかし、やはり小林立のイラストが合わないと思うなあ……。まるまるしたいかにもロリな絵では、この作品の一部しか表現できず、残りの部分をスポイルしちゃいます。このミスマッチは作家にもイラストレイターにも不幸なことです。巧ければいい、可愛ければいいではなく、適材適所というのはあると思うのです。
【夜空の双子座に紅いバラ】【岡崎裕信】【田中芳樹】【吸血鬼】【双子】【ストッキング歩兵部隊】【狼男】【鴉】【虎の血族】