恋人に裏切られ、残されたものは「ぬか漬け」の壺1つとなった倫子は故郷へと帰る。田舎の母親とは不仲だったが、喪失の衝撃から失語症となった倫子には、そこしか居場所が残されていなかったのだ。
山あいのふるさとに戻った倫子は小さな食堂を始めた。それは成功も危ぶまれる、一日一組のお客様だけをもてなす、メニューのない食堂だったが……。
これなら味皇さまの記憶も戻るよね!と思いました。
倫子がそんなに腕の良い料理を作れたのかとか、経営は成り立つのかとか、きちんと経理は記録しているのかとか、気にならないでもなかったけれど、話としては面白く読めました。料理もかなり美味しそう。でも、夜中にお腹が空くほどではなかったかな。料理の描写も細かいけれど、なにより人と人、人と自然の結びつきの物語です。
ネット書評を読んでいたら、意外にも内容に嫌悪感を抱くものが多くて笑いました。現実に目を背けて、ほんわりのほほんと夢を追いたいだけの人にはこの展開が不評なのも分かります。でも、食用犬チャウチャウだって愛玩犬としてかわいがられることもあれば、その逆もあるのが「世界」というものだし「生きる」ということなんですけどね。
自分の子供の頃は「釣った魚は食え」と教えられました。食べもしないのに命を弄ぶな。人間も自然の営みの一部なのだと。
【食堂かたつむり】【小川糸】【鳩】【ふくろう】【ブタ】【ぬか漬け】
山あいのふるさとに戻った倫子は小さな食堂を始めた。それは成功も危ぶまれる、一日一組のお客様だけをもてなす、メニューのない食堂だったが……。
これなら味皇さまの記憶も戻るよね!と思いました。
倫子がそんなに腕の良い料理を作れたのかとか、経営は成り立つのかとか、きちんと経理は記録しているのかとか、気にならないでもなかったけれど、話としては面白く読めました。料理もかなり美味しそう。でも、夜中にお腹が空くほどではなかったかな。料理の描写も細かいけれど、なにより人と人、人と自然の結びつきの物語です。
ネット書評を読んでいたら、意外にも内容に嫌悪感を抱くものが多くて笑いました。現実に目を背けて、ほんわりのほほんと夢を追いたいだけの人にはこの展開が不評なのも分かります。でも、食用犬チャウチャウだって愛玩犬としてかわいがられることもあれば、その逆もあるのが「世界」というものだし「生きる」ということなんですけどね。
自分の子供の頃は「釣った魚は食え」と教えられました。食べもしないのに命を弄ぶな。人間も自然の営みの一部なのだと。
【食堂かたつむり】【小川糸】【鳩】【ふくろう】【ブタ】【ぬか漬け】