付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「南極新聞」 編:朝比奈菊雄

2009-08-28 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 第45回の南極観測隊には朝日新聞社が女性記者を派遣し、インターネットを通じての現地報告などが話題となりましたが、そもそも朝日新聞社は第1次南極観測隊から既に同行取材の記者を派遣しておりました。
 1952年に国際学術連合会議が国際地球観測年を提唱し「国際協力で地球を観測しようぜ!」と呼びかけ、日本もそれに応えたもののまだ敗戦直後。南極観測までは手が出す余力がないと渋っていたのを、朝日新聞社のキャンペーンが後押ししたという縁があってのことです。
 その1956年の第1次南極地域観測隊において往復の観測船<宗谷>の船上で発行されたガリ版刷りの日刊新聞を縮刷したもので、上中下の3巻セットです。
 船内でおこなわれた行事や売店や理容店の開店情報、気象状況・緯度経度から赤道祭、途中で購入した物品等についても記されていて、航海中の様子を知るのに最適の書です。
 一時期、航海をテーマにした同人PBMを主催していまして、その参考に何か航海の様子がわかる本がないかと訊いて回っていましたら、スギヤくんが「これがいいですよ」といって貸してくれたもの。困ったときに何かを訊くと、すぐに答えてくれる人が周囲にいるのはありがたいことです。

【南極新聞】【朝比奈菊雄】【赤道祭】
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「トレジャー・ハンター八頭大 ファイルVII」 菊地秀行

2009-08-28 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「資料や情報は、最後の決断を容易にさせる手段にしかならない。最終のゴー・ストップは人間が下す。だからこそ、悲劇が生まれるのだ」
 18歳にして国軍を率いて冷戦下の米ソ連合艦隊を討ち下した伝説の英雄、ローラン共和国軍人コーネル・ヤンガーの言葉。

 ソノラマ文庫から刊行されていた菊地秀行のエイリアン・シリーズの合本版、「トレジャー・ハンター八頭大」もついに最終章……というか、まだ続きます。なにせ、話が伸びに伸びたエピソードです。上巻が出たから次は下巻かと待っていたら中巻で、次の下巻で終わりと思ったら完結編が続き、その完結編も「完結編3」まで行ってしまった大風呂敷です。うちの嫁さんは序盤で脱落しちゃいましたが、なるべくしてなった最終章。あの執事の弟やら死霊秘宝館館長マリアに箱船の蛮人リマも登場。さらには聖騎士シャルロット・クレマンティーもメンバーに加わって、謎のプリンスともども南洋のローラン共和国へと潜入しますが、相棒が銭の亡者にして裏切り御免の太宰ゆき、さらにイヤでも付いてくる疫病神というか貧乏神の執事・名雲陣十郎とあっては前途多難、波瀾万丈。解決させる気があるのか疑わしくなる探索行です。

 米村孝一郎の八頭大は最後まで馴染めませんでした。好きなマンガ家ですが、大ちゃんは普段は金持ちのボンボンにしか見えなかったりする人ですから、こちらのもみあげたっぷりの大ちゃんはちょっとワイルドすぎな気がします。ゆきとかプリンスは文句なしですが。

【トレジャー・ハンター八頭大】【エイリアン魔神国】【菊地秀行】【米村孝一郎】【恥かき巨人戦争】【単分子ワイヤー】【巡航ミサイル】【人狼】【ミイラ】【機械服】【地獄横丁のマリア】
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